洋書で英語学習:「ゴーン・ガール(Gone Girl)」は本も映画も怖くて面白いサイコスリラー
今回ご紹介するのは、ゾッとするサイコスリラーです。映画をご覧になった方がおられるかもしれませんが、ぜひ、洋書にも挑戦してほしいなと思う、読みだしたら止まらない小説「Gone Girl」です。
とある若い夫婦を巡るスリラー小説なのですが、絶対にネタバレしたくないと思う大どんでん返しものです。私は、映画を観る前に読んだのですが、もうハラハラドキドキ、こういう状況を英語ではnail-biting(爪を噛み続けてしまうような)というのですが、どういう展開になるのか気になって気になってどんどん読み進めてしまう力のある作品です。
ネタバレしたくないとは言いましたが、ちょっと英語のハードル的に高めだなと思う洋書を読む場合は、あらかじめストーリーが解っていることが大きな助けになります。また、すでに結末を知っていると、冒頭などで「あ~だめじゃん、それはダメ!気を付けて!!」と思わず登場人物に肩入れしてしまいそうになるような、そういう楽しみ方もあると思います。
最初は夫側の語りでストーリーが進みますが、途中で妻側の語りに変わります。そのあたりからもう読者はジェットコースターの乗客のように、ブルんブルんと揺さぶられ振り回されます。正直後味が悪い話で、好き嫌いはさておき、ものすごい力のある作品です。(読後は、車酔い状態です)
あらすじ
5回目の結婚記念日の朝、ニックの妻エイミーが失踪する。とある事情で一般人でありながらもプチ有名人であるエイミーの失踪に世間は大騒ぎ。しかし、いろいろな状況証拠がニックを不利に見せるものだったことから、ニックが妻の失踪に”関与している”のではないかとメディアにさらされる。
身に覚えのないことで世間から白い目で見られるニックは、果たして一体何がエイミーに起こったのか、必死で探ろうとするが、そのうちに、妻について自分が知らなかったことがあまりにも多いという事実に愕然とする。
失踪事件として捜査する女刑事も、徐々にニックの隠された裏の顔を知るようになり、事件は思わぬ方向へと急展開する……
映画「ゴーン・ガール」
2014年の映画化では、ニックをベン・アフレック、そしてエイミーをロザムンド・パイクが演じました。二人とも演技力抜群で、はまり役だったと思います。
映画も十分見ごたえがありますが、2時間ほどの中には収めきれない詳細や心理描写が原作小説の中には記されています。
冒頭部分を少しご紹介します。ニックの語りです。
When I think of my wife, I always think of her head. The shape of
it, to begin with. The very first time I saw her, it was the back of the
head I saw, and there was something lovely about it, the angles of it.
Like a shiny, hard corn kernel or a riverbed fossil. She had what the
Victorians would call finely shaped head. You could imagine the
skull quite easily.
I’d know her head anywhere.
And what’s inside it. I think of that too: her mind. Her brain, all
those coils, and her thoughts shuttling through those coils like fast,
frantic centipedes. Like a child, I picture opening her skull, unspooling
her brain and sifting through it, trying to catch and pin down
her thoughts. What are you thinking, Amy? The question I’ve asked
most often during our marriage, if not out loud, if not to the person
who could answer. I suppose these questions stormcloud over every
marriage: What are you thinking? How are you feeling? Who are
you? What have we done to each other? What will we do?
英語のレベル
日常生活の描写や会話が多く、それほど文学的で高度な語彙が頻繁に登場するわけではありません。ですので、単語レベルとしてはそれほど難しいということはないと思います。
一方で、日常会話が多いということは、日本人があまり知らないスラングや慣用表現なども多いということになります。夫婦のお話なので、少々セクシーな描写もあります。
ただ、知ってる範囲の単語や表現での本ばかり読むのも広がりが無いですので、ドキドキハラハラするストーリーを英語で読んでみたいと思うなら最適の本だと思います。
英語レベル★★★☆☆
スラング★★★★☆
こちらはAudible(朗読本)です。サンプルがあるので聞いてみると英語のレベルもわかります。男性と女性のナレーター2人がクレジットされているので、ニックのナレーションとエイミーのナレーションに分けてあるのだと思います。
英語を習得したい、上手くなりたいというのは多くの人の普遍的な希望ですよね。こうすればいいよと言葉で表現することのむつかしさをかみしめています。楽しくて自然に英語が身に付いていくような、そんなコンテンツの発信を目指しています。