『魔法・想像』#15
~乃木国北側~
ズズゥゥン
岩:こっち片付いたよ、先生
○:こっちもある程度片付いたわ
そっちはどないや、五百城
茉:こっちも片付きましたー!
○:よし、ほな戻ろか
死霊魔法の一件以降、1~3年生のカリキュラムを取っ払い各地の治安維持に勤しんでいた
茉:まさか英霊十傑と言われる先輩方と一緒にこうして
戦えるとは~
岩:いや別にそんな二つ名が付くほどのことしてない
し、私はその名前恥ずかしくて嫌なんだけど
○:まぁそう言うな、英霊十傑さんよ
○○は眉を八の字にし口を手で抑えてプフッと吹き出す
岩:バカにしてんだろ!
茉:バカにしてません!
岩:……もういいや
じゃ先生、転移魔法でちゃちゃっとよろしく
○:え、帰りは歩きやけど?
岩:はあ!?
茉:先輩!歩いて帰りますよ!
岩:ハズレだ………このチーム
茉:あ!私さっき倒した魔物から魔道具が出てきたんで
すよ!
それと向こうに魔法じ…
○:飲みこんどったんか
五百城の言葉を遮り○○が質問する
茉:え、あ、はい!そゆことです
岩:で、どんなやつ?
茉:えっとですね………
五百城が取り出そうとしたその時
?:おーーーい!○○ーーー!!!
何処からともなく○○を呼ぶ声
○:ん? おお!
なー!りんご!
七:いつぶりや!めっちゃ久しぶりやな!
○:確かに、邪龍討伐以来やもんな!
松:聞いたで、○○って今先生やってんねんやろ!
茉:えっと..…
○:おっと紹介せんとな
こっちが西野七瀬でもう1人が松村沙友理
めちゃ強い!以上!
七/松:よろしく!
茉:よろしくお願いします!
岩:お二人ともお久しぶりです
松:れんたんも久しぶりーー!
七:せや、○○
最近のこと聞いてる?
○:おう
元西ノ国の民って名乗るやつがが色んな所で暴れ始め
てるって
七:そ、ほんで私らも一応見かけたら止めるようにして
んねんけど、捕らえた奴らは皆暴れた記憶が抜け落ち
てんねん
○:...…
松:生徒達にも危害が及ぶかもしれんし
○:そのことで後で少し話がある
また後日学校に来てくれ
七:………分かった
○:ふい~着いた~
茉:疲れましたねえ~
○:疲れたな~
コメントからもあからさまに余裕のある2人とは対照的に息を切らせながら膝に手を付く岩本
岩:………バケモン共め
この2人とは二度と組まん……
密かに誓う岩本であった
飛:あ、○○帰ってきたんだ
○:お、飛鳥
せや見たいもんあったんや
飛:な、何?
○○はおもむろに飛鳥に手を向けると
○:魔法付与 《絵魔法》
これで良し
飛鳥、何か絵を描いてみて
飛:え、魔法そのものを付与したってこと?
○:そうそう
付与してる間は付与した魔法をオレはちゃんと使われ
へんねんけどな
取り敢えず何か描いてや
飛:う、うん
3分後
ア:2人で何してるんですか?
○:お、中西か
今、絵魔法を飛鳥に付与したからさ絵を描いてもらっ
てんねん
ア:面白そう笑
飛:出来たけど……
○○は笑いを堪えるのに必死になるばかりに鼻の穴が満開になっている
中西は堪えることが出来ず後ろを向いてしまうが、その肩は明らかに震えている
飛:おい
○:…クク……いやいやいや流石飛鳥さん!
ア:そうですよ!私、飛鳥の絵の大ファンなんで!
令和のレオナルド・ダ・ヴィンチ……ブフォ
中西が吹き出すと同時に○○も笑ってしまう
○:クハハハハハハ!
中西!面白すぎるやろ!
飛:お前らなぁ!
雷魔法………!
○:わ、わ、ストップ!ストップ!飛鳥!
ぎゃああああああ!!
梅:それで傷を癒しに私のもとに来たと
○/中:面目ねえ
梅:全く………私だって忙しいんですからね?
そもそも先生は回復魔法使えますよね?
○:使えるけど苦手やねん…
オレが使うと魔力効率圧倒的に悪いし
山:へー、先生にも苦手な魔法とかあるんだ
○:オレ人間やで?
梅:飛鳥先生で遊ばないでくださいよ
○:んじゃテメーら、この絵を見ろよ
○○はそう言いながらさっきの絵を見せる
梅:ミミズ?
山:あはははっ!!
何これ!!
○:裁判官!こやつらも笑いました!
判決を!
飛:よし、死刑
山:え!飛鳥先生いつの間に!?
梅:ちょっ、私笑ってないですよ!
飛:うるせえ!4人まとめて執行だよ!
雷魔法 《断罪の霆》!
○:は!?オレらもか!
ア:○○先生のせいですからね!!!!
その日の学園は雷が降り注ぐ不思議な天気だったそうな
つづく