秋の光に舞う蝶と花
秋の白い光が降り注ぎ始めた北九州に、渡り蝶アサギマダラが飛来した。
休むことなくフジバカマの上をふわふわと浮かぶように舞い、蜜を吸っては飛び、吸っては飛ぶを繰り返している。人が近づいてもそこから離れようとはしない。これから海を越えて南へと渡る準備をしているのだろう。
か弱そうに見える蝶の中のいったいどこに海を越えて数千キロも飛び続ける強靭なエネルギーが秘められているのか。そしてまたこの小さなフジバカマの花を空から見つけ出すことができるのは、研ぎ澄まされた嗅覚と視覚を持つからなのか、それともアサギマダラ特有の超感覚があるからか。
奇跡とか神秘という言葉さえ陳腐なもののように思えてくる。
フジバカマにはピロリジジンアルカロイド(PA)という毒物があり、このPAがアサギマダラの雄の性フェロモンを分泌させ、雌を呼び寄せる。また体を毒化することによって鳥などの捕食から逃れることができるとのこと。
年々昆虫の絶滅数が増加し続けている中、アサギマダラも同様に飛来する個体数が減少しているようだ。今こうして目の前で見ることのできる光景をしっかりと目に焼き付けておきたいと思う。
秋の白い光を浴びながら音もなく静かに舞うアサギマダラ。
迎える秋の花たちも祝福の歌を歌い共に舞い踊っているように見えた。
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