アクセシビリティやっていき活動報告2023
この記事はAdventar アクセシビリティ Advent Calendar 2023の12月10日の記事です。
株式会社ハタフルでフロントエンドエンジニアを、同社の運営するWebデザイナー養成スクール「ハタフルアカデミー」では講師を務めている yshimizu と申します。
今年は肩書が増えて「リードエンジニア」も拝命しました。仕事自体は変わっていませんが、吸収した知識や技術を社内外に還元できるよう、一層頑張っていきたい所存です。
さて、私が講師を務めている「ハタフルアカデミー」ですが、授業の内容に少しだけアクセシビリティの話を盛り込んでいます。今年カリキュラムを一新したので現在はまたちょっと違うのですが、おおよそ以下のような構成の内容でした。
「アクセシビリティ」という言葉の説明
アクセシビリティの重要性
アクセシビリティを高めるにはどうすればよいか
レベル感としては、「マークアップをしっかりやろうね」「代替テキストを設定しようね」「サイズや色に注意しようね」といった具合です。
去年の記事を執筆した時点でも、授業後のアンケートに「ちょっと興味が出てきた」「詳しく調べたいと思った」といった感想が寄せられていましたが、この1年でデータがだいぶ溜まってきたので、今回はその結果をまとめていきたいと思います。
集計結果
該当の授業を受けて、かつアンケートに回答してくれた人は54名でした。
このうち、21名の方が自由記述欄に「アクセシビリティ」のワードを含めて回答してくれていました。
数字だけみると微妙なところかもしれませんが、この授業は半分以上がアクセシビリティ以外の内容で構成されているので、私としては「4割の人が関心を寄せてくれた」という驚きと喜びでいっぱいです。たとえ授業直後の一時的なものであったとしても、個人的には嬉しい結果に変わりありません。
記述内容の傾向としては、「興味がわいた」という内容が2件、「理解が深まった」という内容が5件、「知りたい・学びたい」という内容が7件と、結構ポジティブな感想が多かったです。
いくつか素敵な回答があったので、少し紹介します。
「アクセシビリティ」という言葉や意味を知らなくても、自然とアクセシビリティを高めるためにいろいろな工夫をしている方はたくさんいると思います。
この感想を寄せてくださった方は、自分が普段やっていることと単語が結びついて、より明確な意識が持てるようになったのかもしれませんね。
アクセシビリティを語るうえで、「特別な誰かのためではなくて、みんなのために必要なもの」という話は絶対に押さえておきたかったので、内容と重要性の両方がきちんと伝わってよかったです。
結果を受けての感想
カリキュラム内に「アクセシビリティの話を盛り込もう!」と授業資料を作っていたときは、正直なところ「退屈されないかな」「聞き流されたりしないかな」「難しいって言われないかな」と心配していたので、想像に反して良い反応がもらえてホッとしました。
とくに「知りたい・学びたい」という方が結構いたことが嬉しかったです。
「身近な場所で、世間話感覚で、一緒にアクセシビリティの話や勉強ができる仲間が欲しいな」と思っている身としては、アクセシビリティという単語や概念を知ってもらうだけでも、一緒に学ぶ・推進していく仲間が増えていく可能性を感じました。
地元でアクセシビリティの勉強会やイベントを開催するのは(私個人のレベル感としても)まだまだ難しいかもしれませんが、「このアクセシビリティ関係のイベントに一緒に行ってみない?」とワイワイできる未来は、そう遠くないかもしれません。
今後について
冒頭にも少し書いた通り、今年ハタフルアカデミーのカリキュラムは一新されました。その関係で、残念ながら対面の授業でアクセシビリティのお話をする機会はなくなってしまいました。
代わりに、生徒さんが自宅学習として取り組む動画授業のほうで、アクセシビリティの話をする枠を確保しました。大枠の構成やレベル感は同じですが、授業1コマの時間を気にする必要がなくなった=説明を急ぐ必要がなくなったので、より嚙み砕いて、ひとつひとつ丁寧な説明にしたつもりです。
生徒さんの反応を直接見ることができないのはやっぱり悲しいですが、少しでも「アクセシビリティの話って難しい」と感じる人が少なくなるといいなと思います。
その他、会社の協力も受けつつ、個人的に福島県内のクリエイティブ職のコミュニティをDiscordで立ち上げる準備を進めています。2024年春ごろにはお披露目できるかな……?
メンバーが集まってきたら、「ちょっとみんなでアクセシビリティのイベント行こうよ!」と声をかけるつもりです。
終わりに
去年の記事で「地域全体が、アクセシビリティに対する意識を持つようになったら最高ですね!」と書きました。
この1年で「時間はかかるかもしれないけど、頑張れば現実になるかも?」という可能性が見えてきた気がします。
自己研鑽はもちろんのこと、次は他の人を巻き込んで成長できるよう、土壌を整える・耕すことにも注力していきたいと思います。