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『ザ・ボーイズ』のお芝居は、撮影も演技も新しい!

前々回に予告しましたYouTube対談動画「お芝居を考える会⑪+⑫」が無事アップされましたので、紹介いたしまーす。
千村利光監督(『ワカコ酒』『ざんねんないきもの事典』)との対談もこれで12回目。芝居や演技に関するマニアックな話を、演出サイドから、そして俳優サイドから攻守交代しつつ喋りまくるこの対談動画、

今回のテーマは「『ザ・ボーイズ』が凄い!」です。

『ザ・ボーイズ』とはAmazonプライムで大人気のオリジナルヒーロードラマで、現在第3シーズンが撮影中で、もう待ちきれない感じ。
ストーリー的にもアメコミヒーロー達の内幕を描く感じでかなり刺激的なんですが、ボクはキャストの演技が超レベル高い!と思ったんですよね。そしたら千村監督が「いや、あれは演出・撮影も凄いんですよ!」ということで、急遽今回の対談のテーマに加えた次第なのです。

ではまずは前編、千村監督の『ザ・ボーイズ』の演出・撮影面の話から・・・どうぞ!

なるほど『ザ・ボーイズ』の会議シーンと、『相☆棒』の会議シーンが同じ構図で撮影されているとはまったく盲点でしたw。でもたしかに構図が同じなのに生んでる効果(狙ってる効果)がまったく違うんですよねー。

『ザ・ボーイズ』はあえてのオーソドックスな構図で新しい効果を狙っているわけですね・・・面白いなあ。

ではその後編、小林でびから、『ザ・ボーイズ』の演技面の話をどうぞ!

後半、ボクちょっと取り乱してましたね(笑)申し訳ない。収録が緊急事態宣言明けすぐで、リアルに映画や演技の話ができるのが嬉しすぎたんです😃

・・・補足を。
『ザ・ボーイズ』の会議シーンの芝居みたいに、喋ってるホームランダーが聞いてる人たちに背中を向けている場合、喋ってる人物が皆を向いている時は「表の顔(うそ)」、皆に背中を向けている時は「裏の顔(本心)」・・・みたいな演技・演出ってよく見ますよね。

でも『ザ・ボーイズ』の場合はそれをやっていない・・・むしろその逆。

どちらを向いてる時もホームランダーの表情や感情は変わらないんです。表情や感情に変化が起きているのはそれを聞いてるセブンのメンバー達の方なんですよ。彼らがホームランダーの視線をすごく意識した芝居をしているんです。しかも「見られてる/見られてない」のふたつの芝居を切り替える感じではなく、ホームランダーの表情や声の調子、彼との距離によってその緊張と衝動(言い訳したい!)の度合いが変わるという・・・それは後ろ暗いところがある人物もそうでない人物も、それぞれの人物の事情によってそれぞれ違った種類に緊張したり緩和したり、衝動が発生したりしている・・・非常にディテールの多い芝居をしているんですよね。

だから視聴者は、その話を聞いてる姿を見ることによって、それぞれのヒーローが本当はどんな奴で、何を恐れていて、何に腹を立てていて、何を欲しがっていて、ホームランダーに対して本当はどう思っているのかを感じ取ってしまうのです。すごく消極的でありながら効果絶大なキャラクター表現ですよね。

そしてホームランダーはその効果を最大限にあげるために、話しながら会議室中を歩き回ります。彼との距離や角度が変わることによって、セブンのメンバー達の振る舞いがどんどん変わってゆく・・・いや〜面白い。

これぞ「関係性の芝居」の最たるものですよ。

こういう会議シーンって日本でも欧米でも、刑事モノやヤクザ物の映画ドラマではよくあるんですが、だいたい話を聞いてる人たちはボーッとしてますよね(笑)意味なくうなづいていたり(笑)。『アベンジャーズ』シリーズですらそんな感じですからね。新しいんだと思います『ザ・ボーイズ』は。

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いかがでしたでしょうか?
動画で対談するって、お互いにお互いの話に刺激されて、まったく新しいことがひらめいたりするので大好きなのです。

ブログの読者の方はなかなかYouTube動画は敷居が高いという方もいらっしゃるかとは思いますが、たまにこうやってご紹介できると嬉しいなあと思っています。

さて『ザ・ボーイズ』の第3シーズン、楽しみですねえ。
撮影方法も、俳優の芝居もさらにターボかかってるんだろうなあ。もちろん物語も。いや〜待ちきれません☆

小林でび <でびノート☆彡>



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