グッド・オーメンズの劇中歌で使われているQueenの曲について考察してまとめてみた
はじめに
こんにちは。はじめまして。
DETTE(でって)と申します。普段は気まぐれに絵を描いております。
今回、Amazon Prime Videoで配信されている「グッド・オーメンズ」内のQueen楽曲について気づいたことがあったので、考察+うるさい感想を語ってみようと思います。
以下目次から気になる場面へ飛んでいただけます。PrimeVideo上での時間も明記しましたので、ご参考までに。
語ろうと思った経緯
そもそも私はQueenファンでして。
グオメは友人から勧めてもらって事前情報なしに見てみたら、まあ流れる流れるQueenの曲の数々。
ドラマももちろん面白いのですが、ファンとしては知ってる曲が流れるのは楽しくて仕方ないですよね。
で、まあもちろんドラマにもハマり、クロウリー役のデイヴィッド・テナント氏にもハマり、
ドラマをもう一周する → 小説読む → ラジオドラマ版を聞く
→ ドラマを友人と鑑賞会して解釈考察説明付きで見る
という行動を経て、気付いたことがあります。
小説とドラマで流れてる楽曲が違うぞ…?
各シーンによって何か意味があるなんじゃないか…!?
これは歌詞考察できる…!
ということでシーン別に歌詞+和訳+曲が作られた背景等を友人に送りつけたら、さらに深掘りした考察が返ってきた上、私自身が気づかない解釈を述べてくれるので、二人でお互いの墓を掘り合う羽目になりました。
折角なので私と友人で考えたこと・話したことを、場面で流れていた歌詞引用+和訳を記事にして、日本のグオメファンを我々とともに奈落の底に引きずり込んでやろうという魂胆です。
もし既にどなたかやってらっしゃったらすみません。
拙い文となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
※なお、シーズン2までご視聴の上お読みいただくことを推奨します。
※思いのほか長くなってしまったのでお時間があるときにどうぞ。
Queenについて
2018年公開映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットした影響もあり、知らない人は少ないとは思いますが、軽くご紹介を。
1970年代前半から活動している英国のロックバンドです。有名曲には「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「ドント・ストップ・ミー・ナウ」など。作風が幅広く重厚なサウンドが特徴。日本をはじめ、全世界で世代を超えて愛されています。
Episode1
08:41/クロウリーがサタン息子を持つハスターらとの待ち合わせ場所に向かう
Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)
◎コメント
クロウリーはこの後、ハスターから悪魔の子(サタンの息子)を差し向けられます。つまりこの後の展開の予言。まあベルゼブブからじゃないかもしれないけど間接的にはそうなるんじゃないかな!?
クロウリーは「なんで俺がこの役回り!?」って感じだったので、本心は歌詞のとおり逃げたかったのかもしれませんね。
ちなみに小説版とラジオドラマ版ではKiller Queen(キラー・クイーン)が流れています。流れてる曲がそもそも異なり、この和訳を見て「ドラマ版の楽曲(歌詞)と場面はリンクしており意味を持つもの」という確信を得ました。恐ろしやニール・ゲイマン。
12:33/クロウリーが赤ん坊を連れて病院へ向かう車内
Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)
◎コメント
小説版もここで同じ曲が流れてるみたいです。原作準拠。
この曲自体が割と不可解なので意味を考えるのは難しいと思いましたが、「悪魔側としてはサタンの言う通りにしなければならないけど、この後クロウリーは天使側のアジラフェルのところに行ってハルマゲドンの計画破綻させようとしてる=偉大なもの(サタン)に背こうとしている=とてつもなく恐ろしいという解釈もできるのでは?」「びびってるけど2人で過ごせる地球を失いたくないのかも」という友人の発想には感服です。
18:18/クロウリーが教会に到着し、入り口でヤング氏と邂逅
It's A Hard Life(永遠の誓い)
◎コメント
数あるQueen楽曲の中で何故これをチョイスしたのか?というところですよね。出産は大変だよね!お父さんなんもできないから無力さを感じてるとこなのかな!(小並感)
赤ん坊に愛情を与えないとすぐ死ぬという実験結果があるらしいですが、たとえ悪魔サタンの息子でも愛が必要なんですよね、アダム少年よ。しかし邦題はなんでこうなったし。
Episode2
32:06/アジラフェルとクロウリーがタッドフィールドに向かう車内
We Will Rock You(ウィ・ウィル・ロック・ユー)
◎コメント
誰もが知ってる有名曲ですね。クラシック音楽が徐々にWe will rock youの後奏に変化してるだけなので、この場面での歌詞はないです。クラシックみがあるので原盤ではなさそう?録ったのかな。
元々クロウリーの車は「二週間以上置きっぱなしにしていた音楽テープはすべて『ベスト・オブ・クイーン』に変化してしまう」(グッド・オーメンズ/角川文庫より)という設定があるので、それを表現したのかなとも思います。
ところでBest of Queenというアルバムは聞いたことがないんですが、小説出版当時(1990年)は同名のカセットテープが存在したのでしょうか。
そのテープに値するCDはどれに当たるんでしょうか。
普通に考えたらGreatest Hitsあたりなんですが、ドラマ内に出てくる曲全てを網羅するCDアルバムって無さそうなんですよね。
だから一部はクロウリーが好んで流してるものなのかな、なんて。
まあドラマの演出上って言われたらそれまでですが。
40:50/教会跡を訪れた後の車内で「どうやって反キリストを探すか?」と話し合っている場面
These Are The Days Of Our Lives(輝ける日々)
◎コメント
ハルマゲドン始まる前までは平和的に過ごせたのにな、みたいなこと考えてるのかなあ。シーズン2を経ると、何も変わらない関係性に心地よさを感じているんでしょうね、クロウリーは。
この曲はボーカルのフレディの病気が進行して、ガリガリにやせ細った状態でMVが撮られています。それで「輝ける日々だった」と歌い上げてるんですよ。それだけで泣く。
43:37/アナセマの自転車をベントリーの後ろにつけて走らせる
Bicycle Race(バイシクル・レース)
◎コメント
まあ自転車ですから。これしかないよね。
アナセマさんの自転車ドアップでこの音楽流れた時は爆笑しました。
というか何でこんなドンピシャな音楽ばっかあるのか。Queenはやはり天才か。好き。しかしいつ聞いても特殊な曲だ。
Episode3~4
該当シーンなし
代わりにEpisode5で怒涛に使用されてます。
Episode5
00:06/アジラフェルを助けに燃え盛る本屋内へ向かうクロウリー
You’re My Best Friend(マイ・ベスト・フレンド)
◎コメント
You're my best friend =「あなたは一番の親友」
なんですが。
裏話として、この楽曲はベースのジョン・ディーコンさんが、ご自身の奥様に向けて書いた曲なんですよ。つまりラブソングなんですよね。ラブソングなんですよ…!上記の歌詞の通り!
初見時は「クロウリーはアジラフェルのこと親友って思ってたんだな。一応これラブソングらしいけど、まあフレンドだもんな」って思ってましたが、シーズン2を見たうえで2周目して歌詞の意味をちゃんと調べてみた時の私の心境を誰かに分かってもらいたい。っていうかこれ制作陣分かってて選曲してるよね?
03:26/アジラフェルが居ないと分かり本屋から出てくるクロウリー
Somebody To Love(愛にすべてを)
◎コメント
You're my best friendからのこの曲はずるい。ずるいよ。
シーズン2を見るとクロウリーの心境が痛いほど分かりますね。
制作陣はシーズン2の展開を見越して選曲してるよねやっぱり(n回目)
個人的にこの曲は大好きなのでフルで聞いてください歌詞も見てみてくださいお願いします。
21:01/高速道路M25の渋滞に巻き込まれるクロウリー
Another One Bites the Dust(地獄へ道連れ)
◎コメント
Another One Bites the Dust :直訳で「また一人砂を噛む」「また一人倒れる」
劇中は一曲丸ごと流れてると思いますが、気になった歌詞を抜粋しました。ベースから始まる凄く格好いい曲なので雰囲気重視かなとも思いましたが、クロウリー視点で以下の二つにも取れるかと思います。
①神に対して怒ってる説
何でこんな回りくどいことして悪魔側と天使側と戦わせようとするのか?起きている事象すべてに苛立ちを覚えている感じ?
②アジラフェルに対して怒ってる説
肉体失っただけで生きてるとはいえ心配しただろうし、安堵と同時に怒ってそう。(歌詞内より)俺はお前無しで生きてくのは考えられないのに、お前はあの天使たちの中でやっていけるっていうのか?無理だろ?無理なんだよ馬鹿な奴め!仕方ないから俺も戦う覚悟を決めた!
色々解釈できそうです。へへ。
ちなみに曲は流れませんが、このタイトル「Another One Bites the Dust」がコールセンターのシーンのチャット欄にも書き込まれてます。
30:06/燃えてる車内の助手席にハスターが乗ってきたけど構わず突っ込んでくクロウリー
I'm in Love With My Car(アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー)
◎コメント
直訳:俺の車に恋してる
映画でもネタにされてる一曲です。Queen好きは絶対イントロで笑ったはず。来日ライブ物販では「俺の車に恋してる」と書かれた限定トートバックが即売り切れになってて笑いました。
自転車と同様、場面にピッタリという印象。ベントレーがどれだけ愛車だったのか。毎回助手席にアジラフェル乗せてたのかもなあ。
この後のシーン、炎の中からベントレーが飛び出してくるのを警察官が見てるところも、この曲の冒頭部分が流れてます。
46:22/燃えてる車の中から道を尋ねるクロウリー
We Will Rock You(ウィ・ウィル・ロック・ユー)
◎コメント
これは雰囲気かなあ…と思います。歌詞に意味付けしようとしましたがよくわかりませんでした。手拍子足拍子(最後ギター)だけでこんなかっこよい曲になるなんて痺れますね。なんでこんなに曲とグオメが合うんだ!
48:38/シャドウェル軍と兵士が喋ってるところに登場するクロウリー
Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)
◎コメント
Episode1の一番最初に流れていた「ベルゼブブが俺に悪魔を差し向けてくる」の続きになります。Episode6冒頭でもこの続きが流れるのと、この場面はすぐ音楽が止まります。
シリーズを通してやはりBohemian Rhapsodyはキーになっているのか…?
Episode6
01:45/ベントレー爆散直前
Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)
◎コメント
「いつだって風は吹くから」のところでベントレー爆散。
僕にとって何も問題はないっていやベントレー爆散して落ち込んどるがな。問題あるだろうに。それともアジラフェル視点なのかな。
さて、シーズン2のラストも加味すると、Bohemian Rhapsodyの歌詞全体がクロウリーとアジラフェルをなぞっているようにしか解釈できないとの友人談もありますので、お暇な方は歌詞全体を調べてご覧になってみてくださいね!
31:01/クロウリーとアジラフェルがアイス買う直前
Lazing on a Sunday Afternoon(うつろな日曜日)
◎コメント
原曲まんまじゃなくて金管楽器アレンジで使われてて、思わずにっこりしましたよ。ドラマ内では日曜日だし、慌ただしい土曜日のハルマゲドンが終わったからこの選曲なのかなと思いました。なんでこんなピッタリな曲があるんでしょうね?週一仕事であと遊ぶとかいう人生いいな(社畜)
さいごに
GoodOmensとQueenの両方ファンだと深追いしすぎてこうなります。相乗効果が生まれていてとてもいいですね…!
シーズン2もまとめようかと思いましたが、私が気づいたところだとBohemian RhapsodyのアレンジとGood Old-Fashioned Lover Boy(懐かしのラヴァー・ボーイ)の2曲だけでしたので、ぜひシーズン3ではもっとガンガン流してほしいですね。
他にも「この曲ピッタリじゃない!?」っていうのが結構あったりするので、その辺を語れたら語りたいですが…
人物の関係性がドラマ内でしっかり描かれているとはいえ、二次創作なのか考察なのか解釈なのか線引きが微妙に難しいところですね。
兎にも角にも、どなたかのお役に立てれば幸いです。
みんなQueen聞こうぜ(布教)
ここまで読んで下さりありがとうございました。