『魔法・想像』#19
分厚い雲が空を覆う、●●達は去った
山:………これからどうすんの
橋:一旦は全員が帰ってくるのを待って事情を説明
その後対策を立てるしかないでしょ
山:……了解です
行こう、さくちゃん……
それぞれが会議室へ歩きだしたが、その足取りは決して軽くはなかった
橋:…………というわけ
与:○○先生が…
和:信じたくないです……
橋:でもこれは事実だし落ち込んでも1ヶ月後にまたアイ
ツらは来る
飛鳥はおもむろに立ち上がり会議室を飛び出していく
橋:……っ! 飛鳥!
グラウンドに飛び出した飛鳥はバリバリッと音を立て空を駆けようとしたが、空中に叩き落とされてしまう
頭を抱え起き上がる飛鳥
飛:今日2回目……林か……
林:……
飛鳥が見上げる先、そこには林がいた
飛:そこどけよ
林:どきません
バリバリッ
音と共に空気も張り
飛:雷魔法 《鳴神 創槍撃》
林:模倣魔法 《雷×構築魔法 創槍撃》
2つの魔法が衝突する
一:茉央、どこ行くの?
茉:職員室、○○先生の机に何かメモ書きとか残されて
へんか見に行く
彩:…何か凄い落ち着いてない?
茉:先生が私ら置いて不親切に消える訳ないやん
和:…確かに
○○の机の引き出し
その2段目を開けると手紙が1通入っていた
茉:ビンゴやな
和:そもそも机綺麗すぎない?
○○先生、机使ってたのかな……
桜:私座ってるとこ見たことない………
茉:…………ま、まぁ、デスクワークが全部ちゃうし?
■:●●、大丈夫なん?
●:………○○の魔法、正直ナメてたな
想像以上にピーキーすぎる
■:やっぱりか
●:お前の方こそどうやねん
■:私はなんもなーし、通常通りでーす
●:この1ヶ月で○○の魔法を使いこなすレベルに達する
ようにするわ
■:せやないと無限の魔力ゲットしても秒で潰されるも
んな~
●:学園のやつらを倒しても連戦となると正直厳しすぎ
るからな
■:アイツらも参戦するんやろか
●:とにもかくにも準備はしといた
あとはどっちが強くなるか、どっちの作戦がどんぴし
ゃにハマるか
そんだけや
グラウンド、天候は荒れ
互いに息は絶え絶え膝を突いていた
林:…ハァ……私を簡単に倒せないのに……1人で行ってどう
するつもりだったんですか
飛:ゼェ…そんなのやってみなきゃ分かんないでしょ……
ある日、先生が急にこんなことを言ってきた
○:林、生徒にも頼むのは情けない話やけど飛鳥のこと
頼むな?
その言葉に思わず私は笑って「何故ですか」と
飛鳥先生は強いのにさ
○:時々熱くなって周りを見えなへんくなるからさ
先生も笑ってた
でもその笑顔は馬鹿にしてる笑顔じゃなくて
○:オレの大切な妹やねん
兄バカってやつかな
驚いたけどそれより飛鳥先生が羨ましいよ
○○先生に大切にされていて
だから……何としてでも止める
林:模倣魔法 《重力…
林が気付いた時には飛鳥は目前に迫っていた
飛:雷魔法 《断罪の…
橋:氷魔法 《五雪十氷》
天候は雪に変わり
飛鳥の頭以外、魔法ごと凍らされてしまう
橋本は走って飛鳥の前に立ち1発のビンタをかました
パァンッ!
橋:いい加減にしなさい!
私達大人が冷静でいられなくてどうすんの!
飛:でも○○が………!
橋:……
橋本の目からは涙が落ちていた
飛:ご、ごめん…
少し頭冷やしてくる……
拘束から解放された飛鳥は校舎に戻っていく
橋:生徒たちはまだ話すことがあるからさっきの会議室
に集合ね
林:橋本先生、ありがとうございました
橋:礼を言うのはこっちよ、ありがとう
つづく