試作機の紹介:パート2~(スクリュー編)

スクリューresize

前回(試作機の紹介:パート1)で弊社の試作機を紹介しました。

その中でも少し触れたのですが、今回は押出機において無くてはならないパーツであるスクリューについて、少し掘り下げてみたいと思います。


1)スクリューの役割

 前回説明▶ スクリューは螺旋状の溝が切られた棒軸のことで、それを回転させることで材料(ペレット状の樹脂等)をバレル内部を移動させながら溶融し、混錬します。

 ・・・ 要するに、ホッパーから送られてくる樹脂を熱で溶かしながら、前へ前へと押出すのが最大の役割なのです!

 そして、樹脂によっても溶融した時の状態(粘度)が変わりますので、それらをしっかりと押出すために色んな形状のスクリューがあります!

 では、スクリューはどう使い分けをしているのでしょうか?


2)樹脂とスクリュー

 弊社では、主に結晶性樹脂と非晶質樹脂の大きく2つのカテゴリ毎に使い分けをしています。また中には樹脂のタイプに合わせて専用スクリューもあります。

 基本的には、樹脂に合わせて効率よく押出をするためにどの形状が最適かを考えて、スクリューを選びます。

 結晶性樹脂の場合は、溶融状態で粘度が低いもの(つまりシャバシャバの液状)を効率よく押出するために、溝が浅く切られたものを使用しています(溝が深いとバレル内部で溶融樹脂が空回りしてしまう)。

 一方の非晶質樹脂の場合は、スクリュー先端の溝が深いものを使用したりしています。

 これに留まらず、スクリュー構造(バリヤ型・フルフライト型)や供給部・圧縮部・計量部の溝の深さによっても押出機の性能が変わってくるので、

 最適条件を模索するのはとても緻密な作業なんです!

 
3)まとめ

 我々ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーでは、樹脂の特性に合わせて、様々なスクリューを使い分けてフィルムの製膜(試作・開発)を行っています。

 樹脂からフィルムを安定してつくるためには、押出機のパーツの1つに過ぎないスクリューも非常に重要な要素になってきますね!

 スクリューの回転数や長さ、太さもフィルムの品質に関わってくるので、この辺りもまたの機会にご紹介したいと思います。

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