今でもあなたのことを思い出すのは初めて会った船橋の店の前で所在なさげに待っていてくれた姿だ。


初めてその人と出会ったのは、時折木枯らしに身を縮こませるようなある冬の日のことだった。

マッチングアプリで約束を取り付けたその子は、本当は、もう1人の共有者Iのターゲットになる筈だった。しかし、そいつが仕事の都合でドタキャンしたので、代わりに俺は舌打ちして待ち合わせ場所に向かった。

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