世界は色で溢れている
色で溢れているこの世界
さて、今回はデザインの大切な要素、「色」についてです。色ってデザインにとって本当に大切ですから、皆さんに少しでも興味を持って頂ければ有り難いと思い、今回の記事を書かせてもらいます。
少し妙なタイトルになりましたが、
言葉通り、私達の世界は色で溢れています。あなたの身の回りを見回してみればわかる通り、あなたの目に入るもので「色のついていないもの」なんて一つとしてないことに気がつくでしょう。人が夕焼けの美しさを見て涙を流しそうになる時、その「圧倒的に美しい色」に感動している事が多いでしょうし、美しい服を見て感動する時も「服の色」に感動しているケースは多いはずです。人が色から受けるエモーションは私達の想像以上のものがあります。
「色」とはつまり「色合わせ」
しかし、よくよく考えてみれば、私達が何かの色、黄色なら黄色、一色だけを見て綺麗だと思う時も大抵は「2色以上の色合わせ」としてきれいかどうか?を見ていることがほとんどです。そう「緑のセーターが気に入って思わず購入した」という時でも実は試着した時に履いていたGパンとの色合わせを見て「これはきれいな色(合わせ)だ!」と思って購入してたりするもんです。そうです、色とは「色合わせ・配色」なんだ!とあらためて認識し意識して使っていくほうが、少なくとも色を勉強する上では上達も早いものです。
また、それは服選びの時だけでなく、自然界の色を見るときも同じです。燃えるような紅葉の美しさ、素晴らしさを目の前にして涙を流すほど感動して、あなたが誰かに「久しぶりに見た紅葉のオレンジが綺麗だったよ!」と、友達に言ってしまう時、実はあなたは「オレンジ」だけではなく「オレンジ」を引き立てる「緑」や「黄色」の色合わせに感動しているわけで、良いドラマには必ず「主役を引き立てる脇役」がいるように「メインの色を引き立てる脇役の色」たちの事を忘れてはなりません。ひとつの色が綺麗だからといって、クオリティの高いビジュアルは完成しないんです。
そして私達デザイナーが何かをデザインする時、一色だけで完結するデザインってほとんどありません。必ず「自分が使う色」の「隣の色」が存在します。その隣の色との色合わせがうまくいくかどうかでセンスの良い絵づくりがに成功するかどうか決まるわけです。
「色はその色だけ考えれば良いという訳ではない」つまり「色はその色だけで単独では存在することなど出来ない、と考えるべき」とさえ言う人もいるくらいです。
プロとして活動しているデザイナーは自動的に「色」でなく「色合わせ」「配色」という「複数の色の合わせ」でセットで考えているものですが、これからデザインを始めようとしている方はもしかしたらこの想いは、希薄なのかもしれません。
何かの風景を見て自分が綺麗だ、と感じるのなら、常に「どの色とどの色の合わせ、響き合いに自分が感動したのか?」考える癖をつけていただくと良いかと思います。
周りに素敵な色合わせが溢れているとしたら、それだけ配色のお手本に事欠かないわけで、あなたが色感を高めたいのであれば、どれだけ身の回りの「素敵な配色」に敏感になり、自分のものにするかにかかっています。
身の回りの「配色」を注意して見る
注意して身の回りにを見ると ずっと残しておきたいくらいにきれいな色合わせって、溢れています。
下記の写真は自分で配色のストックのために撮ったものです。(随分と前の写真だったりしますが)そう、これらの写真は「夕焼け空」だったり「駅ビルの中」だったり、節操なく撮っている写真ですが(笑)共通しているのは、私が「色が綺麗!」と感じたということであり、半分は遊びですがこうしてスマホ写真でもよいので「気になる色」をメモっていくノリで残していくようにするとそれだけでも色の勉強になるものです。
きれいな配色をピックアップする
そして一歩進んで、これらの写真から「きれいな色合わせ(配色)」を抜き出し自分の心の中にストックしていくと、もっと意識的に色感を鍛えることだって出来ます。実際にこの方法は、美大の頃からやってきたことなんですが、具体的にやり方をご紹介しますと、例えば一番最初の「夕焼け空」の写真から色を実際にピックアップして並べてみるんですね。こんな感じです。↓
夕焼けの写真から「色」をピックアップしただけですがこうやって色を抜き出してみると自分がどういう配色に感動していたのか?客観的に分かかるんですね。そしてどういう配色が使えるか?実際にデザインする時に使ってみることで「色感」が磨かれてくるというワケです。何色抜き出すか?決まりはないですがまあ4色くらいで十分です。Photoshopをお持ちであればスポイトツール等使っても良いかもしれません。※この記事の最後で写真に使われている4、5色の配色を抜き出すアプリをお教えしますので使ってみてください。
風景に限らず駅ビルのお店の店頭だったり電車の吊り広告・その他、気になる色があったら、とりあえずスマホで撮っておいて同じように、色を抽出して並べてみましょう。
デザイナーであれば写真に撮るか?あるいは心の中のスクラップブックに貼り付けて必要な時に思い出せるようにしたいものです。こういう例はお店の店頭だけでなく実はあなたの部屋の中にだって「きれいな色合わせ」はあったりもするんです。もし気が付かないとすればあなたの脳が「デザイン脳」「配色脳」になっていないだけです。もし、身の回りから見つけられないなら、雑誌の中にきれいな色合わせをを探してみてください。例えば旅行代理店でもらえるちらしなどをもらってくれば、それなりに素敵な写真が無料で手に入るでしょうフリーペーパーでも構いません。ネットの中からだって構いません。外国のフリー写真素材からピックアップした色の綺麗な写真も参考になります。国ごとに色の使い方が全く違っていたりするからです。
ただ「綺麗」と言って見ているだけでは、素人なので、綺麗と思った色をメモっておく事を勧めたいです。極端な話、それらのパンフレットが白黒であっても、白黒の中でも『きれい』な色合わせのバランスって、あるものです。
まとめ
「世界は色で溢れている」って今回のお題、何かの歌のフレーズみたいですが、語呂が良いから書いた訳ではありません(笑)
私達はいつも至る所で色には触れているのです、色を見ているのです、感じているのです。世界は文字通り「色に溢れている」のです~そんな「色に溢れた世界」を、少し意識して見るだけでも自然と色の勉強になるもんです。
色について、もしあなたが悩むようでしたら、このことをよく思い出してもらいたいのです。
「きれいに配色できるようになるために何をすれば良いですか?」そんな質問を投げる前に、あなたの目の前の景色の中から美しい配色を探してみませんか?
・駅ビルのおしゃれなポスター
・曇り空の中の豊かなグレーのグラデーション。
・夕焼け空。朝焼けの色(それぞれの空色の違い)
・夏の公園で見る、普段の生活で見れないくらいに鮮やかな緑色
・スイーツの美味しそうな色の組み合わせ。
・鏡の中のあなたが毎日着ている服の色。
これらをあなたは自分自身で毎日毎日見てます。色の基本法則を勉強してから、あらためて「あなたの周りの色で出来ている世界」を感じて、きれいな色の組み合わせに注目してみるだけで、かなり色についてわかってきたりします。
色彩検定等で問われるような詳細な色の知識や、細かい色のテクニック等も否定はしませんが、色を論理からのみのアプローチだけで追いかけていくと、机上の論理のようになり、本来色が持っているパワーや美しさが今一つ活かされないのではないでしょうか。それよりまずは素直にあなたの身の回りにある身近な色に、着目してみて下さい。
まず、あなたの身の回りに広がっている、色にあふれたこの世界、を良く見てみて下さい。今より、少しだけ意識して「色」を感じる事です。それだけで随分と変わってきますし、色の感性「色感」が鍛えられる、簡単で大きな第一歩に、なったりするのです。
最後まで読んで頂き、有難うございました。
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