「デザインが出来る」感覚を手に入れる
「土地勘」ってどうやって手に入るの?
デザイン出来る人はと出来ない人の差は、「出来るという感覚」が自分の中にキチンとあるのかどうか?だと思います。当然と言えば当然だけど、掌の中、全ての問題を俯瞰し把握している感覚を持てるか?それこそ、デザインが上手い人、ではないでしょうか。
なんか「舞台に上がる前のベテランの芸人さんって、舞台袖にまで来ているのに、どこか余裕がある」感じがしませんか。多分、ネタをまる忘れしてもなんとか出来る感覚、が自分の中にあると思うんです。
良く刑事ドラマで「土地勘がある人間の犯行ですね」なんて言いますよね。土地勘ある犯人は、明らかに追っかけて来る、刑事さんより裏道やら隠れそうな場所を知っていて結局逃げおおせるるわけですが、だからと言って、犯人と刑事さんで、犯人のスキルが上なわけではありません。ただ、来たことがあるだけです。
少し乱暴に言い換えますと、
出来るような感覚がある=土地勘がある
という感じでしょうか。
そうです「出来る」という感覚をあまり過大評価せず「土地勘」が誰にも持てるのと同じく、どちらも「誰でも手に入るモノ」という事を前提として読んでもらいたいんです。
昔の失敗が行ってはいけない場所を教えてくれる
違うのは、そこがデザインという場なのか、自分が住み慣れた街なのか、の違いだけだと考えて、話を進めさせてもらいます。
では「土地勘がある状態」にどうやってなるか?と言うと、好き嫌いでもなく、何回も道を通っている内に、「土地勘」なるモノは醸造されていきます。
いつも通っている道、見ている街並みであれば、自然に、一つ道を覚えまた次に一つと、気がつけば、大体どこにどんな道があるか?身についてるものでしよう。
そこに才能やセンスって関係ないですね。多少の方向音痴などはあっても、土地勘は大抵つきますから。
デザインが出来る感覚を手に入れるには?
さて、ここから本題です。
デザインというフィールドで何処へでも行ける、どうにでもなる、感覚は、どうやって出来るのか?ここが皆さん一番知りたいところですよね。
ヒント、というか答えは、犯人と刑事さんの話で、もう既に言ってます。
そう、犯人の方が刑事さんよりスキルが上だという事でなく「行ったことがあるだけ」なんですね。
そう、いつか来た道、だから余裕で「右へ行けば逃げられる」と思えるだけです。ですから、デザイン上達の道も、経験がモノを言うわけです。
実際、アドバイスを頼まれて、後輩のデザイナーの作品を見るときに「ああこれはまた懐かしい失敗だ〜」と気恥ずかしい想いに駆られる時があります。全く同じ失敗を、過去に自分もしているからです。「間違えるところはみんな同じなんだな」とも思う訳です。
いつか来た道、と言えば格好良いですけど、何のことはない、昔、自分がやってしまった失敗を後輩もやっているだけで、経験しているから、そっちへ行っちゃいけない、って思えるだけな訳です。
勿論、ただ通ってきた道であれば、何でもオッケー、ではありません。きちんと「何故、その道が危ないのか」理解していなければ、何も考えずもう一度その道を通り、穴に落ちたり、犬に吠えられるだけでしょう。
何故失敗したのか?理解しながら、経験値を増やす
いつか来た道、通った道とはすなわち「経験」であり、その積み重ねで
「いつか来た道=経験値」となります。
「経験値を増やす事が大事だ!」こんな事くらいは、デザイン本を立ち読みしただけでも言える事でしょう。でも、さっき、土地勘を増やすにも「何故、その道危ないか?」を身にしみてわかってなければ、似たような道を歩いてしまい、繰り返し痛い目に遭うでしょう。
失敗・成功に関わらず「何故」その結果になったのか?「何故上手く出来たか?」「何故褒められたか?」「何故失敗したか?」「何故クライアントはあんなに怒ってるんだ?」理由を理解していないと経験値にはならないのです。
そうです、ただ経験すりゃあいいってモノでもありません。何か、失敗してしまったら、泣いている場合ではなくその失敗を、味わい尽くしましょう。Mなんですか?と冗談まじりに聞きたくなるでしょうけど、勿論、そういう話ではなく自分を元気づける為にも「チャンスだ」くらいに思うといいです。
シナリオライターや芸人は、何かひどい目に遭うと「ネタが一つ増えた」と、少し喜ぶらしいです。まあ仕事の失敗はあんまりひどいと致命傷にもなりかねないので、進んでしない方が良いですが、
何か失敗したら「何故、失敗したのか?次から絶対しないためには?」だけは、キチンと自分で結論を出すようにして下さい。
曖昧なままにしておいたり、失敗の理由がわからなければ、もう一回繰り返してしまうだけです。「暗闇を歩いたから変質者に襲われた」と学んだなら、次からは出来るだけ大通りを歩けますよね。
そう、一歩バックしてしまったら「この失敗を糧に二歩進んでやる」くらいだと本当にそうなります。
成功体験も勿論大切
では、失敗体験だけが大事なのか?勿論、そんな事はありません。「失敗は成功の母」なんて言って「失敗」を持ち上げているのは、ただ失敗して落ち込んでいる人を元気付けているだけで、
「成功体験」がなければ、どうすれば上手くいくのか?わからなくて、上手く出来るイメージなんて持てるわけもないでしょう。
「土地勘良い」って結局、最終的に、目的地へ行けなければダメですよね。
なので、成功も失敗もより深いレイヤーで体験して、意識に刻んでいく事が大切です。そして「成功体験」についても、きちんと「こういう事を注意したから。上手く出来た」と結論を出して、きちんと似たような案件が来たら、再現できるようにしていって下さい。
再現できる成功経験=スキル
成功しても、再現できないなら一回限りとなって、スキルとして認められません。採用面接で採用担当が確認したいのは、この一点、と言っても良いくらい大切な事です。
「再現できる成功経験=スキル」です。
ですから、上手くいった、褒めてもらえた、喜んでもらえた、という経験をしたら、それこそ箇条書きにして理由をあげてみて下さい。
理想としては、失敗ノート・成功ノートを分けて作り、何故、その結果に至ったのか?間違いでも良いので自分で答えを書いてみましょう。
とにかく、何故自分がその結果を招いたか?せっかく経験出来た出来事に自分なりに句読点を打つ事です。
そうやって、一つ一つの経験値の密度を可能な限り上げていくと、少ない時間で、人よりも深い経験を得ることができて、結果的に「デザインが出来るという感覚」を手に入れることが出来るはずです。
「そんなに簡単な事じゃないよ」とか「毎日継続って続かないよ」とか「子供が、、、」とか、果てしない反論も出てきそうですが、では具体的なアドバイスをさせてもらいましょう。
毎日インプットすると好奇心が出てくる
「好奇心があるので、インプットをする」普通に考えれば、そうですけど、順番が違うんです。
毎日、デザインを見ている(インプットする)と好奇心が湧いてくる。
これが正しいのです。
朝、Zipという朝のワイドショーを見ているんですが、初めは何となく「水卜アナって庶民的で好感持てるな」「明るい雰囲気が好き」「かまいたちも好き」とかで見始めているだけでしたが、
「星星のベラベライングリッシュ」というコーナーを、これも「星星とレイアの掛け合いが面白いな」と、楽しみながら毎日見ているうちに「ああ、I love you」って「I’m in Love」って言い方もあるんだ。とか、
https://twitter.com/seisei_panda/status/1445534038962237440
微妙に、ネイティブの方が使ってるっぽい、こなれた?言い方を紹介してくれるので、面白くて、段々英語に興味が出てきたんですね。
毎日見てたら、どんどん興味が湧いて、好奇心が燃え始める
この順番を忘れない事です。僕の場合も、メルマガやnote Twitter等の文章も、初めは全くダメで、苦手だから始めたような所がありました。
「これからのデザイナーはライティング能力も必要だ」とか、「デザインする時にインプットする、では絶対ダメだ、日頃から勉強するために誰か宛に発信しよう」そういう思いで始めましたが、
メルマガの最初の記事なんて、
どうもkeloです。デザイナーやってます。デザインのあれこれ、お届けします。頑張りますので、どうぞよろしく。
で終わりでした。でも続けていくうちに、
「もっと上手く書きたい!」という欲や、「どうしたら伝えたいことを効果的に伝えられる?」とか色々と興味が出てきました。
僕の場合は、一応「続ける」→「好きになる」の順番はわかってるつもりでしたので、意識的に続けることを自分に課した所はあります。
「続けていれば、何とかなる」大切なポイントです
なので、皆さんも、まずは自分に負担のない形で、毎日のデザインをインプットをするようにして下さい。まずは「見る」だけで良いので身の回りのデザインと触れる時間を少しでも増やすところから始めましょう。
そこから、どういう風にアレンジしても良いので、好きになったものを少しづつ深掘りすれば、自然に、毎日の継続にも繋がって、良い循環を繰り返しながら負担なく、デザインの沼にハマっていけます。
まとめ
色々なところに話も飛んでしまったので、一応、まとめましょう。
土地勘がつくのは、一見さんより沢山の時間、自分の街を歩いているからで、それなら「デザイン」という街を誰よりも多く歩いてみようじゃありませんか。毎日見続ける・歩き続ける事が大事です。そうすれば段々、デザインのというモノへの好奇心が止められなくなって、デザインが自分の掌にあるように「いつでもデザイン出来る」みたいな感覚もわかってくると思います。
最後まで読んで頂き、有難うございました。
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