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telcB1 口頭試験攻略法


今回は、telcB1の口頭試験合格の攻略法を紹介します!




試験の種類



ドイツ語の試験は、Goetheやtelcなど
目的に応じて5つほどあります。

日本で行われている独検と異なる点は、
ほとんど全ての試験とレベルで
口頭試験と筆記試験があることです。

それぞれの試験を簡単にまとめると
以下のような特徴があります。


①Goethe Zertifikat
ドイツ語検定試験の中では国際的に1番知名度がある
試験科目:筆記試験(Lesen, Hören, Schreiben),
     口頭試験(Sprechen)
レベル:A1~C2
対象者:ドイツ語圏でも通用する資格証明が必要な人
受験地:東京または大阪、世界各国
試験内容:筆記試験の時間が長めで文法読解が得意な人向け
     スピーキング(短いプレゼン)と
     ライティング(手紙・メールなど3問)は
     苦戦する人が多い
得点率:4技能全てて60%以上で合格


②telc(The European Language Certificates)
ドイツにおいてはゲーテ試験の次に有名
試験科目:筆記試験(Lesen, Hören, Schreiben),
     口頭試験(Sprechen)
レベル:A1~C2
対象者:ドイツ語圏でも通用する資格証明が必要な人
受験地:ドイツ語圏
試験内容:筆記の試験時間がGoetheより短く、
     スピーキングが得意な人向け
     スピーキング(3問)と
     ライティング(手紙・メールへの返信)
得点率:4技能全てて60%以上で合格



③ÖSD(オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験)
ドイツにおいてはゲーテ試験の次に有名
試験科目:筆記試験(Lesen, Hören, Schreiben),
     口頭試験(Sprechen)
レベル:A1~C2
対象者:ドイツ語圏でも通用する資格証明が必要な人
受験地:日本でも受験可、ドイツ語圏
試験内容:コミュニケーションを主体



④TestDaF(Deutsch als Fremdsprache)
熟練したドイツ語レベルの検定試験
試験科目:筆記試験(Lesen, Hören, Schreiben),
     口頭試験(Sprechen)
レベル:B2からC1レベルをカバーした試験
    TDN3はB2レベル、TDN4はB2〜C1レベル、
    TDN5はC1レベルに相当
対象者:ドイツの高等教育機関のほぼ全ての学科や
    課程への入学に必要な語学力の証明になるため、
    ドイツの大学に正規入学したい人向け
受験地:日本でも受験可、ドイツ語圏
試験内容:試験で取れた点数に応じて、
     TestDaF資格レベル「TestDaF-Niveau (TDN) 3, 4, 5」を
     取得することができる



⑤DSH(Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang)
「大学入学のためのドイツ語試験」という意味で
ドイツの各大学が独自に実施しているもの
試験科目:筆記試験(Lesen, Hören, Schreiben),
     口頭試験(Sprechen)
レベル:低い方から順に DSH-1, DSH-2, DSH-3 という
    3段階によって評価され、
    基本的にはDSH-2以上の成績があれば、
    ドイツの大学へ正規入学するのに
    十分な語学力(C1程度)として認められる
対象者:ドイツの高等教育機関のほぼ全ての学科や
    課程への入学に必要な語学力の証明になるため、
    ドイツの大学に正規入学したい人向け
受験地:ドイツの大学
試験内容:「ドイツ語で大学の講義を理解し、
     課題をこなすことができるか」という
     視点に立って問題が作られている


それぞれの試験で何に適しているのか特徴があります。
どの試験の合格が自分の目的にあるのか
きちんと把握した上で受験してください。

日本人の傾向として口頭試験が苦手な方が
かなり多いのではないかと思います。
私もそのうちの一人です。

それなのに、
会話重視のtelcを受験しようと
決めた自分を恨みました笑

じゃあ、なんでtelcを受けたかというと、
①筆記試験の時間が短いことと
②Goetheのプレゼンをやりたくない
という理由でtelc一択でした。

Goetheとtelcの受験で迷われる人を見かけますが、
自分が何が得意かで受験するのがベストだと思います。

少し自分に負荷をかけたい場合は、
自分に欠けている技能を伸ばす目的で
試験を選ぶのもありだと思います。

一般的に同じレベルの試験でも
telcの方がGoetheより簡単だと言われています。

だからと言って、
例えば、就労ビザ取得の条件であるB1にtelcB1が
認められないということはありません。
B1はB1なので、その辺りの心配は無用です。

また、ドイツ語教師の間でも
どちらの試験が難しいかという意見は
分かれているようです。



当日の流れ・口頭試験概要



筆記試験と口頭試験を1日で受ける場合、
筆記試験が午前中に行われ、
筆記試験が終わってすぐに試験から、
口頭試験の案内があります。

昼休憩の時間をはさみ、口頭試験に移ります。
午後から口頭試験が始まりますが、
待ち時間が長い場合もあるので、
パートナーを見つけ
一緒に練習することもできますし、
その辺にいる受験者と緊張をほぐすために
談笑するのも口頭試験の準備運動として活用できます。


筆記試験合格者や口頭試験合格者は、
合格していない試験のみ、
1年以内に再受験することができるので
(費用も若干抑えられる)、
試験のお知らせをよく読み、
集合時間を間違えないようにします。



試験科目



まず口頭試験の試験科目は以下の通りです。
⑴自己紹介(約5分)
 一方的な自己紹介ではなく、
 言葉のキャッチボールができている自己紹介

⑵記事の要約、記事に対する自分の意見(約5分)
 試験パートナーとの意見交換
 例①:パートナーAの記事→一人旅行が好きな人
    パートナーBの記事→グループ旅行が好きな人
 例②:パートナーAの記事→アパートやマンションに住みたい人
    パートナーBの記事→戸建て住宅に住みたい人

⑶計画を立てる(約5分)
 大まかなお題は決まっているので、
 それを実行するための計画を立てる
 例①:友人とハイキングの計画を立てる
 例②:ドイツ語コース参加者のお別れパーティーの計画を立てる

⑴~⑶の試験は、
全て筆記試験後に発表される
パートナーと一緒に20分ほどの口頭試験に挑みます。

自分の試験が始まる前に
同じ時間帯で口頭試験を受ける人が集められます。

そして、本人確認や試験の説明を受けます。
この時、自分とパートナーはAとBの札を渡されます。

次に自分たちの番が来たら、
口頭試験準備室のような部屋に連れていかれ、
先ほど配られた、AとBの札に従って、
⑴~⑶の問題とメモ紙(A4サイズ1枚)が配られます。

問題⑵の記事が対になっているので、
Aに割り振られた受験者は
Bの受験者の問題を見ることができません。
その逆もしかりです。

この試験準備は15分の時間が設けられているので、
その間に問題を確認します。

問題⑴に関しては、事前に準備ができるので
この時に時間を使わないように
考えられる質問とそれに対する回答を準備しておきます。

問題⑵では記事の内容のキーワードを探し、
内容を要約し、何を言うか意見をまとめます。
配られた記事の内容からパートナーに
配られた内容を推測し、
利点と欠点など箇条書きにしておきます。

問題⑶ではお題に対して、
どのような流れで話を組み立てるか、
聞いておいた方がいい質問(いつ、
どこで、だれと、持ち物、集合時間と
集合場所)などをメモしておきます。

準備時間の15分が経過したら、
割り振られた札、試験問題の冊子、メモ紙を持って
試験官に案内された試験部屋へ移動します。

試験部屋に入るときには、
軽く試験官に挨拶し、指示された場所に座ります。
この時、机を挟んでパートナーと
対面する形で席が準備されていて、
その席の前に試験が横並びで座っています。

You Tubeなどで試験対策のデモ動画が
いくらでも探せるので、
参考にしてみてください。

デモ動画では、試験⑶で想定される色々な
テーマで計画を立てている動画もあります。
それを参考にすると、
どのように話を切り出せばいいのか
など勉強になります。

それぞれの問題の試験時間に限りがあるので、
5分ほど経過すると試験官から終りの声掛けがあります。

口頭試験⑴~⑶が終わると試験官に
問題用紙とAとBの札、
メモ紙を机に置いたまま退室するように
言われるので、指示に従い挨拶をして退出します。

口頭試験が終わったら試験は終わりなので、
受付に行き、返却物を返し、帰宅します。


口頭試験対策



私はGoetheの試験を受けたことがないので、
telcの口頭試験の対策を書いてみようと思います。

①主導権を握る


このように書くと
『パートナーに喋らせない』という
イメージを持たれるかもしれませんが、そうではありません。

大事なのは、言葉のキャッチボールです。

自分ばかり話すのではなく、
できるだけ自然な会話の流れを意識し、
自分が話したら、パートナーに質問したり、
意見を求めたりすることが大事です。

特に問題⑴の自己紹介では、
自分のことを少し話した後(名前・出身地など)、
『それであなたのお名前は?』などと
質問するとスムーズに会話が進みます。

その後でドイツ語の学習歴やドイツ滞在歴、
仕事、趣味、休日の過ごし方、
話せる言語などの話をお互いに
質問して引き出していきます。

もしペアの方が質問を自分に
投げてくれなくても、積極的に質問したり、
相手の意見に賛同したり、
相手が言ったことを要約して、
「あなたが言いたいことはこういうことだよね?」
とこちらから話しをすれば、
会話の主導権を握ってることになります。

この受験者は相手の話をよく聞いて、
積極的に相手を知ろうとしているという印象を
試験官に与えることもできます。

②試験官はいないものと考える


これは、私のパートナーがそうだったのですが、
試験官も私たちの話を聞いて、
あいづちを打ってくれます。

そのせいか人によってはパートナーではなく、
試験官に一生懸命話しかけてしまう人もいます。
そういったパートナーには、
試験官が『あなたのパートナーと話してください。』と
注意をしてくれるので、
自分が不愉快な思いをすることはあまりないです。

③積極的にパートナーをフォローする


口頭試験では、
ドイツ語が未熟者同士がペアになって
試験をしているので、
発音が聞き取れなかったり、
単語の意味が分からない場合があります。

試験官もそのあたりは気遣ってくれ、
表情からパートナーが分かっていない単語などの
説明ができるかと促されたり、
聞き取れない単語があって何度も
パートナーに聞き返していると、
試験官が正しい発音で発音してくれるなど
助け舟を出してくれます。

また、自分でその表情に気付いたら、
違う言葉で言い換えて、
パートナーとスムーズな会話ができるように
質問や確認するフレーズを使えると◎です。

このようにパートナーのフォローをすると、
より自然なコミュニケーションに近づきますよね。

④自然なコミュニケーションを心がける


口頭試験の準備でメモを作成しますが、
実際のコミュニケーションでは、
その場で考えて、相手に対応しますよね。

なので、メモを準備したからといって、
そのメモをずっと見たまま会話をするのは不自然です。

このメモは、
問題⑵と⑶のために準備したものなので、
発言する前に確認したい気持ちはわかりますが、
時々、メモをチラ見するだけに留め、
相手の目を見て、意見を言ったり、
何かリアクションするようにしましょう。

⑤質問する


自分の意見がまとまらない時や
結論を出せない時があります。

そんな時は、
パートナーに質問することで
無言の時間を回避しましょう。

「○○がしたいんだけど、
何かいいアイデアがある?」というふうに
質問することで何かパートナーが
意見を言ってくれたら、
「じゃあ、そうしよう」と意見に乗っかることができます。

⑥時々、反論してみる


問題⑶では、パートナーの発言に
賛同しがちになってしまいますが、
1回くらい反論して、自分の意見も伝えることも大切です。

その時は、パートナーが納得できるように
メリットとデメリットをきちんと説明し、
試験官に対して、
「反論もできまっせ」アピールすることも大切です。


⑦復唱

問題⑶では、現実の世界で実際に
何か計画を立てる時に決めておいた方がいい
「いつ、どこで、だれと、持ち物、
 集合時間と集合場所」など
全て決めるように心がけます。

全て決めたら、最終確認をする会話を
最期にすることをオススメします。

「いつ、どこで、だれと、持ち物、
 集合時間と集合場所」を確認し、
何か決め忘れていることがないか
ここで再確認することもできます。

お互いに確認ができたら、
「じゃあ、それでいこう」と締めの一言を言えば、
試験官にも予定が決まったことが分かります。


➇相手の情報をメモする


これは、余裕があればやったほうが
いいと思うことなのですが、
自己紹介で聞いた相手の情報
(出身地、住んでる場所、趣味など)を
話しを聞きながらメモしておくと
相手の話を聞いているアピールもできますし、
問題⑶などで活用することができます。

どういうことかというと、
相手の趣味がハイキングだとすれば、
問題⑶のハイキングを計画するという
お題に合っています。

なので、
「あなたの趣味は、ハイキングだったよね?
今週末は天気がいいみたいだし、
私もハイキングが好きだから、
ハイキングに行かない?」
というふうに自然な流れで
ハイキングに誘うことができます。

ただし、
これは自己紹介から得た情報なので、
そんな余裕がない場合は、
事前に考えたメモを参考に話を始めれば十分です。



さいごに



パートナーAとパートナーBのどちらから
話を始めるかは試験官が
「あなたから始めてくれる?」というふうに促してくれます。

また、試験官から促されて、
上手く話し始めることができないかもと思ったら、
パートナーから始めて欲しいと伝えれば、
試験官がパートナーに話し始めるように
指示してくれるので、
その点は気にせず試験官の指示に従えばよいです。


最後まで
お付き合いいただきありがとうございました!

これから試験を受ける方の参考になれば、
幸いです

🕊 Viel Erfolg 🍀

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