ドイツ留学、初めての海外
はじめに
9月2日から始まったドイツ、ハイデルベルクでの留学。英語は大学二年次までの積み重ねのみ、ドイツ語は直前の独検2級に落ちる程度のもので語学面にはかなりの不安があり、この留学が初めての海外であることも併せて一寸先は闇といった状態で旅立った。
最初の一日
飛行機内で
飛行機は羽田発ハノイ経由のフランクフルト行きベトナム航空であった。かなり直前にとったものであり、評価などを全く見ていなかったが、結果としてはそれほど悪いものではなかった。(日本からの留学生に聞いて回ったところ直通は3割ほどであった。)基本は映画を見て過ごしながら、経由地の後はなるべくドイツ時間に合わせて睡眠をとった。飛行機内での大きな出来事の一つとして隣の乗客との交流がある。ハノイ後の飛行機では団体の家族が近くの席に座りたいとのことで予約時のものから変わることとなった。そこで隣りあった女性はベトナム語とドイツ語のみを話す方であり、そこで早くも初めてのドイツ語交流となったのである。日本での教育では話す、聞く能力にそれほど重点が置かれていないため心配していた部分の一つを試すことができたのである。結果として初めての人と話すときの会話パターンが頭に入ってきたことと、スピードや発音によって伝わらなかったときは何回でもやり直してしまえという開き直りの精神を得ることができた。
ドイツに着いて
フランクフルトからハイデルベルク
朝6時についたフランクフルト空港からは電車を乗り継いでハイデルベルクへと向かう。しかしいつになっても手荷物が流れてこず空港から駅へと移動したときにはすでに8時前であった。幸運にも最も危惧していた入国審査はパスポートを出すのみで会話は全くなかった。これほど時間がかかるとは思っていなかったのでわざわざ朝早くから連絡を取ってくれていた現地学生のバディを一時間以上も待たせる結果となった。鈍行を乗り継ぐのもしゃくなのでチケットセンターにて「Ich möchte so schnell wie möglich nach Heidelberg gehen. (なるべく早くにハイデルベルクまで行きたい)」と荷物の待ち時間に反芻した言葉を伝え、ICEの切符を購入した。移動中は飛行機でおこなった会話を思い出しながら、バディとあったらどのような会話をしようかなんて考えているとあっという間であった。
ハイデルベルク
駅に着き階段を上るとそこには連絡を取っていたバディがいた。余談だがハイデルベルク大学に対して二種類のバディを申請することができる。一つは大学での専門の学部学生が付く大学が提供するもの、もう一つは日本語学科の生徒がついてくれる日本語学科組織が提供するものである。私は日本語学科で留学を申請したため日本語学科のバディが一人ついてくれた。メールの段階で気づいていたが彼女は日本語がうますぎる。中央駅からはバス、トラムを乗り継いで大学へと自宅のカギを取りに行く予定であったが、大学の建物へと向かう途中に旧市街の大通りを通ることができることに気づき急遽後半は歩きにしてもらった。眼前に広がる古都はこれから始まる留学生活に希望を抱くのに十分なほど輝きに満ちていた。
9月
語学学校
2日にハイデルベルクについたが翌々日の4日からは4週間にわたる留学生向けの語学学校が始まった。語学学校は8月末に実施されたテストがおこなわれ能力によってクラス分けされる。私はB.1.1というクラスであったがそこでは基本会話からドイツ語であった。授業内容は基本的に文法であったため内容はすべて日本で習っていたものであった。しかし会話、説明、グループワークすべてがドイツ語であるためその情報処理に時間がかかり慣れるまでは時間がかかった。学校は平日9時から1時前までだったが振り返りと課題で午後を丸ごとつぶしてしまうことも多く二週間はグロッキー気味であった。
生活
初月のこの章では衣食住に関して日本から持って行ったものと現地で買ったもの、そして生活費の内訳を書いていく。
日本からの持ち込み品は、初めての海外で勝手がわからず荷物重量を最低限のものできたため事前に厳選して持っていくこととなった。
・衣服
Yシャツを四枚、Tシャツを二枚、ジーンズ二足、スラックス二足、パーカー一枚、プルオーバー二枚、寝間着一組とヒートテック系の下着を四枚、その他下着、靴下は一週間分。書いてみると意外とあったなというのが感想である。こちらで暮らし始めて二か月がたとうとしているが今のところ困る気配はない。冬用の上着やコートは現地で買おうと思っていたが、想像以上にすぐ寒くなってしまったため月の終わりにはジャケットを一枚買い足した。また自分は足に汗をかきやすいため履いてきたスニーカー一足では持たないと考え靴も一足購入した。
洗濯は寮についている洗濯機を用いて週に一回ほど行っている。個人的には週にでおこないたいのだがいかんせん時間がない。洗濯は一回1ユーロ、乾燥は一回1,7ユーロだった気がする。ハンガーや掛ける場所は備え付けのものを使用していたが、週一でまとめて洗濯するようになると足りなくなったためハンガーを追加購入。基本的にハンガー類は簡単に買えるし、部屋を去る人からもらえたりもするため荷物に余裕があれば持ってくるくらいでよい気がする。
・食事
毎日の食事は朝晩を自宅で、昼をメンザと呼ばれる大学食堂で食べている。朝ごはんは食パン二枚とサラダ、ソーセージ、バナナかキウイ、牛乳。夜ご飯はパスタか米と炒めた野菜である。日本の大学生活も一人暮らしであったが、その時から毎日同じものを食べるような生活であったためほかの人と比べたら質素に見えるが苦とは感じていない。メンザは重量で値段が決まり、自分の場合は3ユーロ前後である。自炊するご飯は1ユーロくらいなので一日の食費は5から7ユーロくらいだろう。大体のものが日本よりも高いが、野菜、特にジャガイモやニンジン、玉ねぎはキロ単位で売っており3ユーロくらいなのでたぶん激安。
・住居
寮は自分を入れて5人の共同生活であり、WGとよばれるドイツでは一般的な学生寮である。なお寮には一人暮らしのタイプもあり留学前の量の申込フォームで希望は出せるのだがその通りに行くことはそれほど多くない。安い寮にしてくれと頼むと旧都市街で文系キャンパスの近くの古くはあるが街並みきれいなところか、中心からちょっと離れた学生寮しかないようなところになっている気がする。私は旧市街で大学からとても近いところに住めており、Wi-Fiも同居人が契約しているものを使わせてもらっているが、隣の寮の人は部屋にWi-Fiが通せないと言っていたためどの地区も一長一短であると考える。一人暮らしの利点は言わずもがなであると思うが、集団で暮らしている利点は毎日語学交流がある点、掃除用具や料理道具は備え付けのものがあり追加も折半になることが多い点、ラジオ料やWi-Fiなどは前に住んでいた人の契約に乗れる点がある。
部屋は机、いす、クローゼット、ベッドと暖房がついた五畳くらいの部屋である。生活に関して新しく購入したものはシーツ二枚、枕、掛布団とそれらのカバー二枚ずつであるが掛布団に関しては金銭感覚がない状態でやっぱり高いなーとか思いながら100ユーロのものを買ったしまったため、もう少し考える必要があったと思う。
生活費
食費:207,47€(自炊と外食)
生活必需品:388,10€
学生カードチャージ:100,00€(昼食と洗濯、使い切ってはいない)
娯楽費:179,99€(交通費と服、靴)
計:875,56€(140,090円(1€=160¥))
寮費と保険費、電車乗り放題カードは来月からの引き落としらしい
さいごに
今回はついた初日と九月の生活スタイル、買ったものと生活費内訳を書いた。留学から帰ったときに提出する様々な書類のための記録としているが、これから留学へ行く人のためになれば幸いである。