バンコクでインディーズのライブが見れる場所まとめ
※「バンコクでインディーズのライブが見れる場所まとめ」改訂版はこちら
誤解を恐れずに言ってしまうと、タイにライブハウスはありません。
これだけでは今回の記事が一文で終わってしまうので、もうちょっと付け足すと、タイに日本式ライブハウスはありません。なので、「バンコクのライブハウスまとめ」という題名でなく、「バンコクでインディーズのライブが見れる場所まとめ」としました。
ライブハウス(Wikipedia)ライブハウス(和製英語: live-house)は、ロックやジャズなどのライブやその他イベントを行う、比較的小型で立ち見中心のコンサートホール、又は可動式テーブル席を置く飲食店のこと。俗に「ハコ」(箱)とも呼ばれる
日本のライブハウスって、音響設備が整ってるし、照明機材もばっちりだし、機材もちゃんとメンテされてるし、演奏する側も、音楽を聴く側も、双方にとって良い環境で音楽を楽しめる場所だと思っています。
日本でライブをやっていた頃は、それが当たり前のことだと思っていて、どんなに恵まれた環境で演奏ができていたのか、知る由もありませんでした。
タイでのライブ環境
タイにきて、あれは最上級に恵まれた環境だったんだ、ってことを思い知りました。
タイでの最初のライブは、繁華街の外れにあった小さなバー。ステージなんてありません。フロアの端っこのほうに機材がポンと置かれているだけ。
バーのサイズに合わせたと思われる小さくて古びたアンプからは、エフェクターかましてないのにオーバードライブがかかったような音がでてくるし、ドラムのシンバルは基本全部割れてるし、ドラム用の椅子はなくて高さ調節ができない普通の椅子が置いてあるだけだし、モニターなんかあるはずもないし、「これが海外でライブするってことか」と、妙に感慨深くなった記憶があります。
今では、良い状態の機材で演奏できたり、モニターが備わっていたり(系統が分けられなかったりもしますが)、だいぶ良い環境で演奏・視聴できる場所が増えましたが、それでも、日本のライブハウスと同じレベルか、というと、だいぶ語弊があります。
でも、インディーズが演奏できる場所が極端に少ないバンコクでは、どんな環境であっても、それに適応してライブするしかないんです。アメリカやヨーロッパなどへツアーしにいったバンドとライブ環境について話をしていると、バンコクの様子とそんなに遜色ないといったような話を聞きます。海外のバンドを見ると「出音が強いなぁ」と思うことが多々あるのですが、それは、こういった環境で育ってきたからなのかな、と思います。
※タイでは乾季(だいたい11月~2月)になると野外音楽フェスのシーズンとなります。フェスの規模にもよりますが、大規模なフェスの場合は、主催者側で整備された機材を用意してくれることが多く、モニターなども系統が分かれており、演奏環境への不自由を感じることはないです。
バンコクで開催されるイベントのチェック方法
これがなかなか難しい。
タイではFacebookで情報発信することが多く、バンドやハコの公式Facebookページをフォローするのが手っ取り早いのですが、Facebookにアップした記事ってすぐに流れていってしまいます。かといって、公式ホームページを持っているインディーズバンドやハコって少ないので、「いつでも」「最新の情報」を「まとめて見れる」という情報源ってないんですよね。
そのなかでも、比較的情報がまとまっているサイトをご紹介します。
バンドやハコの公式Facebookページもチェックしつつ、こちらでも情報収集してみてください。
在タイ西洋人向けフリーペーパーのWeb版「BK Magazine」
在タイ西洋人向けなので、情報は英語で発信されています。メジャーどころのコンサート情報はもちろん、まだ無名のインディーズのライブイベントまで網羅されています。
http://bk.asia-city.com/events
なかでも、毎週末のイベントをとりまとめている「BK Weekend: What's on in Bangkok」のコーナーは使い勝手がいいかと思われます。
http://bk.asia-city.com/topics/events
タイ情報のポータルサイト「COCONUTS Bangkok」
こちらはタイ語サイトと英語サイトがあります。それぞれにイベント情報が掲載されていますが、タイ語版と英語版では掲載されている情報がほとんど異なります。タイ語版のほうが、インディーズの情報が多い印象です。
英語サイト
http://bangkok.coconuts.co/
英語イベントサイト
http://bangkok.coconuts.co/tags/events
http://bangkok.coconuts.co/tags/nightlife
タイ語サイト
http://krungthep.coconuts.co/
タイ語イベントサイト
http://krungthep.coconuts.co/tags/events
在タイ日本人カリスマブロガーのブログ「サイアム系で行こう!」
タイカルチャーに精通しているfukuさんのブログ。音楽情報だけでなく、映画やその他のエンタメ情報も豊富です。インディーズイベントについても頻繁にアップされています。
日・タイインディーズの交差点レーベル「dessin the world」
気になったイベントや、面白そうなイベントがあったら、dessin the worldのFacebookページでシェアしています。基本的には、タイでおこなわれるイベントばかりをシェアしています。
完全に自分の趣味嗜好でシェアしているので、偏りはあるかと思いますが、上記で網羅されていないくらいの小さなイベントだったり、物凄いアングラ企画だったりもシェアされてることがあります。
バンコクでインディーズのライブが見れる場所
比較的頻繁にイベントが開催されている場所をピックアップしました。ざざっと紹介します。
と、早速、話題がそれますが、タイって騒音問題が日本よりだいぶゆるいのですが、深夜までガンガン大音量で演奏したり、周辺にたむろったりゴミをポイ捨てしたりして近隣に迷惑かけたり、そういうのでイベント開催ができなくなることもありますし、そのまま閉店せざるを得なくなる、ってことが多いです。今まで、インディーズがライブできる場所が相当数なくなってきているのを目の当たりにしています。
誰のせいとか誰が悪いとかじゃなくて、企画者も出演者もお客さんも店も一体となってシーンを守らないとな、と思っています。なので、ささやかなことですが、ボクや仲間が定期的に借りてたハコには、こういう注意事項を貼ってました。まずは、自分から。
ということで、やっと本題。こちら、バンコクでインディーズのライブが見れる場所のうち、小~中規模の情報です。
遊び心溢れた店づくりが大人気の半野外・半屋内のレストランです。ライブは屋内部分でおこなわれます。バンコクのなかでは機材が整っているハコです。
ジャンルでいうと、ポストロック、ロック、ポップあたりが多いです。
日本からタイツアーにきたバンドもここでライブすることが多く、今まで、the band part、deepsea drive machine、2090、Sawagi、DENIMSなどがここのステージを踏んでいます。
[deepsea drive machineの来タイツアーでのライブ映像]
お店はラップラオという地域にありまして、ラップラオ soi8をはいってすぐの左側です。地下鉄Lat Phrao駅からタクシーで5分、もしくは、地下鉄Phahon Yothin駅から徒歩で10分くらいです。
地図はこちら。
オシャレ地域のエカマイにあるオシャレバーです。機材はアレですしステージもありませんが、その分、間近でライブを見ることができます。
こちらも、ポストロック、ロック、ポップあたりがほとんどです。
お店はBTS Ekkamai駅からタクシーで5分くらいですが、だいたいいつも渋滞しているので、10~15分くらいは想定しておいたほうがいいかもしれません。
地図はこちら。
トンロー地区にあるタイ人と日本人が共同経営するバー。基本的にはDJが音楽かけてるクラブのような面持ちなのですが、ちょいちょいバンド系イベントも開催されています。
ジャンルでいうと、ポストロック、ロック、ポップあたりが多いです。
[タイのアシッドジャズ(とも形容しがたいんだけど)「Stylish Nonsense」のライブ映像]
場所はBTS Thong Lor駅から歩いて5分くらい、Sukhumvit soi 51をちょこっとはいった左側。
地図はこちら。
シーロム地区にあるハコ。ビルの2階に位置してまして、1階はクラブとして経営されています。こちらも、バンコクのなかでは機材が整っているハコです。
こちらはもうちょっとバラエティーに富んでいて、ポストロック、ロック、ポップあたりも多いですが、ハードコアやパンクなどもこのハコでやっています。
場所はBTS Sala Daeng駅から歩いて5分くらい、Silom soi 8の角に位置しています。2階への階段が見つかりずらいので、1階のクラブにはいって、店員さんに「2階への階段はどこ?」と聞いちゃいましょう。
地図はこちら。
普段はスタジオとして経営しています。スタジオライブとしてイベントが開催されることもあれば、スタジオの敷地内の野外でやることもあります。
演奏のための機材は一番いいかもしれません。ただ、モニターやスピーカーはそこそこです。
ジャンルでいうと、こちらも様々で、ポストロック、ロック、ポップ、ハードコアなどなど、多岐に渡ります。
場所はBTS On Nut駅からタクシーで15分くらい、On Nut soi 25の手前に位置しています。
地図はこちら。
ディンデーン地区にある小さなバー。西洋人客が多いです。小さなバーなので、機材はアレですし、演奏する場所が入口近くなので、誰かが出はいりする度によけながら演奏しなくちゃいけませんが、熱いライブが繰り広げられています。
ジャンルでいうと、結構爆音系のバンドが多く、ロック、メタル、ハードコア、パンクなどがよく演奏している感じです。
日本のハードコアバンド「Slang Boogie」や、日本のパンクバンド「Flat Sucks」などがこちらでライブしたことあります。
[Flat Sucksの来タイツアーでのライブ映像]
場所は地下鉄 Phra Ram 9駅から歩いて15分くらいです。Yamahaのバイク販売店の隣にあります。
地図はこちら。
ディンデーン地区にあるハコ。機材のメンテがアレなので、音はアレですが、店の造りはハコっぽいです。
店のロゴからもわかる通り、メタル、ハードロック、ハードコア、パンクなどがよく演奏しています。
場所はBTS Victory Monument駅が最寄り。詳しい行き方は、日タイ混成ハードコアバンド「LowFat」のベーシスト Takaya君のこちらの記事をご参照。
以前Cosmic Cafeがあった跡地にできたバー。最近になって、イベントが活発におこなわれてきたようです。
場所はRCA地区です。地下鉄 Phra Ram 9駅からタクシーで10分くらいです。
地図はこちら。
と、ここまで書いてだんだん面倒になってきたので、あとはホントにざっとリンクだけ貼ります。
こちら、頻繁ではないですが、たまにインディーズのライブもやってるとこ。
Parking Toys (バンコク中心部から遠い)
Parking Toys' Watt (上記の姉妹店。地下鉄 Phra Ram 9駅からタクシー)
Sky Train Jazz Club (BTS Victory Monument駅降りてすぐ)
Stair by me (JJ Greenというナイトマーケットの敷地内)
Soy Sauce Factory (地下鉄 Sam Yan駅 または Hua Lamphong駅からタクシー)
Rock Pub (BTS Ratchatewi駅降りてすぐ)
で、こちら、中~大規模のハコ。
LIVE HOUSE BKK (JJ Greenというナイトマーケットの敷地内)
Happening Live House RCA (RCAの一番奥のとこ。Tops過ぎてすぐ。)
Mongkol RCA Studio (RCAの一番奥のとこ。Topsのはいってるビルの2階)
そして、こちら、ちょっと変わり種。
チャオプラヤー川の向こう側にあるオシャレ複合スペース(図書館、カフェ、アートギャラリー、レストランなどを併設したスペース)の中庭でイベントが開催されることがあります。
スペースがスペースなだけに、ジャンルでいうと、ポストロック、ロック、ポップあたりが多いです。
[タイの安心系ポップ「Stoondio」のライブ映像]
場所はBTS Krung Thon Buri駅からタクシーで5分くらいです。
地図はこちら。
基本的には音楽学校として経営していますが、エントランスホールや2階の多目的ホールを使用して頻繁にイベントやってます。
ちなみにここ、他のバンコクの音楽学校とは趣向が異なり、「有名なミュージシャンが楽器を教えてくれる」という特徴があります。今をときめくあのバンドのボーカルや、インディーズからプロになったドラマーや、人気急上昇中のギタリストなどに教えてもらえます。
場所はBTS Prom Phon駅からタクシーで5分くらいです。
地図はこちら。
以前の記事で紹介したCDショップ。ちょこちょこインストアライブが開催されています。
[日タイ混成インストロック「aire」のライブ映像]
演奏するには思いっきり手狭な店内ですが、船着き場を行き交う多国籍な人たちが覗いていってくれるので、やってるほうは楽しいです。
1979 vinyl and unknown pleasures
こちらも、以前の記事で紹介したCDショップ。こちらも頻繁にインストアライブが開催されています。Nong Taprachanよりも狭い店内での演奏で、アンプの配置はテトリス状態ですが、見てくれている人たちとの距離も近く、やはり、やってるほうは楽しいです。ってか、やってるほうは、どこでやってても楽しいです。
まとめ
イベント情報探したり、イベント開催場所までの行き方調べたり、それなりに骨折れますが、普通のバンコク観光じゃあもう物足りない、とか、バンコク住み始めたばかりでタイのインディーズをチェックしたかったけどどこで情報得ればいいかわからなかった、とか、もちろんそうじゃない方々にも、役立つ情報になってればと思います。
タイのインディーズシーンを体験してもらって、こんなに面白いことしてるバンドがタイのアングラにわんさかいるんだ、ってことを感じてもらえたら、是非、今度はご自身で、タイのインディーズシーンを深掘りしていってみてください。
Ginn
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