洋楽で英語:「Someone to watch over me~私を見守ってくれる誰か」(ジャズスタンダード)
先日ご紹介した映画「誰かに見られている」で主題歌として使われたジャズスタンダード曲、タイトルは映画と同じ「Someone to Watch Over Me」をご紹介します。
タイトルに聞き覚えが無くても、きっとどこかで聞いたことのあるメロディだと思います。とても美しいバラードです。
まずは、スティングさんのカバーをお聴きください。ハスキーな美声にうっとりしてしまいます。
サビのところで、「あ、この曲か!」と思われた方もいるのではないでしょうか。CMなどでよく使われていますよね。
歌詞は以下の通りです。訳を付けました。
恋は盲目と言うけれど
探せば見つかるっていうでしょう
だから、私は心の中に想い描く理想の人を探すつもり
あちこち探してもまだ見つからない
忘れられない大恋愛になる相手
失って後悔するたった一人の人
イニシャルを彼のもの変えたいの
こんな迷える子羊を導いてくれる羊飼いはどこ?
逢いたいと焦がれる人がいる
その人こそがそうでありますように
私を見守ってくれる人
他の女子にとっては
ハンサムとは言えない人でもいいの
私の心を開くカギを持っているなら
お願い、スピード上げてって伝えて
私はここよ。必要なのよ
見守ってくれる人が
------ジョージ&アイラ・ガーシュウィン
この歌詞、女の子がまだ見ぬ赤い糸で結ばれた男性、自分を見守ってくれる存在になる男性を夢見て、それを思い浮かべている歌です。
ジャズボーカルの女王エラ・フィッツジェラルドさんの歌唱は以下です。
さて、映画「Someone to watch over me(誰かに見られている)」の主題歌は、冒頭のように男性のスティングさんが歌っています。なので、お気づきの方もおられたかと思いますが、代名詞のheがsheに、himがherに代わっています。
そして、「羊飼い」を表す「shepherd」という単語も、女性形「女羊飼い」とでも言いましょうか、「shepherdess」という単語に代わっています。いわゆるwaiter/waitress、host/hostess、steward/stewardessの法則ですね。
今は、こういったような性別で単語を分けることが良しとされないので、steward/stewardessは、男女ともにcabin attendent(客室乗務員)というような男女とも同じ呼び方になっています。
ちなみに、waiter/waitressは、今はserver(給仕掛)と呼ばれることが一般的になっています。
冒頭、lad(男)という名詞が以下のようにgirlに代わっていて、代名詞も変化しているのが分かります。日本語だと単に「人、その人」と表現すると思うので、これは英語独特の現象ですね。
この記事について、以下で音声配信をしています。
ジャズスタンダード、特にバラード曲はメロディも歌詞も美しいものがいっぱいあります。
これからもどんどんご紹介します。