UXに興味があるなら、まずはデザインのスペシャリストを目指す?
昨今ではUXやデザイン思考など、より広義なデザイン、そしてデザイナーがクライアントの経営やビジネスに近づいてきています。
▶ UXはみんなでやるもの
「UXに興味があるのでデザイナーになりたい!」という声も聞くようになりました。でもUXってとても危ない言葉で、リサーチやユーザーヒアリングをしたいのか、ユーザー体験を考えながらモノとしてのデザインを作りたいのかでも大きく違います。(私も今回の転職活動でここがすごくネックになりました…。)
正直、例えばサービスデザインをする時、リサーチから実際にモノを作るまでをデザイナーひとりではできません。できるかもしれませんが、すごく時間がかかりますし、現実は「じゃあ3ヶ月後にサービス公開で」とか普通にあるので、ひとりでやったらざっくりと簡単なものになってしまいます。
今からデザイナーを目指している、あるいはデザイナーで「UX」という言葉が頭の中にちらついている皆さんへ私は問いたい。
「 実際にモノを作るのが好きですか? 」
モノづくりは職人です。個人の努力と経験で技術力があがるハードスキルです。
でも、UXは一人ではできません。周りとの接点を作り、コミュニケーションを必要とするソフトスキルですし、そもそも
UXはみんなでやるもの
だと私は思っています。
だからもし、モノづくりが好きでなおかつUXに興味があるのなら、UXを勧めているチームに加わるために、まずは「ビジュアル表現ができるデザイナー」というハードスキルを身につけて、デザインのスペシャリストになる必要があるように思うのです。
▶ UX+ハードスキル
UXは誰でも、どんな職種でもできます。
UXデザイナー以外に、UXディレクター、UXエンジニア、UXリサーチャーと、いろんな肩書があるのはそのためでしょう。
これを分解すると、
・UX+デザイン(ビジュアル化できる)スキルを持っている
・UX+ディレクションスキルを持っている
・UX+エンジニアリングスキルを持っている
・UX+リサーチスキルを持っている
と、UX+ハードスキルなのですね。
(ただ、UXデザイナーの“デザイナー”を広義の意味で使っているところもあるので、ややこしいのですが…。)
▶ 私がハードスキルを鍛えた場所
私がデザインのハードスキルを鍛えられたのは、新卒で入った二次請けの受託制作会社でした。二次請けの受託制作会社は、残業が多く給料が安いというネガティブなイメージがあるので、段々人気がなくっている印象を受けます。
でも、その一方で二次請けの受託制作ならではの強みがあります。
それは、大手代理店や大手企業を相手にしているので、見た目(ビジュアル)のデザインが世界に通用するクオリティが求められるということです。だからこそ代理店から出し戻しも多いし、先輩には1pxまで詰められます。でも、そうやって鍛えられたことで、気づいたら目が肥えてます。
(もちろん、二次請けの受託制作会社は、会社の規模大小さまざまで世の中にかなりたくさんあるので、良い会社と悪い会社でかなり差もあると思ってます。また、代理店の担当者にも先輩にも左右されますしね。人とのコミュニケーションなので…。)
私自身、デザイン(見た目)のクオリティが高いことを武器にできたからこそ、いろんなことにチャレンジできているように思います。
▶ 原点に戻り改めて見つめ、変えていきたいデザインとデザイナーの価値
そして、そんな自分の原点へ帰るかのように、GW明けから二次請け中心の受託制作会社に就職しました。いろいろやってきたのに、なんで今さらそこ??と知人には思われそうですが、私は
「デザインとデザイナーの価値を上げたい」と思っています。
デザイナーの日本での地位や給料の低さを考えていると、いつも教育にいきつきます。こんなにも業界のスピードが早いのに、私がデザインを学んだ専門学校や、その他教育機関はあまりカリキュラムが変わっていません。
これでは価値が上がるどこか「デザイナーが夢のある職業」にならない。
そして、どこもデザイナーの人材不足です。
なぜ人材不足なのかというと即戦力を求めているからです。人材不足→会社で教育する余裕がないという負のループになっています。
スペシャリストを育成していた受託制作会社も、今では事業会社の人気でどんどんそちらに人が流れています。
一方で、大手代理店に頼らずにスペシャリストの育成はできないものか。
そんなことも最近考えています。
▶ デザイナーが楽しくモノづくりできて、時代変化に強い成長がしていける環境づくりがしたい
ここまで、すごくまとまりのない文章書いてますが、自分がデザイナーとして鍛えられた二次請け中心の受託制作会社が、6年経った今どうなっているのかも興味がありました。
(変わってない…これはやばい。しかも私が新人のときよりも人気がなくなって人材不足に悩まされている。みんな二次請け受託制作=悪と思いすぎだ。今なら数年前よりも、もっとデザイナーがよりよい環境で二次請けの受託制作だってできるはず…!!そして、二次請けに頼らない、またはそれを活かした別の形でクオリティ鍛える方法を模索してもいいはず…!!)
なので、人材育成や組織デザインに興味が湧いてきています。
私は何よりも「楽しく仕事できる=良いモノづくりができる」だと思っています。
「この会社に入ってよかった〜!」と自分のポートフォリオを充実したものにして、何より自分の武器として自信になるものにして欲しい。私がかつてそうだったように。
そして、上記に書いたように人材不足でもあるので、ただの平社員デザイナーとして入社した私は日々の業務で手いっぱいになってしまい、前進しないまま謎のやり切った感で1週間が終わるということに焦りを感じています。
ということで、弟子募集してます。
アシスタントデザイナーだけでなく、応援してくれる・一緒に勧めてくれる中途デザイナーさんもすごいウェルカムです!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。頂いたサポートは私の癒やし担当、愛猫シャーロックの胃袋にしっかりおさめます!