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結晶性樹脂と非晶性樹脂のあれこれ①

プラスチック(樹脂)には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2種類があります。なかでも我々がフィルム作りの際に扱う熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂非晶性樹脂のさらに2つに分類されます。
結晶構造を持つか否かによって樹脂特性が異なります。

今回は、この結晶性樹脂非晶性樹脂の特徴や違いにフォーカスしてみたいと思います。

1.結晶性樹脂と非晶性樹脂の性質

①結晶性樹脂について

溶融樹脂の温度が「結晶化温度(Tc)」まで低下、固化した時に分子が規則的に並んだ「結晶部分(折りたたみ構造)」を持つものが結晶性樹脂です。
ちなみに結晶性樹脂には、非結晶部分もあり、結晶部分の比率を「結晶化度」といいます。結晶化度は樹脂の種類や成形条件によって異なります。

代表的な樹脂としては【PE・PP・PA・LCP・PEEK・PTFE…etc】等です。

②非晶性樹脂について

溶融樹脂の温度がある温度まで低下すると分子運動が停止します。
この時に分子が結晶部分を持たず、不規則に絡み合ったまま固化する(ランダム構造になっている)のが非晶性樹脂です。

代表的な樹脂としては【PVC・PMMA・ABS・PC・PS・PEI…etc】等です。

それでは、続いて特徴の違いを見てみましょう。

2.結晶性樹脂と非晶性樹脂の特徴

結晶性樹脂と非晶性樹脂は結晶構造の違いにより物性等の特徴も異なります。
比較例としては下記の通り。

(※あくまで一般的な比較例なので、樹脂の改良等によっても異なるケースもあります。)

3.結晶性樹脂と非晶性樹脂の違いをまとめると、、

・溶融状態から一定の温度に低下して固化する時の分子の停止状態が異なる
・結晶性樹脂には、ガラス転移点(Tg)と融点(Tm)がある。
 また、分子が規則的に並んでいる「結晶部分」が存在する。
 (※但し、結晶化した部分の周りに非結晶部分も存在する。)
・一方の非結晶性樹脂は、ガラス点移転(Tg)のみがあり、分子がランダムに存在する。
・結晶構造の違いにより、物性等の特徴にも違う傾向が見られる。

            ということになります。

いかがでしたか?
今回はここまでにして、また次回以降、物性面の特徴の違いを掘り下げて
見ていきたいと思います。

また、ご興味ありましたら別の記事や弊社webサイトもご覧下さい。

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