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『魔法・想像』#18

梅:…状況が飲み込めないんだけど

山:同じく

林:先生………


●:………っ…

●●は少し表情を歪ませる

■:?

●●はゆっくり両手を合わせ生徒たちに指先を向ける

●:空間×斬撃魔法 《次元斬》


        
この時放たれる予定だった《次元斬》
空間魔法で座標を指定、歪みを起こしそこに不可視の斬撃で空間そのものを断つ
すなわち2段階で行使する防御不可の魔法である

しかし●●の斬撃魔法は覚醒しておらず、斬撃魔法そのものに阻害魔法をかけることにより肉眼による認識の阻害をする
それにより擬似的な不可視の斬撃を可能にしていた

詠唱後から魔法が発動される1.8秒の僅かな時間
最も早く動いたのは少しの空間の歪みに気付いた弓木
歪みを断ちきられる前に歪みを修正
《次元斬》の発動を阻止に成功した

次に弓木ほど早くはないが歪みに気付いた林
空間魔法を使う弓木の僅かな行動を見逃さなかった大園、向井、五百城、飛鳥、橋本が動く

弓:空間魔法 《歪曲》!

大園の腰には1本の刀、それは○○から貰った魔道具の1つであった
普通の刀と違い風魔法を使うものの為に打たれた一振

またの名を「風刃」

風魔法の魔力を流すことにより重さを感じず低コストで風魔法の運用が可能になる

向井が構えたのは拳ではなく手は握らず開いている
後ろから向井目掛け、ジャンプする五百城
向井の掌の上に右足だけで着地して膝を曲げる

大園は左手を笄付近に、右手で柄を持つと目を見開き一閃

桃:風魔法 《風刃》!

斬撃同士がぶつかり合い相殺され
刹那、向井は五百城をぶん投げると同時に、林は地を全力で蹴り飛び出す

向:五百城ちゃん!

茉:オッケーです!

向:葉月カタパルトぉ!


林:付与魔法 《腕力攻撃強化》

茉:衝撃魔法 《一撃》!


五百城茉央 衝撃魔法
物理攻撃に衝撃波が追加されるため内部から敵を壊すことが可能


2人の拳は●●に届かず西野と松村に防がれ、いとも容易くはらわれてしまう

茉:やっぱりそう上手くは行かんよな

林:……

●:(衝撃魔法に付与魔法、刀を持った女は風魔法使いか)


パリパリッと音を立て●●の背後に一瞬で回り込む飛鳥
無論、見逃すはずもなく飛鳥と目が合う●●はニヤリと口角が上がっていた


●:少し遅いんとちゃうか?

飛:返せよ、○○を
 雷魔法 《断ざっ……


バキィンッ! ズドォン!!!


梅:飛鳥先生!

橋:氷魔法 《五重氷結盾》
 飛鳥?

飛:ありがと、問題ない…


何に殴られたのか、その答えは明確であった
影龍の尻尾である

咄嗟の橋本の魔法で自分はは守られた
そのおかげで立てている

そう気付くことは容易であった


遠藤はただただその光景を見ることしか出来ずにいた
無論その隙を見逃すはずもなく


賀:斬撃魔法 《断絶》

遠:…え



山:魔力武術 破拳!

パァンッ!と音がなり、その音は魔法を叩いた音であることはその場の誰もが分かったことだった


山:どういうつもり!かっきー!

遠:なん……で…


山下が助けてくれなければ自分は斬られていた
その事実を受け止めきれるはずもなく、遠藤は腰を抜かしてしまう


山:かっきー!

賀:…………

●:聞け!小娘ども!
 1ヶ月後、再びここに姿を現す!
 そん時、決着つけようやないか
 俺らを楽しませる程度にはなってくれよ


成す術もなく見上げることしか出来ない生徒と先生
手で顔を覆い泣くことしか出来ない遠藤

それに背を向け高らかに笑いながら●●と一行は曇天の中に消えていくのであった



つづく


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