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「同情するなら金をくれ!」安達祐実のふと同情する演技法。【YouTube更新】


「同情するなら金をくれ!」

・・・いま聞いても衝撃的なセリフですよねw。
1994年、ドラマ『家なき子』で、この台詞と共に子役スターになった安達祐実さんの演技についての分析を、A芸さんのYouTubeチャンネルで2回分たっぷり喋ってきました。

ドラマ『家なき子』を27年ぶりに見返したんですが・・・当時12歳だった安達祐実の演技、あらためて天才子役だったんだなぁと感じました。
台詞が棒読みだっていいんですよ。ほぼ無表情だっていい。そんなの関係ない。視聴者の心をこんなにも鷲掴みにして、揺り動かしていることが重要なんです。

ボクがそんなことについて語っているYouTubeをご覧ください。

なんで当時の日本中の人が彼女に心を揺り動かされたんだろうと考えながら、何度も『家なき子』の第1話を見返してみたんです。

そうしたら、学校でのいじめとか、すずに不幸が次々と襲いかかってくるとき、彼女はほぼ無表情でその不幸を受け止めてゆくんですよね。それが逆に視聴者を心配にさせるんですよ。「え?どうなっちゃうんだろう?」と彼女から目が離せなくなってしまうんです。

普通の子役だったらいじめのシーンでは反射的に悲しそうな表情をしたり、怒りの演技をしたりすると思うんです・・・むしろその演技の方が楽なんですが・・・でもそうしてしまうと視聴者はすずの感情が説明されてしまうので、それに納得して、それ以上彼女に注目しなくなってしまうんですよ。心動かしたりしなくなってしまうんですね。

演技を視聴者に「押し」付けないで「引き」つける・・・これはもう柔道の極意「押さば引け、引かば押せ」みたいなもんですよね(笑)。
視聴者との間合いの取りかたみたいな話だと思います。

「魅力的な俳優」の定義っていったいなんなのか?

それは千差万別すぎて一言では言えないのですが、あえて一言で言ってしまうならば、ボクはそれは「観客の心を揺り動かすことのできる俳優」だと思います。

『七人の侍』の三船敏郎演じる菊千代・・・あんなに強そうなのになんか心配でしたよねw。おいおい大丈夫か?ってついつい見ちゃうじゃないですか。
松田優作演じるジーパン刑事・・・心配でしたよね。彼が調子に乗れば乗るほど、安心してればしてるほど心配だった。
高倉健がじっと耐えてても心配だし、活動的になったらもっと心配でしたよね。
田村正和演じる古畑任三郎・・・ただただ心配な男でした(笑)

彼らは名優たちは、みんな芝居で観客を「押す」のではなく「引いて」いた。 だから観客の方が身を乗り出して彼らのことを見てしまう・・・そこに芝居の大切な極意の一つがあるような気がします。

「ハウス・カリー工房」のCMでの幼い安達祐実、すでにもうその「押し引き」の極意を会得しているようで・・・まーかわいい&まー心配w。ついついもう一回見たくなっちゃう・・・いや〜ホント天才子役だったのだなあと思います。

さて、最後に告知をさせてください。

前回募集した7/23開催の演技ワークショップ、定員まであと1名となりました。「ガッキー式のかわいい演技」の構造を紐解いて、それを演じてみるといった内容です。参加希望の方はお早めに。ではでは!

小林でび <でびノート☆彡>


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