ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~読了
結婚した娘が置いていって、たまたま家にあったビブリア古書堂の4冊目。これが最後である。このシリーズはまだまだ続いているようだが、自分で買ってまで多分読まないだろう。
シリーズ4巻目の本作は、江戸川乱歩の稀覯本を中心に話が進められる。
推理小説がテーマになったのは初めてだ。古い西洋館、隠し宝箱、暗号、など、今回の物語は小道具も含めて推理小説のエッセンスに満ちている。
一方、確執のある母親との再会、登場人物たちの意外な繋がりなど、人間ドラマも詰まっている。大輔と栞子の関係も一歩進展する。
一巻から三巻までのトーンとは少し違っていて、今回の栞子さんはあまり推理力を発揮しない。
この巻で明らかになったことは、栞子の推理には大輔が少なからず関わっているということ。何気ない大輔の脱線的発想、何よりも安心感のある大輔と会話する栞子のリラックスした精神状態が、元来は固く物事を考える栞子にとって、インスピレーションを得る手助けになっているのだろう。
江戸川乱歩は日本の推理小説好きにとっては重大な存在である。私も人生で最初に遭遇した推理小説は、小学校の図書室にあったポプラ社のルパンや怪人二十面相だった。
エラリー・クイーンやアガサ・クリスティに繋がるファーストコンタクトだ。
著者自身もたぶん同じなのだろう。
2024.2.10
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