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『キャリアづくりの教科書』を読み解く②

 前回から『キャリアづくりの教科書』について書き始めました。
 500ページ超えの本なので、全部を網羅的に語り切ることは不可能ですから、気になるところをちょこちょこと書いていく感じで進めていこうと思います。

 最初は今の時代を取り巻く変化についてです。
 まず終身雇用制の崩壊です。リーマンショック以降日本でもかなり認知されつつあるものの、まだ終身雇用制を前提とした制度が残っているのが実態です。

 なぜ終身雇用が難しくなったのでしょうか。大きく2つの理由をこの本の中では指摘しています。
 一つ目は健康寿命の長期化です。人生100年時代と言われ、一部定年制を廃止する会社も出てくるほど、元気に働くシニア世代が増えました。
 ただ終身雇用制を継続すれば、基本的には勤続年数が増えるほど収入が増えるわけですが、当然一定以上の年齢になればパフォーマンスは落ちていきます。パフォーマンスの悪いシニアに、パフォーマンスがより高い若い人よりも高い給料を払うのは、かなり余裕のある企業でなければできないですし、そんなことしたら若い人がいなくなってしまうわけです。
 二つ目は企業自身の寿命の短命化です。世の中の変化が激しく同じ業界・同じ業態でずっと居続けることは難しく、入れ替わりが激しくなりました。同じことを生業とし続けるのであれば、同じスキルセットの人材が継続的に必要なのでしょうが、業態が変わってしまえば、必要となる人材が変わっていきます。そうしたら前の業態のスキルセットの人材は不要になっていき、会社から場合によっては淘汰することになるのです。

 このペースで書いていたら何回書くんだと思いますが、今回はここまでにします。 

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木村大
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