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英文メールの書き方:5行で完結させる思考の組立順序・実例編

英語を話す人々は、思考をどのように組み立てるのでしょうか?そしてそれは日本人とどう違うでしょうか?

日本人の思考の組立順序

仕事で知らない相手にメールを書くことをイメージしてみてください。日本人は、「相手に失礼にならないように」「きちんとした敬語で」書こうとすると思います。冒頭に時節の挨拶などを盛り込んだりするかもしれません。そして、日本語の流れのように、
いつ/どこで/誰が/何をする
という順序で文章を組み立てていくと思います。

つまり最も重要な「何をする」の部分が一番最後なわけです。

欧米人の思考の組立順序

欧米人はどうでしょうか? 英語の文章の組立は、
だれが/どうする/何を/いつ…」という順序になります。
つまり結論が一番最初に来る思考回路なのです。英語ではその回路に合わせればいいんです。

 ① 軽く挨拶して
 ② 結論を提示、そして
 ③ 理由を述べる
 ④ 補足や希望を伝え
 ⑤ 締める

シンプルな構成です。

時節の挨拶など、欧米人の思考回路に存在しない儀礼的な文句などは、思い切って省いちゃえばいいんです。挨拶の文章に時間を費やすなら、上記の5つの項目の内容を充実させることに時間と神経を使ったほうがいいです。

日本語でついつい組み立ててしまいがちですが、不必要な部分を知っていればそれをそぎ落とせます。そして、伝えたいことの本質だけを見極めて表現します。これで組み立てる英文の量がずいぶんスリムでシンプルになります。

基本的なボキャブラリーや文法の勉強はもちろん大前提として大切ですが、とりあえずそれ以前に、まず英語文化での「マインド」と「思考回路」を理解することで、ずいぶん英語へのアプローチが明快になります。

英文メールで考える思考の組立順序・実例編

では実際にメールを書いてみます。
ビジネス寄りの内容ですが、日常の普通の話題でも同じです。

まず、下記の状況でメールをするとします。この場合、あなたはどう伝えるか考えてみてください。日本語でよいです。

自分の説明不足で、先方から受け取った書類に不備があった。直筆の署名がないと経理部署に処理してもらえず、もう一度記入してもらわないといけないので、書類を再度送ろうとしている。同じことをまた頼むのは申し訳ないとは思うが、契約締結の期日に間に合わないといけないので、月末までに記入返信してもらいたい

この状況、もし日本語でメールしたらこんな風になりませんか?

お世話になっております。
先日はお忙しい中、早速に書類をお送りいただきありがとうございました。
確認いたしましたところ、〇〇の部分の記載に問題がございました。説明不足で申し訳ありませんが、この部分は直筆での記載していただく必要がございます。このままでは経理処理を進めることができませんので、大変恐縮ですが、再度ご記入のうえ、至急に送信いただけませんでしょうか。
なお勝手ではございますが、処理の関係上、今月までにご返送いただければありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

美しい日本語で書かれた丁寧なビジネスメールです。しかしこれをそのまま英語に訳したら、もうメタメタな文になっちゃいます。

ではどうしましょうか。
形式にはめ込むとよいので、まずは、メールの型を説明します。

 1)挨拶
 2)目的
 3)理由
 4)補足
 5)結び

英語でメールする場合、一番言いたいことをまず想定します。

ここではメールの目的は「もう一度書類を正しく記入してもらうこと」です。そこに肉付けして、下記の5つのセンテンスを順に書くだけでOKです。

 1)挨拶:送付のお礼
 2)目的:もう一度書類の○○に直筆記入してもらいたい
 3)理由:受け取った申し込み書類に不備があったから
 4)補足:〇日までに、再送してほしい
 5)結び:協力への感謝

「経理が処理してくれない」ことなどはこっちの都合であって、先方に関係ないことは書かなくていいので端折ります。言い訳は特に要らないってことです。
また、この状況、書き間違えたのは先方ですので、こちらは必要な仕事をしているだけ。謝る必要はなしです。へりくだる表現は文字の無駄と思っていいです。どうしてもお詫びするなら最後でいいです。最後だと、忙しい相手が読まないがという選択肢を取れるから。

でも考えてみてください。謝るよりは感謝する方が感じがいいですし、相手もうれしいですよ。

そしてそもそもないですね。「お世話になっている」とか「お疲れ様です」という概念とか。その概念がないので、書いてあると逆に???と相手を困惑させるかもしれません。

こういうクッション言葉は、日本人としては、書かないと気持ち悪いものですが、そこの思考を変える必要があります。相手は書いてあった方が気持ち悪いかもしれませんから。

では1)から5)に英文をはめ込んでいきます。

1)挨拶:送付のお礼
2)目的:もう一度書類の○○に直筆記入してもらいたい
3)理由:受け取った申し込み書類に不備があったから
4)補足:〇日までに、再送してほしい
5)結び:協力への感謝

1)Thank you for sending the form.
2)we need to ask you to fill it once again.
3)Your name needs to be hand-written in section 〇〇.
4)Please fill it again and send it back by 〇〇
5)Thank you for your cooperation.

これで、完璧に伝わります。そして相手がこのメールを読むのに要する時間はおそらく10秒以内です。相手の貴重な時間をセーブしてあげたあなたはできるビジネスパーソンなのです!

この文章には、接続詞などのクッション言葉が一切ありませんが、全く問題ないです。あった方が流ちょうでこなれた印象にはなりますが、そこにエネルギーを使うより、書くべきこの5行に全エネルギーを使うべきです。

でも、いくら何でも愛想が無さ過ぎると思うのであれば、下記のような表現で少し肉付けするとちょっとこなれた感じになります(が、特にそんな必要もありません)。

加えた(または変更した)のは太字の部分です。

Thank you for sending the form promptly.
I am afraid we need to ask you to fill it once again.
Your name needs to be hand-written in section 〇〇.
We would appreciate it if you could fill it again and send it by 〇〇.
We thank you in advance for your cooperation.

いかがでしょうか?

悪魔の英語術まとめ:思考改革のキーポイント

悪魔的に思考改革のキーポイントをまとめてみました。

・簡潔に挨拶・目的・理由・補足・結びの五行が基本。
・先方に関係ないことは書かなくていい
・言い訳は特に要らない
・必要な仕事をしているなら謝る必要なし
・へりくだる表現は文字の無駄
・不必要な文を読ませて相手の時間を奪わない
・どうしてもお詫びするなら最後でいい
・謝るより感謝
・相手の文化に存在しない概念は相手を困惑させるだけ

ただし!

自分に非があるときは、遠慮なく謝りましょう!

Have a wonderful day!



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Lily(悪魔の英語術)
英語を習得したい、上手くなりたいというのは多くの人の普遍的な希望ですよね。こうすればいいよと言葉で表現することのむつかしさをかみしめています。楽しくて自然に英語が身に付いていくような、そんなコンテンツの発信を目指しています。