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年金時効特例 内部告発の真相

~平成25年4月に起きた、時効特例10億円の支給漏れ。しかし、第三者委員会は、内部告発者の意見は“間違っている”と認定。
そして、彼が望んていたのは、“隠蔽”
何が何だか解からない???
時効特例不祥事の裏で、何が起きていたのか?
内部告発者の監修のもと、全てを公表します~


消された内部告発の内容

平成25年4月に発表された、時効特例10億円の支給漏れ
内部告発を放置された職員A氏が、総務省(年金業務監査委員会)へ持ち込み、第三者委員会の調査により発覚。

これが、マスコミが報道した“あらすじ”です。
事務処理が不統一であると、A氏が告発⇒調査で10億円の支給漏れが判明
ニュースを見た人は、このように理解した事でしょう。

当時、時効特例の事務処理は本部が一括して行っており、膨大な件数を処理する為、100名程度の人員が配置されていました。

時効特例法が施行されたのは、平成19年7月です。
A氏の問題提起は平成24年。5年間もの間、延べ数百人が、なぜ誰も声を上げなかったと思いますか?

それは、全員、「正しい事をやっている」と思っていたからです。

「記録訂正」があれば支給、無ければ対象外、時効特例法は実にシンプルで審査は簡単、2.3日研修すれば、アルバイトでも審査できます。
支給の是非、支給は、誰がどのように審査しても同じになります。

議員立法だろうが、準備期間が無かろうが、関係ありません。
簡単すぎるからです。

しかし、組織総ぐるみで陥った、“公平性の罠”。
「記録訂正」があっても、本人が悪い(請求遅れの)場合は不支給だ!

行政の責任か、本人の責任か、という基準で審査すると、当然、担当する人によって、結果はバラバラになります。

「記録訂正」があれば払え、という法律です。では、「記録訂正」とは具体的に何を指すのか?
審査の段階で出現する様々な事象、これは「記録訂正」か、否か、
この事を突き詰めていく、判断できなければ厚生労働省へ照会する、これが現場の仕事のはずでした。

しかし、現場がやっていた事は、行政か、本人か、どっちの責任かの“推測合戦”で、厚労省は監督せず、気にしていたのは進捗(数字)だけでした。

「記録訂正」の定義、これはどうでもいい事になったため、さらなる解釈誤りを犯します。

再裁定自体が記録訂正である、という事に気付かず、被保険者記録の補正の事を、「記録訂正」と思い込んだのです。

新規裁定・再裁定の両方で、根本的法解釈をしている。
全ての事務処理が違法だ!これがA氏の告発です。

詳しくは、⇒時効特例☆都市伝説をご覧ください。

隠蔽の手口

第三者委員会は、時効特例法の解釈が難しく、準備期間が無かった事などが、不統一の原因である、と結論付けました。

ようするに、「記録訂正」の有無だけではなく、責任の有無を考慮する法解釈が正しい、と認定したのです。

そして、法解釈の是非は、担当部署内で解決するべきであり、法令違反通報の問題ではない、よって年金機構のコンプライアンスに問題は無い、としました。

結局、A氏の意見は間違っている事にされたのですが、年金業務監査委員会で、厚労省は、「記録訂正の有無だけが基準だ」と発表しました。

そして、委員たちが、A氏が何を言っていたかを“ウヤムヤ”にする。
これが第三者委員会を使った隠蔽の手口です。

【隠蔽報告書】

さて、これが隠蔽報告書の表紙ですが、委員の構成がどうなっていると思いますか?

【隠蔽委員の構成】

弁護士2名と准教授、そして年金機構幹部が2人、もう隠蔽する気満々♡

そしてなぜが、氏名が公表されていない、2名の弁護士が加わっていますよね。
第三者委員会を設置させた、年金業務監査委員長の郷原信郎氏、彼が経営する弁護士事務所の弁護士です。つまり、自分の部下を送りこんでいたのです。

部下を通じて、調査の進捗を把握し、隠蔽を主導したのです。
さらに、年金機構が第三者委員会に支払った数千万円の報酬、その一部をかすめ取ったのです。

これが、年金業務監査委員長、郷原信郎氏の所業、「隠蔽のカリスマ」の称号をあげていいのではないでしょうか?

さあ、ツッコミどころ満載の第三者委員会ですが、マスコミが追及する事はありませんでした。

なぜだと思いますか?

外部から年金機構を監視する、もう一つの委員会が、年金機構運営評議会です。大手マスコミ社の幹部も、そのメンバーであり、A氏から直接告発を受けた人物もいました。

TBSテレビの牧嶋博子氏です。

マスコミが報道しない理由、おわかり頂けましたでしょうか?
マスコミも、隠蔽倶楽部の一員だからです。


同じ穴のムジナ

5年間も、全ての事務処理がデタラメだった。
全部見直して、未払いは追加支給、過払いは返納・・
道義的にはこれが正しい後処理、数千億円の不祥事です。

「時効特例、全部デタラメやっていました!」
政権が代わる程の社会問題となった、年金記録問題の救済法で、こんな発表したら、どうなると思いますか?

組織はおろか、下手をしたら年金制度自体が壊滅・・社会的な大混乱は必至です。

A氏だけが根本的法解釈に気付いたのは、彼が極めて現実主義者だったからです。

A氏が望んだのは、将来に向けて正しい事務処理を行う事だけです。
「公表するかは、一担当者が口をはさむ問題ではない」、
要するに、隠蔽を望んだのです。

みんなが赤信号を渡っている、だったら一緒に渡ればいい、という選択もありました。

しかし、違法な事務処理を続けると、後で誰かに暴かれて、処分(クビ)される、という可能性もありました。

当たり前の仕事を当たり前にやりたい・・
自分を含め、仲間たちを守りたい・・

A氏がとことん争った動機です。

さあ、どのように感じましたか?
結局自分のためじゃないか!!と思いましたか?

A氏は最後には、総務省とも争う事になりますが、怒った理由は、第三者委員会稼業のセコイ輩に、懐を肥やすネタにさらたからです。

告発者は、「数千億円を解決しろ!」とは言っていません。

内部告発者と年金機構・厚労省幹部、結局は同じ穴のムジナだったのです。
いや、むしろ10億円でも補償した後者のほうが“マシ”なのかもしれません。

内部告発の真相

全ての隠蔽を望んだ告発者、なすすべなくフリーズした年金機構・厚労省、隠蔽プロジェクトを完遂した年金業務監査委員会・・

一番責任が重いのは、誰だと思いますか?
懲役刑をくらうとしたら、誰が何年になりますか?

不正は許さない、正義感がそうさせた・・
多くの場合の、内部告発の理由です。

A氏の場合は異なります。
告発の動機は、徹底したプロ意識、仕事に対する誇りです。

“全てはお客様のために”
法令に基づいたサービスを提供する。上司や幹部の為ではありません。
この、当たり前の事を実践する。とことんやる

彼に、内部告発の意識(不正の是正)はありませんでした。
任務を遂行した、ただ、それだけだったのです。
誤って処理された案件の是正は、彼の仕事ではありません。

まとめ

時効特例内部告発の真相、いかがでしたでしょうか?

第三者委員会が設置されたのは、平成25年1月~3月です。
そして、A氏から直接内部告発を受けた年金機構の初代理事長が退任したのが、平成25年3月末。

任期満了が理由ですが、
A氏の感想は、「逃げやがったな・・」

実際はわかりません。全てを公表しようとして、更迭されたのかもしれません。そして就任した、強いリーダーシップを持った2代目、巨大不祥事を隠蔽する為に、白羽の矢が立ったのです。

平成30年に、委託業者が勝手に中国の業者に再委託した、という事件がありました。大量の、マイナンバーを含む個人情報が、中国のネット上に流出して発覚しました。

2代目は、500万人分の個人情報、流失したのは「氏名・フリガナ」だけで実害は無い、と国会で言い張りました。

その根拠としたのが「IBM報告書」、
またやってるな・・

話はそれてしまいましたが、組織を守るのがリーダーの役目です。
汚い役目をかってでも、任務を全うする・・

内部告発をした者、隠蔽した者・・
それぞれが、任務を全うした。
時効特例不祥事のに、そういうドラマがありました。

どうですか?
楽しんで頂けましたでしょうか?

しかし、“数千億円の、未払いと過払いが隠蔽されていた”
この記事がきっかけでマスコミが報道、ひと騒動起こる・・
と言う事は無いでしょうね。

もう、“時効”ですから!

平成25年度 第一回年金業務監査委員

平成25年度 第三回年金業務監査委員会


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時効特例 内部告発の真相





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