「英語的とらえ方」の訓練で英語力Up!
英語学習で上達を加速させるには、まず「英語的とらえ方」の訓練をするといいです。
つまり「英語文化で英語圏の人が物事をとらえる順序」を理解し、普段から自分の考えをその順序で組み立てる訓練です。単語や文法を勉強することはもちろん大切ですが、その前に、ちょっと時間を取って「英語的とらえ方」を理解すると、意外と英語のとらえ方が早くなり、英語学習が楽しくなります。
「英語的とらえ方」とは?
英語文化で英語圏の人が物事をとらえる順序は以下のようになっています
1)誰が(主語)
2)どうするのか(動詞)
3)何を(目的語)
4)補足(いつ/どこで/なぜ/だれと/どんなふうに…:副詞)
つまり、「誰が→どうする→何を」の順序。
誰がどうするのかという結論から先に!です。
逆に日本語は結論が最後に来ますから、日本語を組み立てて、そこから正しい英語に訳そうとしてもうまくいかないんです。日本語から訳そうとする前に、まず今あなたは「何を伝えたいのか」「なぜそう思うのか」を考え、クリアにしましょう。
そして、あなたの「何を伝えたいのか」の中身を「誰が→どうする→何を」の順序で組み立てるのです。
そして「なぜそう思うのか」で伝えたい事の理由や情報を補足します。
たいていシンプルな英語で表現できるはずです。では、具体的に考えてみましょう。
「何を伝えたいのか」をクリアに
「何を伝えたいのか」は会話やメールの主題です。
例えば、「最近の心配事は?」という問いに対し、以下のように思ったとします。
「いつもこの時期は、この町はお祭りでにぎやかですが、今年はコロナの影響でお祭りも中止となり、観光客がほとんどいません。静かでよいという意見もありますが、私はお祭りが好きなのでちょっと寂しいです。それより、町の経済へのダメージが心配ですから、早く通常に戻り、経済が廻るようになってほしいです」
あなたの一番心配事、言いたい事、つまり主題は何だったでしょうか?「経済へのダメージが心配」ということです。しかし、最後にその論点がきているので、全体がぼやけます。
頭に持ってきてみましょう。
「私は、コロナの影響による町の経済へのダメージが心配です。いつもこの時期、この町はお祭りでにぎやかですが、今年はお祭りも中止となり、観光客がほとんどいません。静かでよいという意見もありますが、早く通常に戻り、経済が廻ってほしいです。それに、私はお祭りが好きなのでちょっと寂しいです」
この方が、わかりやすいですね。
「なぜそう思うのか」
「なぜそう思うのか」は、伝えたい主題を述べている論点の理由や根拠です。
先ほどの書き直した文章を聞いている人の立場で考えてみましょう。
まず最初に主題「経済へのダメージが心配」を提示しているので、話を聞いている人は、頭の中にまず、ああこの人は「経済へのダメージが心配」なんだなということがインプットされます。そのうえで、「観光客が減っているから」という理由や「静かでよいという意見もあるが、私は寂しい」という補足が情報として補充されます。
主題がすでに頭に入っているため、「なぜそう思うのか」という理由や補足などが話として理解しやすくなるのです。
それでは、主題から始めて理由へ移行する方法で、先ほどの文を英語で書いてみます。
(主題)I am worried about the damage on local economics caused by COVID-19 outbreak. (理由/説明)Around this time of the year, this town normally attracts many tourists and gets lively with various festivals. This year, however, festivals are cancelled and not many tourist visit us. Although there are opinions that it is quiet without tourists and thus better this way, I myself wish we had more tourists as usual so that the town's economy generates better in the end. (補足)Moreover, I personally enjoy festivals and simply miss them.
「丁寧語」「尊敬語」は適度に。「謙遜」は不要
「英語的とらえ方」という観点で、もう一つ重要な違いがあります。日本的な「丁寧な挨拶」や「謙遜」が英語の概念にはあまりないという音です。よって必要ないのです。
特に欧米人は物事をポジティブにとらえることを良しとするので、自分を下げる「謙遜」の概念はあまり良いこととして捉えられません。英語に「へりくだる」表現は存在しないと思ってよいです。
「素敵な帽子ね」と褒められたのに「いえ、私は帽子に合わないから」とか「いえ、私には不釣り合いよ」とか「安物なのよ」とかネガティブなはんのうすると相手は「???」ってなりますよ。
「ありがとう!気に入ってるの!」という方が話がはずみますよね。
ですので、しいて言えば、
丁寧語は3パターンくらいだけマスターして使いまわす
尊敬語は心の内にだけたっぷり秘めとく(大事です)
謙譲語……要らない(多分)
むしろ日本人特有のそんな「おりこうさん」な考え方をバッサリそぎ落とすことで、英語が洗練されよりナチュラルになります。
ちなみに、何かをお願いするときの丁寧語の3パターンは、
Please…
Would you please...
I would appreciate it if you could...
そして、感謝の「Thank you」はいつも忘れずに!
参考になる本
英語はアウトプット(話してみる、書いてみる)が重要です。特にじっくり考える時間がない「話す」ときのアウトプットはちょっと難しいですね。
なれることが一番ですので、何か言いたいことをとにかく英語にしてみるというアウトプットの練習をしてみましょう。
アウトプットの参考になる本をいくつかピックアップしました。
「英語で話す力」は日本語で話したい論点をどのように英語で表現すればよいかが学べます。ディベート的な内容が多いかもしれませんが、じっくりアウトプットを勉強したい人にはお勧めです。
さまざまな目的を達成するためには、どのように伝えると効果的か、「提案」したり、「断る」場合など、テーマに沿って解説されています。実践的な内容で、自分の考えを伝える力を養います。
英語のアウトプットが必要となる状況と話題を想定し、準備しておくという発想で、効果的なアウトプットを迅速に導き出すという、ある意味画期的なアプローチです。提示された状況がお仕事などでぴったりはまれば、大変役立つ表現の勉強になりますし、広く表現力の強化にもなります。
英語を習得したい、上手くなりたいというのは多くの人の普遍的な希望ですよね。こうすればいいよと言葉で表現することのむつかしさをかみしめています。楽しくて自然に英語が身に付いていくような、そんなコンテンツの発信を目指しています。