夏休みは「ベネズエラ人」からスペイン語を学ぶ! 「英語+1」のすすめ
皆さん、ベネズエラってどんな国がご存知ですか?
ganasは2年半前から、「経済危機で苦しむベネズエラ人から学ぶ『命のスペイン語レッスン』」と題するオンラインプログラムを開講しています。今期を含む受講者数は延べ715人!
どうしてここまで支持されるのか。その理由は第一に、ベネズエラ人講師らが頑張って、レッスンの工夫&準備をしていること。その甲斐あって、「レッスンの中身が凝っていて楽しい」「レッスンをカスタマイズしてくれるので、自分が学びたいことを集中的に学べる」「ベネズエラのこともいろいろ知れて、嬉しい」「初心者で心配だったけれど、すごく気にかけてくれる」といった声が寄せられています。
では講師たちが暮らすベネズエラとはいったいどんな国なのでしょう? 7つの特徴を挙げ、シンプルにご紹介します。話のネタにどうぞ。
1)世界四大ミスコンの優勝者数は世界最多
世界四大ミスコンとは「ミス・ワールド」「ミス・ユニバース」「ミス・インターナショナル」「ミス・アース」を指します。
美女の国と名高いかどうかはさておき、ベネズエラは断トツの成績を挙げています。下の図表をご参照。
ベネズエラに限らず、ラテンアメリカでは町・村単位でもミスコンがあり、盛り上がります。また大都市では若い女性がウォーキングのクラスに通うことも。
2)殺人率は世界ワースト2位
人口10万人当たりの殺人件数を国別でみると、世界保健機関(WHO)のデータではワースト2位、国連薬物犯罪事務所(UNODC)のデータではワースト3位。ベネズエラの治安の悪さはかねてから折り紙つきです。
JICA海外協力隊の派遣も(現在はベネズエラへの派遣自体がない)、おそらく過去に一度も首都カラカスへはありません。危ないからです。
元ミス・ベネズエラで、ミス・ユニバースにも出場したモニカ・スピアさんが2014年、ベネズエラ第3の都市があるカラボボ州の高速道路で車を止めていたところ、武装グループに射殺された事件は全世界に衝撃を与えました。
3)世界最悪のインフレ率が10年続く
数年前は月ベースで200万%を超えるなど、ここ10年ぐらいにわたって世界最悪のインフレが続くのがベネズエラ。国際通貨基金(IMF)が2023年4月に発表したデータ(データによって数字は変わります)では2023年(4月時点)のインフレ率は399%でした(日本は2.7%)。世界最悪です。
ベネズエラの物価は実際、モノによっては日本を上回ります。それなのに最低賃金は1カ月(1日ではありません)で130ボリーバル(約714円)。紛争も災害も起きていないのに、「生活ができない」という理由で多くの難民を出すゆえんです。
4)難民の数は世界最多レベル
国別の難民の数もデータによって異なりますが、下の図表は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR。スペイン語ではACNUR)のデータをもとに、統計を図表化するサイト「statista」から引用したもの。
これによるとベネズエラ難民の数は世界最多。シリアを上回っています。紛争も災害も起きていないのに、国民の4分の1近くが難民として国を出ていった、それがベネズエラ。原因は、経済政策の失敗による経済危機(インフレ)です。
ちなみにベネズエラは世界最大の石油埋蔵確認量をもつ国でもあります。ですがイランから2020年、ガソリンを輸入しました。ガソリン価格もいまや、日本より高い。いや、入手困難か(かつては満タンにしても100~数百円だった)。経済危機がいかに深刻化がわかると思います。
5)世界有数のメジャーリーガーを輩出!
ネガティブな話が続いたので、ここらんで明るい話題を。
野球サイトの「Baseball America」によると、2021年4月時点でメジャーリーガーを最も輩出している国は米国(全体の72%)。2位がドミニカ共和国(同10%、80人)で、3位がベネズエラ(7%、54人)です。
ベネズエラ出身の現役メジャーリーガーで有名どころを挙げると、三拍子そろったロナルド・アクーニャ・ジュニア選手(右翼手)、2022年の首位打者ルイス・アラエス選手(二塁手)、小柄ながらMVP1回・首位打者3回・盗塁王2回のホセ・アルトゥーベ選手(二塁手)ら。
先のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では準々決勝で敗れたベネズエラですが、個々の実力は日本より上。ただ大谷選手へのリスペクトはすごく、地元のメディアは「Fenómeno Japonés」(日本の奇才)と呼んでいるとのこと。
ちなみに日本でプレーしたことのあるベネズエラ人選手といえば、元ヤクルトのラミレス選手、ペタジーニ選手、元西武のカブレラ選手らがいます。また野茂投手は晩年、ベネズエラリーグの強豪「カラカス・レオネス」に移籍しましたが、1勝も挙げられないまま去っていきました。
6)世界最大の落差をもつエンジェルフォールがある!
世界的に知られた観光地の代表格と言えば、ベネズエラ東部のボリーバル州にあるエンジェルフォールがあります。この滝の落差は979メートル(ほぼ1キロ!)。あまりに高いため、落ちてくる水が雨・霧のようになってしまい、滝つぼがありません。
エンジェルフォールは森の奥にあるため、飛行機でしかたどり着けない陸の孤島。ツアーで行くのが一般的ですが、その場合、現地ではハンモックで寝泊まりします。楽しいですね。
7)南米の英雄シモン・ボリーバルの出身地!
南米で「解放者」の異名をとる英雄、シモン・ボリーバル(ボリバル)の出身地は今でいうベネズエラです。カラカスで1783年に生まれたシモン・ボリーバルは、現在のベネズエラ、コロンビア、エクアドル、パナマを、当時の宗主国スペインから独立に導きました。
ボリーバルという名前は今も、さまざまなところに残っています。ベネズエラの正式な国名は「ベネズエラ・ボリバル共和国」。通貨もボリーバル。ベネズエラではまた、その町にある中央広場のことを「プラサ・ボリーバル」と呼びます。
プラサ・ボリーバルの真ん中には必ず建っているのが、シモン・ボリーバルの銅像。ベネズエラ人いわく、世界で2番目に多い銅像がシモン・ボリーバル(1番目はイエス・キリスト)。またベネズエラ以外でも、たとえば南米の別の国ボリビアの語源もシモン・ボリーバルです。
いかがでしたか?
こんなベネズエラの人たちからスペイン語を学ぶプログラムが「経済危機で苦しむベネズエラ人から学ぶ『命のスペイン語レッスン』」。これまで追加募集を続けてきましたが、7月31日(月)で締め切ります。
『命のスペイン語レッスン』で講師を務めるのは、経済危機で生活苦に陥ったベネズエラ人たちです(みんなベネズエラ在住の庶民)。と言っても寄付を渡すのではなく、講師の仕事をきっちりしてもらい、報酬として払うのがミソです。これによって、やる気のあるベネズエラ人講師が頑張ってくれるのです。新しい国際協力のかたち。
ちなみに受講者の皆さんの属性はいろいろです。JICA海外協力隊(OB・OG、候補生、現役隊員)、リタイヤされた人たち、大学生、ラテンアメリカやスペイン語に関心のある人たちなど。スペイン語のレベルもまた、スペイン語に初めて触れる初心者からスペイン語を仕事にも使っている上級者まで。
この夏に、「英語+1」としてスペイン語を始めてみませんか? ラテンアメリカは英語が通じないだけに、スペイン語を学ぶ価値は高いです! また言葉を学ぶことで、英語圏以外の“新しい文化”にも触れられて、これがまた楽しい。音楽、料理、ハンモック‥‥いろいろあります。日々の暮らしを豊かにするチャンスはここにあります!
↓↓↓
【7/31 お試しコースのみ追加募集】経済危機で苦しむベネズエラ人から学ぶ『命のスペイン語レッスン』