![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100476897/rectangle_large_type_2_3f9d9c26df4125ab9eb5e951bf4a4711.jpeg?width=1200)
VRMファイルざっくり解説 Vol.1
メタバースの分野で注目されているVRMファイルについて
ざっくり解説します。
「メタバース空間でイベントに参加したい」「他の参加者とコミュニケーションしたい」「VTuberをやってみたい」など、バーチャルの3Dモデルを必要とする場面が増えてきています。
ただ、3Dキャラクターを1から作成できる人は限られており、メタバースサービスやアプリ毎に予め用意されているアバターを利用するケースが多いのではないでしょうか?
そこで、メタバースやVTuber初心者の方にもお勧めしたいのが、市販されているVRMファイル形式の3Dモデルです。VRMファイルは3Dアバター向けの標準化されたフォーマットで、このフォーマットに対応するメタバースプラットフォーム、サービス、アプリであれば同じ3Dモデルを使用することができます。
今、メタバースの分野で注目されているVRMファイルについて、ざっくりと解説します。
1.VRMファイルとは
VRM(ブイアールエム)は、VRアプリケーション向けの人型3Dアバターデータを扱うための新しい形式の3Dモデルファイルです。
![オリジナルVRMファイルの三面図](https://assets.st-note.com/img/1679031547221-cGrFkh3Z8H.png?width=1200)
3Dモデルファイルのフォーマットは、FBX、OBJ、glTF(GLB)、PMD(MMD・PMX)などの種類があり、アプリケーションごとの互換性が完全ではなく、データの作り方に細かい違いがあります。また、あるアプリケーションで制作した3Dモデルを異なるアプリケーションでも同じように使用することができず、アプリケーションごとに3Dデータを作り直す手間が生じていました。
そこで、3Dモデルファイルの制作環境の差異を統一し、様々なアプリケーションやプラットフォームで同じ3Dモデルを簡単に使用するための規格がVRMです。
また、VRMはネットの双方向性を最大限に動画や生放送に取り込んだニコニコ(niconico)を提供している株式会社ドワンゴが2018年4月に発表し、以降オープンソースとして公開されました。
VRMファイルは、仮想現実アプリケーション、仮想現実ゲーム、仮想空間、チャットボットなど、バーチャルリアリティの世界に存在するキャラクターとして使用されています。また、今後はより高度な顔認識技術やモーションキャプチャー技術などと組み合わせて使用することで、よりリアルな仮想現実体験が可能になることが期待されています。
2.VRMファイルの特徴
VRMファイルには大きな特徴が3点あります。
同じ3Dモデルで異なるアプリケーションを体験できる
制作環境によって異なる座標系などを統一することで、あらゆるメタバースプラットフォームや配信・ゲームツールで使用されることを想定しています。例えば、VR空間でコミュニケーションを取れる「VR chat」や、仮想現実上でリアルタイムにコミュニケーションが取れる「Virtual Cast」を、1つの3Dモデルを使用して遊ぶことができます。
3Dモデルを構成する複数のデータを1つにまとめられる
3Dモデルのテクスチャーやボーン・マテリアルと呼ばれる、視線設定や表面の色や質感、凹凸を表す情報のデータを含んでいるため、3Dモデルのデータをシンプルに扱うことができます。
ライセンス情報を保存できる
3Dモデルの「人格」に関するライセンス情報をファイルに埋め込むことも可能であり、アバターを用いて暴力表現や性的表現を演じることの可否を設定できるなど、メタバース空間で誰もが安心して使用できる3Dアバターとして活用できます。登録できる項目は、Title(3Dモデルの名前)、Version(モデルのバージョン)、Author( 作者名)、Contact Information(作者への連絡先)、Reference(3Dモデルの情報など)、License(ライセンス情報)などがあります。
今後VRM形式に対応するサービスやアプリケーションが増えることで、メタバースで3Dアバターを利用したコミュニケーションがより一般化すると期待されています。
3.VRMファイルを使ってできること
VRMファイルを活用できる用途をご紹介します。
アバターとして使用する
![VRMファイルをアバターとして利用](https://assets.st-note.com/img/1679031546700-QMQB0AA2mF.png?width=1200)
VRMファイルの読み込みに対応したメタバース空間内で、自分独自のアバター使ってイベントに参加したり、他者とコミュニケーションすることができます。
アニメーションとして利用する
![Webカメラだけで全身トラッキングできます](https://assets.st-note.com/img/1679031546589-qqmteB43zm.png?width=1200)
Webカメラから顔を認識して3Dモデルに動きを反映可能なアプリケーションにVRMファイルを読み込むことで、自分でキャラクターを作成しなくても、VTuberなどで使用可能な動くキャラクターを使えます。
ゲームで使用する
![無料ゲーム「Chill Corner」VRMファイルを取り込んでみました](https://assets.st-note.com/img/1679031547544-aoxakW9RDm.png?width=1200)
VRMファイルの読み込み対応したゲーム内で、自分独自のキャラクターを使用することが可能となります。
3Dプリントする
VRMファイルを利用して、3Dプリンターで3Dモデルを出力することができます。自分自身のVRMファイルを3Dプリントして、オリジナルのフィギュアを作成することができます。
4.VRMファイルを利用できるサービス
VRMファイルを利用できるサービスは、以下のようになっています。
VRChat
![VRChat](https://assets.st-note.com/img/1679031548256-t0SHyAxLsg.jpg?width=1200)
ユーザーが自分自身のアバターを作成し、仮想空間で他のユーザーと交流することができます。VRMファイルを利用してアバターを作成することができます。
STYLY
![STYLY](https://assets.st-note.com/img/1679031548323-l9IU70Byyf.jpg?width=1200)
バーチャルショッピングやVRコンテンツの制作に利用できるVRプラットフォームです。VRMファイルを利用してアバターや3Dオブジェクトを作成することができます。
Cluster
![Cluster](https://assets.st-note.com/img/1679031548324-0ia1hFlMFB.jpg?width=1200)
VRでのコミュニケーションやイベント開催ができるプラットフォームです。VRMファイルを読み込んで自分自身のアバターを使用することができます。
Animaze by FaceRig
![Animaze by FaceRig](https://assets.st-note.com/img/1679031548301-h9MiR3mWw1.jpg?width=1200)
パソコンのウェブカメラで使用者の動きをアバターに反映させ、ライブストリームやビデオチャット、動画収録などに使用できるアプリです。VRMファイルを読み込んで自分自身のアバターを使用することができます。
VDRAW
![VDRAW](https://assets.st-note.com/img/1679031548276-q54DmmmwCu.jpg?width=1200)
PCで行っているあらゆる作業をバーチャルキャラクターの活動として表現することができるツールです。VRMファイルを読み込んで自分のアバターをすることが可能です。
VirtualCast
![VirtualCast](https://assets.st-note.com/img/1679031548235-UidTq3fuBL.jpg?width=1200)
VRヘッドセットを用いて、手軽にバーチャルキャラクター になりきって配信を行い、視聴者とコミュニケーションする ことができます。VRMファイルのモデルデータをインポート することが可能です。VRヘッドセットを持っていなくも、 PCやスマートフォンからコメントでVR空間に参加可能です。
まとめ
3Dモデルが仮想的な3D空間に現れ、そこで他者と会話したり共同作業したりゲームをするメタバースが、新しいコミュニケーション手段として大きな注目を浴びています。
また、メタバース空間に登場するためには、自分の姿の代用となるアバター(3Dモデル)を用意する必要があり、日本国内では普及しているフォーマット『VRM』をご紹介しました。
今後、市販のVRMモデルを使ってオリジナルキャラクターの作成した記録や、3Dモデルを使ってVTuberデビューしてみたなど、いろんなコンテンツを配信する予定です。