仕事を辞めて女ひとりで旅に出たら人生変わった話 【DAY2】
仕事を辞めて女ひとり旅に出ることにしました。>>DAY1はこちら
島の朝はなんとも清々しく美しいものでした。
芝生に座ってぼんやり景色を眺め、考えを手放して脳をリセット、そんな過ごし方も気持ち良さそう。
とは言いつつ、今日はガッツリ出掛けます。
ここで少し島についてお話すると、隠岐島諸島は4つの島に分かれています。これらは更に、隠岐島の島後(どうご)、中ノ島・西ノ島・知夫里島の島前(どうぜん)の2つの括りに分けられます。わたしが泊まったのは中ノ島です。
島後と島前は実は結構離れていて、高速フェリーで1時間くらいの距離があります。なので行き来するには、便数も多くはないしそこそこ大変なのですが、島前の3つの島間を行き来するフェリーは、ピーク時には10分毎くらいの間隔で出ていて、所要時間20分程度で隣の島へ行くことができます。
というわけで、フェリーに乗り、(乗るフェリーを間違えたけどまぁ何とかなった)西ノ島に着きました。
西ノ島でのお目当ては通天橋(つうてんきょう)や観音岩のある国賀海岸。
車で17分なら自転車だと40分くらいかかりそう。時刻は9時前で、むちゃくちゃ寒かったです。まさかここまで寒いとは思わずかなり薄着して来ちゃったので自分をうらみました。皆さん島に行くなら調整できる格好で行きましょうね…。
ちなみにコンビニなんかも無いのでカイロを買おうにも買えません。
信号もコンビニも無いけど、道は綺麗に整備されているしアップダウンも大してないので、寒い以外は快適な道のりでした。
途中までは…
急に道に泥みたいな塊がポツポツ現れ始めたので、「なんだ…?」と思っていたら道の脇に牛が大量にいました。
泥じゃない…牛のうんちだコレ!!!!
うんちを回避しながら進むというハードモードに突然変わりました。更に、目的地に近づくにつれアップダウンも激しくなり多少のうんちくらい気にしている場合ではない。
そうしてうんちロードを越えた先には…
途中寄り道をしつつも40分程で着きました。頑張って自転車を漕いできたこともあって達成感もひとしおです。
写真を撮りまくったりぼんやり景色を眺めたり遊歩道を歩いたり、1時間近くここで過ごしました。本当なら遊歩道の先にもう一つのジオスポットである摩天崖(まてんがい)という絶壁があるんですが、片道1時間掛かるらしく、フェリーの時間を考えて断念。
さて、またあのうんちロードを通って港へ戻ります。
帰りはサクサク進んで40分掛からないくらいで港に着きました。フェリーの時間まで少し時間があるけど、待合でぼんやりしてるのもな…と近くをふらついてたら地元感溢れる定食屋さんを見つけて早めのお昼に。
プッチプチでおいし〜〜い。
ここのお店では珍しくpaypayが使えました。島では電子マネーはおろかクレジットカードが使えるところもごく僅かです。ATMも中々ないので、本土で多めに降ろしてくることを強くオススメします。
次の目的地は知夫里島(ちぶりじま)です。赤壁(せきへき)という、溶岩によって赤く染まった壁を見に行きます。
直線距離だとすぐなのに、道が全然無いので回り道で、自転車だと往復で1時間20分くらいかかります。
ホテルのスタッフさんからは、「かなりアップダウンが激しい」「風が強かったら前に進めないかも」ということを事前に教えていただきました。でもわたしは西ノ島のアップダウンのあるうんちロードから無事生還したという確固たる実績があります。ちょっとくらい大丈夫でしょう。
知夫里は隠岐島諸島で1番小さな島です。港近くの住宅街を抜けるとすぐ人っこひとり居ない道に。
(不安だなあ…Googleマップのルート間違ってたらまじでどうしよう。どうしようもないけど。)
標識なんて当然ないのでこの道が正しいのかさえ分かりません。そしてしばらくすると…
またお前かー!!!!!
しかも今回は普通に道に居るし、ガン見してくる…。まあ西ノ島にも多少は居たしな、島っていうのはこんなもんなのか…?
…いやこんなもんじゃなーーい!!!!!
道の真ん中で堂々とくつろぐ牛たち。すぐ横は崖。下にはうんち。牛にやられてもし崖から落ちたとしても絶対誰にも気づかれない。
絶対こんなとこじゃ死ねない…!!
死なないよう死ぬ気で自転車を漕いで、着いた先には…
スーパーうんちロードを越えて来たんだから、ここでもゆっくりしたかったものの、すぐ後ろにこれまた牛居たんです。落ち着くこともできずサクサク帰ることにしました。
そしてまたうんちと牛を避けながら道を進み、フェリーで中ノ島に帰ってきました。なんだろうこの安心感…。
次の目的地は明屋(あきや)海岸!海に浮かぶ岩の中心にあいた穴がハートに見えるというビッグラブなスポットとのこと。
自転車だと片道40分。中ノ島はこれまでの2つの島に比べると賑わっているので、安らかな旅になりそうです。生きて帰れそう。
途中放牧ゾーンがあったものの、スーパーうんちロードでの経験のお陰もあり無事真顔で走り抜けました。慣れすぎて写真も撮ってない。
そしてお目当てのハート💓というのがこちら
岩の真ん中にあいた穴がなーんとなくハートに見えるかもしれませんね…。うんうん。
ハートを眺めつつ、道すがら買ってきたパン食べちゃおう。
このパンは道中にあった、島唯一のパン屋さん「つなかけ」で買ってきたもの。
東京に帰ればもっと美味しいパンなんてそこら中にいくらでもあるけど、そういうのとは違う美味しさでほっこりします。
贅沢な話なんだろうけど、物の溢れた東京って選択することに疲れることありません?これまでは持つことの豊かさを信じて生きてきたけど、案外そういう呪いから解放されちゃえば楽かもなあと思ったり。
疲れた身体に雄大な景色が沁みて色々考えちゃう。
ないものはない、島の「豊かさ」を実感するにつれ心が解けていく感じがしてくる。
そんなことを考えながらのんびり帰路に。ちなみにチョコパン以外に買っていたパンは全てトンビに奪われました。島ですね。
16時過ぎには部屋に帰りつき、ゴロゴロ。
ちょっと寝たり、本を読んだり、海を眺めたり。スーパーデトックス。
何に追われてるのか移動中は常に走ってるし、電車が1分遅れるだけでイライラしちゃう、そんな日常からの逃亡。
隠岐の豊かさに少しずつ心が揉みほぐされていく1日でした。まさに心のマッサージ。うん、うまいこと言った。
明日、島を出ます。