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Miroのデザイン責任者が語るリモートコラボレーション

本記事は北欧のデザインメディア DeMagSign の翻訳記事です。
元記事はこちら:Interview with Miro’s Head of Design Vlad Zely

Miroはこの1年で、共に働き、共に創造することの意味を再定義しました。Miroがどのようにして、創造性とコラボレーションを促進しながら、急速に成長するコミュニティのニーズに対応しているのかをご紹介します。

昨年の経験から、人々や組織が一体となったときに、より強い回復力を発揮できることがわかりました。パンデミックの初期段階から、Miroのオンラインコラボレーションツールが瞬く間にNo.1のコラボレーションツール、可視化ツールとなったことは不思議ではありません。

Miroのデザイン部門の責任者であるVlad Zely氏が、Miroがどのように進化を果たし、リモートファーストの働き方に世界中がシフトする中で成功を収めたかについて話してくれました。

(出典:Miro.design

──働く場所における従業員のクリエイティビティに影響を与えるものは何だと思いますか?

私の友人がかつて言った「人は安全なときにしか遊べない」という言葉は、私にとってクリエイティブな仕事の基本原則となっています。

私は、リーダーはチームのために安全な環境、あるいは「遊び場」を作る責任があると深く信じています。私たちは正直かつ効果的なやり方で、チームのメンバーがアイデアをシェアし、探求し、共創できるようにしなければなりません。要するに、クリエイティビティの基盤は、カルチャー、信頼、正直さ、そして相互の尊敬の上に築かれているのです。

(出典:Miro.com)

──Miroは、多様な考えとフローを可視化するために使われます。典型的なMiroのユーザーとはどんな人でしょうか? また、様々な目的すべてにフィットするようにプロダクトはどのようにデザインするのでしょうか? 

Miroは、ロードマップとプロダクトの最初のバージョンをデザインしようとする小さな革新的スタートアップから、複数年の企業戦略とビジョンに基づいて行動する10,000人の従業員を持つ老舗企業まで、さまざまな規模のチーム・コラボレーションのためのツールです。またMiroは、社会的、経済的、あるいや環境に関するニーズに取り組んでいる教育機関や公的機関にも利用されています。

(出典:Miro.com)

Miroの多様性は、ツールの美しさです。Miroが提供する白紙のキャンバスを使えば、あなたは誰かに決められたやり方ではなく、思い通りのコラボレーションを作ることができます。Miroverseには何百というコミュニティのテンプレートがあり、このツールが持つ力と幅広い用途を示しています。

私たちのツールは、私たちが一週間を通して行う何百もの顧客やユーザーとの対話を反映しています。私たちはこれを、「ラディカルエンパシー」(徹底的な共感)と呼んでいます。

(出典:Miroverse.com

──パンデミックが始まって以降、ユーザーのツールの使い方は変わりましたか?

一番変わったのは、オーディエンスの属性と規模です。パンデミックが起こってからというもの、何百万という企業が新しい現実に急速に適応するために、仕事のやり方を考え直す必要に迫られました。私たちMiroは、チームがどこにいても力強いコラボレーションができるようにする責任があると感じていました。

──ツールだけでなく会社自体進化して、リモートワークに移行したのですか?

私たちも日々の業務にMiroを使っていますので、自分たちでプロダクトをテストする機会があります。Miroは世界中の多くのチームだけでなく私たち自身にとっても頼りになるツールだという事実が、私たちの成長を後押ししたのでした。私が4年前に入社した時、Miroは50人程度の組織でしたが、2021年には1,000人を超えるという目標を目指しています。私たちは、急成長する大規模な組織が経験するような課題すべてに直面しています。

(出典:Miro.design

──今後のリリースに向けて、どんな機能が作られているのですか? また、パンデミックによってツールの方向性は影響を受けましたか?

すべてを申し上げるわけにはいきませんが、私たちはパンデミックの初期にAttention managementをリリースしました。これは、ミーティングの主催者やワークショップのファシリテーターが参加者を導き、全員がきちんと参加できるようにするための一連の機能です。これを使えば、特定のタイミングでコラボレーションが必要になったときにユーザーの注意をボードの一部に引き付けることができるので、この機能は参加者が何十人もいるような大規模なワークショップをファシリテートする人に特に関係するものです。Attention Managementは、フリーフォームで制限の無い空間においてチームのメンバーがより効果的にコミュニケーションをとるために非常に役立ちます。

MiroのBring everyone to me機能。全参加者をボードの一部分に集めたらMiroがそのあと自動で追尾してくれるので、すべての人があなたとまったく同じコンテンツを見ることになります。(出典:Attention Management by Miro)

さらに、大規模なプロダクト適用をシンプルにするFlexible Licensing Program(FLP)という機能を導入しました。2020年の春から夏にかけて、Miroの週間アクティブユーザー数は230%以上伸長し、この勢いがすぐに止まる気配はありません。FLPを使えば、チームはすぐさまに使用の規模を必要に応じて調整できるので、メンバーがどこに居ようと中断されることなく仕事を継続できるようになります。

また、100以上のUX改善をリリースし、初心者ユーザーのサポートに努めてきました。

そして最後に、あなたは私たちのデザインチームの一員となって、世界中にいる何百万人という人がより良い機能を作るための手助けができます。私たちはMiro.designをリリースしたばかりですが、このプラットフォームで私たちのチームと募集中のポジションについて詳しく知ることができます。

Miroのデザインチームの一部(出典:Miro.design

──Miroを使えばワークフローの組織化と可視化がしやすくなるということは知っていますが、Miroにおける仕事とはどのように組織化されているのでしょうか? リモートワークにおいてお互いの考えに基づいて仕事を組み立てるにはどうすれば良いでしょうか?

課題のひとつは、適切な方法で環境をデザインすることです。これは、物理的にもデジタル的にもコラボレーションを生み出すための空間をデザインすることです。リモートワークへの移行によっていままで以上に重要になったのは、いかに同期するかということです。私たちMiroには、進行中の仕事をシェアしたり、質問したり、より広範囲のデザインチームとして提案を行ったりするためのプライベートチャネルがあります。

また、チーム全体から個人まで、さまざまな規模での同期方法を用意しています。「ストリームレベル」(コアプロダクト、プラットフォーム、成長、ユースケース、企業)と呼ばれるものでは、より小さなチーム毎に一週間を通じて意思疎通を行い、協力して物事を進めるための複数のレビューセッションがあります。

私はデザイン責任者として個人的に、毎日決まった時間に一緒に議論、レビューを行うための予定をスケジュールに登録しています。リモートワークの初期の頃、私たちは進行中の議論について時間を設定することが困難な場合があることに気付いたのです。ですから私は、チームのメンバーが自由に使える時間が増えるように自分のスケジュールを見直しました。私は、リーダーはチームのために時間を使うべきだと考えています。

Miro Design WIP(WIPシリーズによる5/27に開催されたMiro初のバーチャル・デザイン会議)

Written by Giorgia Lombardo (Design Matters)
Translated brought to you by Flying Penguins Inc. 🐧

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Design Matters Tokyo 22が来年5月に開催

Design Matters Tokyoは世界のデザイントレンドが学べる、コペンハーゲン発のデザインカンファレンスです。次回は2022年5月14日-15日に開催予定です。GoogleやTwitter、LEGOなどのグローバル企業はもちろん、今年はWhatever、みんなの銀行など国内のデザイナーも登壇予定です。イベントに関する情報はSNSを中心に発信していきますので是非フォローください(カンファレンス参加しない方も大歓迎です)。

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