分類その11「西洋館」
やはり本格ミステリを演出するのは、犯行現場の間取り図だ。
隠し部屋や秘密の通路などがあれば、グンと雰囲気は盛り上がる。
事件解決の緒(いとぐち)とはならずとも、推理小説に何らかの図が入り込むのは、それだけで私などは気分が上がる。
勿論、建物の名称も大切な要素だ。そのままタイトルになっている作品の何と多い事か。これらの作品は、殺人事件そのものよりもむしろ建物が主役なのだ。
豪華客船や客車などもある。
ちなみに「ナイル殺人事件」は二度映画化されている。TVシリーズでも映像化された。「オリエント急行の殺人」に至っては、複数回映画化され日本でも映像化されている。豪華なインテリアと鉄道という要素が合わさった舞台設定は、それほどミステリとして魅力的なのだろう。
このような舞台設定はクローズド・サークルに限られるという欠点もあり、物語をダイナミックに展開したい場合は、場面ごとに別の背景を用意した方が良い。
そういう意味では、西洋館の物語は本格推理小説に向いている。
2023.3.27
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