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『魔法・想像』#14
~無人島~
パッ
○:うおっ!?
半壊してんじゃねえか!?
彩:先生、遅い!
頬を膨らませ睨んでくる小川
○○は言い返す言葉が見当たらない
○:め、面目ない……
それより『昇華』したってことか
彩:消化?
○:多分字が違う、まぁ帰って話すわ
それより単独撃破か、大したもんや
彩:ふふん、でしょ?
○:さ、戻ろか
あれから数日経った
あんなに必死に戦ったのは初めてで私も強くなれたんだと
皆と並んで戦えるんだと嬉しくなった
一番嬉しかったのは○○先生に褒められて、あのあと頭撫でてもらったんだ~
皆には内緒だよ?
それぞれに怪我を負った先輩達も回復して今はすっかり元気に!
橋本先生はまだ安静……だけど元気そう!
で、今は何してるかって?
今回の戦いでのそれぞれにやったことを軽く話してるの
○:オレがもっと早くに片付けていれば与田達の班の被
害はもう少し少なかったやろ
ごめん、考えが甘かった
与:祐希の班全員無事だったから良かったですよ
林も来てくれましたし
林:いえいえ、間に合って良かったです
与:あのニ重での魔法ってなんで使えるん?
林:そもそも模倣魔法のデメリットだと思ってた50%の
制限
○○先生から貰ったヒントから考えて、意味を裏返す
と要は脳のキャパ的に残り50%の余裕があるってこと
なんですよ
その空いてるキャパを有効活用したってことですよ
与:うん?
○:助かった、林
ありがとな
林:○○先生が教えてくれたおかげです
あと亜空間を作ってくれてたから
○:やっぱりあれは林か
焦ったで、行ったらもう既に1体おんねんもん
林:へへ
○:で、小川!
彩:はい!
○:魔法の『昇華』おめでとう!
和/奥:おめでとう!
彩:それってなんなんですか?
和:確かに
林:『覚醒』とは別なんですか?
○:全くの別物やな
聞くけど林、天体魔法を使えるか
林:さっき試したら使えました
○:せやろ、ほな不可視の罠魔法使えるか?
林:勇者と戦ったとき、試してみたんですけどそれは無
理でした
○:『覚醒』した魔法ってのはオレにも使われへん
1つの魔法をある一定にまで極めたもんにしか使われ
へんねん
オレとか林みたいに魔法の種類の手数で戦ってるやつ
にはなかなか身に付かへん
それに対して『昇華』ってのは魔法そのものが進化す
ることやねん
小川の天魔法もその1つやな
天魔法そのものが天体魔法に進化『昇華』したってこ
とや
彩/林:なるほど
与:ふーん
○:あ、それと今のうちに話しとくわ
オレの魔法、言うん忘れてたし
オレの魔法は『魔法創造魔法』な
和/林:魔法創造!?
○:そ、魔法を一から創りだす
って言えば最強に思えるけど、実際は相当ピーキーや
からな
与:創造とかズルやん
○:アホ言え、魔法を扱うことにおいて一番強いのは
『創造』やなくて『想像』や
想像力で力の差は簡単に埋まる
それが分かってないヤツとなら尚更簡単にな
与:ふーん
○:井上も貫弓を身に付けたみたいやな
和:はい!1発の装填にかなり時間を費やしてしまいまし
たが、今後はもっと魔力操作を磨きます!
○:お、おう……もう何も言うことないわ
あ、てか菅原が勇者単独撃破した的なこと聞いてんけ
ど
彩:らしいですね…何聞いても教えてくれなくて
○:ふむ…まぁいいか?
奥田も△△の相手してくれたみたいやな
奥:橋本先生が削ってくれたおかげです!
とんでもない数のスクロール持ってたんですから……
○:そうみたいやな、あれにはオレも驚いたわ
各々が各々に出来ることをやっていってカバーしあう
オレが描いてた理想の仲間やな
その調子で人々を救ってくれ!以上!解散!
ぞろぞろと生徒達が教室をあとにする
1人残った○○
○:さて、そろそろ準備しとこうかね……
つづく