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花の迷宮
北九州市内で、「La vie des fleurs 花のある世界展」と題した花のイベントが催された。会場となった「旧安川邸」は、明治45年に建造された、企業家安川敬一郎氏(1849~1934年)の邸宅。現在は北九州市指定有形文化財となっている。
色彩の乏しい冬の街から屋敷内に入ると一転、そこには花の迷宮のような、華やかな世界が待ち受けていた。
大座敷や応接室、書斎など、部屋に合わせてデザインされたフラワーアレンジメントの花々は、不思議な程どれも元気がいい。研究熱心な花卉栽培者が手掛けたものではないかと思う。
和風建築の質素な佇まいと、落ち着いたフレンチシックな花との絶妙なバランス。デザイナーはどんな人なんだろうと思いながら写真を撮る。そこに北尾 美香さん御本人が現れた。
二言三言話した後、いきなり私の写真を撮らせてくれと言う。何やらそのとき自分が着ていた、からし色のハーフコートが、傍にある花の色調に合っているとのこと。さすがに目の付け所が違う。
北尾さんはフランスで修業され、日本では一級フラワー装飾技能士資格を取得。現在北九州市でフラワーショップ「rosette(ロゼット)」を経営されている。
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花に抱く想いは、人それぞれ。喜び、希望、情熱、優しさ、忍耐、純粋な愛、静けさ…。
内に秘めた想いを花に重ね、散りばめながら、調和の美を創造していくフラワーアレンジメントは、セラピーとしても十分効果を発揮するだろう。
お花は人の心を癒します
フラワーセラピーは、生活習慣病をなくし、健康でいられるための学習にも役立てられます。
花で心を癒す(フラワーセラピー)とは、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を使って、季節のお花・行事のお花やハーブなどの植物と接することで、脳を刺激して活性化する効果があります。
美しい花の持つこの効果から、心身のバランスを整え、人の心を和ませ疲れを癒します。
ストレスや悩みから解放される術の一つとしても知られており、介護や医療などの専門機関で、リハビリ療法や箱庭療法、カウンセリングの一つとして取り入れられています。
多彩な感情表現を織り込んだフラワーアートであるのは間違いない。北尾さんの作品を見ていると、感性の豊かさ、繊細さ、優しさ、そして何よりも花への深い愛を感じる。何回見ても飽きず、部屋のあちこちを行ったり来たりした。
アートはヒーリングであり、ヒーリングはアートになる。観る者は、美の世界に覚醒し、時を忘れ、現世を離れ、そして癒される。
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何故私たちは、癒しを必要とするのだろう。
目の前に起こり続ける「出来事」に直面し、感情を抱きながら、私たちは毎日を生きている。しかし喜びに溢れる感情はウェルカムだが、そうでない感情もたくさんある。実に厄介だ。なぜこんなにも扱いにくい機能を人間は持っているのだろうか。
目の前にある出来事の情報は、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)という「センサー」を通して、脳内に取り入れられる。
それらの情報を分析し、解析し、意思決定のための選択肢を提示するのは、脳という「コンピュータ」の役割だ。
しかし意思決定をするのは脳ではなく、「コンシャスネス(意識)」である。
自分にとって好ましいものか、或いは避けるべきものかどうかを即座に判断し、ふるい分けできるのは、経験によって培われた感情という「フィルター」があるお陰。人それぞれが持つ個性あふれる機能だ。
つまり意思決定には、思考と感情という両方が必要になる。
米国の心理学者ロバート・プルチック氏が提示している「感情の輪」では、私たちが持つ感情の基本的なものを取り上げ、分類している。
プルチックの感情の輪
1980年にロバート・プルチックは「感情の輪」を提示した。これは8つの基本感情と16の強弱派生、及び8つの応用感情(ダイアド)から成り立つ。応用感情は輪において隣接する2つの基本感情の組み合わせからなる。後にプルチックはこの8つの応用感情を「一次」と位置付け、さらに8つずつの「二次」「三次」の応用感情を理論化した。
。Wikipedia
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Wikipedia
私たちに湧き起こる感情、それはこうした多種多様な感情が複雑に絡み合い浮かび上がったもの。そのバリエーションは無限だ。
感情は母親の胎内にいる時からすでに芽生えている。以前ヒーリングワークをしている最中、あるクライエントの若い女性が深いリラクゼーションの中で突然笑い始めた。
「どうしたの?」と尋ねると、
「イチゴが空から降ってきた! あははは!」と言い、笑いが止まらなくなった。
彼女は胎児の時の記憶を思い出していた。突然イチゴが目の前にたくさん降ってくるヴィジョンが現れた。その光景が胎児の彼女にとっては、たまらなく楽しかった思い出として、記憶の底に眠っていたのだ。
後日母親に尋ねると、妊娠中にたくさんイチゴを食べていたとのことだった。胎児の時に感じていた楽しさを数十年後になってリアルに再体験するとは、潜在意識の世界は何て奥深いのだろう。
こうしたピュアな感性は、生まれたばかりの赤子から3歳くらいまで温存される。目の前に起こる出来事には即座に反応する。嫌なことがあれば一瞬にして泣き始める。楽しければただ笑う。とても自然な反応だ。
その後、徐々に感情を抑えることを学んでいく。それは社会生活を営む上で必要なこと。子供は大人たちの言う事に黙って従う。しかし本人にとってその影響による問題が現れるのは、随分後になってからだ。これには二つの側面がある。
一つは身体的な影響。
感情には、それぞれ固有の周波数がある。また臓器にも固有の周波数がある。ある感情を抑圧すると、そのエネルギーは、共通する周波数の臓器と同調し、保存される。悲しみは肺、怒りは肝臓、恐れは腎臓というような具合だ。
話は逸れるが、若い頃、一日アルバイトでマンションの外壁清掃をしたことがある。まず屋上までエレベーターで登る。そこから足場へ降り、一階ずつ清掃する。下階へ降りるのは、時間節約のため、階段ではなく足場の外側に体を投げ出すようにして降りろと言われた。命綱はあっても、ロープは短く、使い物にならなかった。自分は昔から高所恐怖症だった。しかし途中で帰るわけにはいかなかった。恐怖のあまり、一日の仕事が終わった頃には、腎臓が痛み始め、その後一週間治らなかった。感情が内臓に蓄積するということを身をもって知る経験となった。
感情が解放されるならば、問題にはならない。しかし、この抑圧がパターン化して繰り返されると、臓器には感情エネルギーと緊張が蓄積していく。
身体の不調は骨格の歪みが原因という説がある。骨格の歪みが起こるのは、こうした内臓への感情エネルギーの蓄積によって、内臓が緊張し、それが周囲の組織をも収縮させ、身体全体のバランスを徐々に崩していくからだ。
実際に身体のエネルギー状態を調べると、たった一つのエネルギーブロックでも、その影響が水の波紋のように、同心円状に全身へ広がっていることがわかる。
もう一つは、心理的な影響。
抑圧した感情が身体に蓄積していくと、それらは潜在意識の中に封印され、無意識のうちに蓋をするようになる。しかし意識の9割を占める潜在意識の力はとても強い。顕在意識に向かって、この感情エネルギーを何とかしてくれと絶えずノックしてくる。
本人にとっては、抑圧した感情なんて二度と触れたくない。認めたくもない。できるなら無かったことにして欲しい。しかしながら、そこに過去の記憶と重なって見える出来事が目の前にやってくる。潜在意識と共鳴するものが引き寄せられるからだ。そこで抑圧していた感情に再び火がつく。抑えきれずに、溢れたり、キレたり、混乱してしまう。
心理的影響には、更に複雑な問題も生まれる。抑圧した感情を打ち消し、或いは埋め合わせてくれる「代償」を、無意識のうちに外の世界に求めるようになる。
人間関係、仕事、物、お金、権力、地位、財産、保険等々、外側にある物事は何でも代償行為になり得る。
幼児期に親の愛を得られなかったならば、その悲しみや怒りを打ち消そうと、人から愛されることや評価されること、他者をコントロールすることに必死になったり、物やお金で埋め合わせようとしたりする。
これらは社会を生き抜く上で、モチベーションというポジティブな動機付けになるが、一方で心と身体に多大な重荷、負担、緊張をもたらす。他者への悪影響も同時に引き起こし、大きな問題に発展するリスクが高くなる。
ポジティビティとネガティビティとが一人の人間の中でせめぎ合う状態にいるとき、本人の意識は、どこに自分の落ち着くべき居場所があるのか、分からなくなってしまう。右足でアクセルを踏みながら、左足はブレーキを踏み続けているような状態だ。
個々人の中にあるこのような状況に、社会はまったく無関心である。しかし社会問題を生み出す根底にあるのは目に見える制度や慣習ではなく、目には見えない感情の抑圧ではないか。
こうした社会の中にあって、身体的、心理的な重荷や負担、緊張の背景にあるものを理解し、解放し、より自分らしく自然体で生きるために編み出されたのが、様々なセラピー、ヒーリングワークであり、また個人的探求方法としての瞑想だ。
好ましい感情はとても心地よく、ハッピーになれる。しかしそうでない感情もたくさんあるということが、人生を、そして社会傾向を複雑で難しいものにしている。
そもそも、感情とはいったいどこから生まれるのか?
感情を生み出すエネルギーの源泉は「ハート」。それは私たちの存在の中心であり、魂にとって我が家のようなもの。魂が打ち震えるような感動を覚えるとき、熱くなるのは頭の中ではなく、ハートである。多種多様な感情は、合計7つあるチャクラの、各々のエネルギーの増減或いは光の明滅のようなものを、肉体レベルに翻訳した結果なのではないかと思う。
9年前、父親の臨終の際に、身体のエネルギー状態を調べると、ハートチャクラ(胸の中心部)にエネルギーが残っていることが分かった。それは3日間続き、荼毘に付される4日目になって消えていた。ハート以外の6つのチャクラは死後すぐに空になっていた。父親は決して愛情深い人ではなく、自分も他者も愛することが苦手なタイプの男だった。しかしハートのエネルギーは失われず、心の奥にずっと秘められていた。
私たちはこの地上に生まれ落ち、様々な経験を積む中で、実に多種多様な感情を日々味わい、巻き込まれ、翻弄され、抑え込み、解き放ちながら生きている。
コントロールの効かない感情は実に厄介だ。しかし怒りや悲しみの中にも愛が潜んでいる。後悔や失望の中にも希望の種が眠っている。
私たちは、自身の内側にある迷宮を彷徨いながら、真実の自分を探し求めているのかもしれない。
そうだとしたなら、どんな感情であっても、否定的になり過ぎずに、正面から向き合うことができるはず。その奥にこそ、私たちの核心がある。核心に生きていれば、無益な闘争や、骨の折れる代償行為に明け暮れることからは離れていく。
どんなに感情を揺さぶられ続ける過酷な人生であったとしても、この社会がどんなに理不尽で、抑圧的で、暴力的であったとしても、自らの奥にある純粋なハートを思い出すための、人生を賭けたチャレンジであるとするならば、様々な感情を味わう「経験」は、かけがえのない宝物となる。
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「La vie des fleurs 花のある世界展」
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Love Is
Peter Pearson
ありがとうございます
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