過払い年金を違法に取立てる~年金機構のトンデモ理論~
~死亡後に判明した過払い年金、法解釈を誤り、遺族から違法に取り立てる年金機構
死亡前に、返納債権が発生していた、と言い張る根拠
聞いてみたら、呆れるほど下らなかった~
死亡者の過払い年金は、返納義務なし
「実は年金額が間違っていて、多く払い過ぎていた事が判明しました」
「直近5年分は返納して下さい」、「原因は年金機構のミスです」
さあ、どうしますか?
いやいや、年金機構が勝手に多く振り込んだだけ!
返納の必要は無いはずだ!
ミスした職員が返納しろ!!
このように思われるかもしれませんが、返納義務がある事は、判例上もハッキリと決着が付いています。
感情論、ミスの責任追及は別として考えないといけません。
ただし、返納義務があるのは、あくまでも受給者本人です。
遺族が返納する必要はありません。
年金額が間違っている事が判明すると、当然、正しい年金にやり直す(再裁定・額改定処分などの)行政処分が行われます。
この、行政処分によって、過払い年金を返納する義務(債務)が発生します。
しかし、受給者が死亡した後では、この行政処分を行う事ができません。
したがって、返納債務は発生せず、相続人には返納義務はありません。
相続人に返納義務が無い事、行政処分なしで債務が発生する事はあり得ない事は、平成23年3月の社会保険審査会ではっきりと結論がでています。
(過払い年金解説 その2)
さて、この事例は特殊なケースではありません。
遺族年金の請求をしたら、死亡者に過払い年金が判明、遺族が取り立てを受けた、という、ありふれたパターンです。
遺族年金の受給権があるか(死亡者に生計維持されていたか)?
というような個別具体的なケースではありません。
年金機構は、社保庁の時代から、当たり前のように、死亡者の過払い年金を遺族から取り立てていました。
完全に、法解釈誤りを犯していたのです。
それでも続ける犯罪行為
当たり前と思っていた事が、実は違法だった。
平成22年にスタートしたばかりの年金機構、またもや隠蔽に走ってしまいました。
過払い年金があるから、相続放棄をした人もいます。もはや、取り返しがつく過ちではなかったのです。
(しかし、年金記録問題であれだけ叩かれたのに、懲りないですね・・)
少なくとも、平成23年3月以降は、違法性に気付いています。違法と知っていながら取り立てる事を、日本語では「騙し取る」と言います。
これを、詐欺犯罪と呼ばずして、何と言えばよいのでしょうか?
返納金債権は、民法上の不当利得返還請求権です。民法の原則で、すべての債権は相続します。相続人から取り立てるので、死亡前に債権が発生していた事にしないといけません。
年金を振り込んだその瞬間に、本来支払うべき年金額との差額が、返納金債権として当然に発生している。年金を振り込むごとに、返納金債権が次々と発生し、誤りが判明したら、直近の5年分を取り立てる。根拠は会計法、これがデタラメ法解釈です。
振り込んだ時点では、年金額が間違っている事に、誰も気づいていません。金額不明はおろか、誰も認識できない債権が存在する、というアホらしい理論です。
バカ丸出しの屁理屈
年金を振り込んだ瞬間に、返納金債権が発生している。なぜ、このような荒唐無稽な話になるのか?実際に、年金事務所で聞いてみたところ、マニュアルを見せてくれました。
驚くべき、その理屈を紹介します。
「年金機構は、いつでも正しい年金額に訂正し、返納債権を行使する事ができた」から、債権が発生していた。
というだけの話です・・
大事な部分を省略しているので、補ってみます。
「いつでも、正しい年金に訂正し、債権を発生させて、行使する事ができた。」
ようするに、「いつでも債権を発生させる事はできたんだぞ!」と言っているだけですよね。
さらに呆れた言い分として、間違った額を支払った時点から、返納債権の時効を進行させないといけない、そうしないと、「法的安定性を欠いてしまう」らしいのです。
いやいや、債権が発生していないのだから、消滅時効が進行するはずないですよね。再裁定の時点から、直近5年分の返納額が確定すると同時に債権が発生し、そこから時効が進行、つまり、5年以内に取り立てないと、時効消滅するのです。
過払いをしておいて、時効が進行しないのは、「法的安定性を欠く」・・
訳のわからない事を言っていますが、要するに、過払いを放置するのがダメ
だ、という意味なのでしょうか?
見直し、点検により、ミスに気付くチャンスはいくらでもあったはずです。その努力を怠り、過払いをし続けていただけなのですが・・
まとめ
死亡者の過払い年金を、遺族から違法に取り立てる。
それを正当化したい為に、死亡前に債権が発生していたと言い張る根拠。
聞いてみていかがでしたでしょうか?
「いつでも債権を発生させる事はできたんだぞ!」だから債権は発生していた。
アホらしくて、聞いてるこっちが恥ずかしくなってしまいます・・。
秀才なはずの、厚生労働省年金局のお役人が作った2つのトンデモマニュアル。隠蔽のための理論固め・・
しかし、「コンビニのレジから現金を強奪してこい!!」
と同じレベルの違法行為が示されたマニュアルです。
少し年金法を勉強したら、明らかに違法であると、すぐにわかるマニュアルです(これが違法と分からないのは、相当なマヌケです)。
違法な事は百も承知な、優秀な年金事務所の職員さん
死亡者の過払い年金取り立ての業務命令を無視(あるいは形だけの取立)
してくれて、ありがとうございます!!
(時効により取立不能となった、というバカなマスコミの報道は気にしないで下さい)
YouTube動画も是非ご覧ください。
社労士デスクsチャンネル
⇒ 過払い年金違法取立パート7 年金機構のトンデモ理論