スペインの2大全国紙「エル・パイス」と「エル・ムンド」はトップで報道、ほとんどの日本人が知らないベネズエラ事情
大統領の就任式が1月10日に開かれたベネズエラ。予想通りとはいえ、不正疑惑で3選を決めていた“独裁者”のマドゥロ氏が大統領の座に就きました。
昨年7月28日の大統領選が公正に実施されていれば大統領になっていたとされる野党統一候補のゴンサレス氏は結局、亡命先のスペインからベネズエラに帰国しませんでした。大統領に就任するため戻る意向をギリギリまで示していましたが、マドゥロ政権は「帰国すれば逮捕する」と明言していました。
ゴンサレス氏の後ろ盾で、また野党のリーダーでもあるマチャド氏はベネズエラ国民に対し、就任式の前日(1月9日)の抗議デモに参加するよう熱心に呼びかけていました。ですが現地からの情報によれば、いまひとつ盛り上がらなかったとのこと。
「なぜなら抗議デモに参加すると、(マドゥロ政権側に)殺されるか、逮捕されて刑務所送りになることをみんな知っている。(マドゥロ政権の凶暴さを)怖がっている。この国を去る人はますます増えるだろう」(一般のベネズエラ人たち)
ベネズエラの大統領就任式のニュースをスペインの2大全国紙「エル・パイス」と「エル・ムンド」はトップで報道しました。見出しは下のとおり。
エル・パイス「マドゥロ氏が大統領宣言、勝利の根拠示さず」
*投票日前の世論調査ではゴンサレス氏の支持が83%と、マドゥロ氏の10%を圧倒的にリードしていました。ところが投票日には多くの立会人が選挙の監視を妨害されたことから、集計に大規模な不正があったとの見方が濃厚。
エル・ムンド「ゴンサレス氏『最高司令官として私は、“権力を握った者”が出した違法な命令を無視するよう軍部に命じる』」
*マドゥロ氏は憲法を破り、クーデターを起こし、自らを「独裁者」に仕立て上げた、ということを踏まえて。
2紙とも、反マドゥロ政権のスタンスをかなり明確にしています。
ではマドゥロ政権の息がかかったベネズエラの新聞はどうでしょうか。2大全国紙の「エル・ウニベルサル」と「エル・ナシオナル」の見出しは下のとおりです。
エル・ウニベルサル「マドゥロ大統領とベネズエラ国民、私たちは裏切りの汚名を払拭した」
*チャベス前政権から続く“革命”に異を唱える行為を「裏切り」と言っているようです。
エル・ナシオナル「マチャド氏『私に起きたことはマドゥロ政権内の深い矛盾を示している』」
*マチャド氏は1月9日にマドゥロ政権側に拘束されましたが、その後すぐに釈放されたことについてのコメント。
やはり表立ったマドゥロ政権への批判はできないようです。
日本から遠い南米。それだけにミャンマーやシリアとは違い、ベネズエラで何が起きているかをきちんと知る日本人はごくわずかです。
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