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ブルーもしくはブルー

文庫本には平成8年に初版と書かれていて、タイトルを見た瞬間からだいぶ昔からある書籍とは知っていたけれども、本の好みがだいぶ偏っている私は初めて山本文緒さんの書籍を手にとった。

この本は結婚してみて、ある意味後悔している主人公が自分の分身(ドッペルゲンガー)にあい、自分が悩んだもうひとりの男性との生活を営んでいる分身と生活を入れ替えてみるという物語。

この本を選んだ理由。最近作者がなくなったニュースは知っていて、それで特集を書店が組んでいたことも一因。あとは自分の読書傾向として、自分の心理的リハビリとして書籍を読む傾向があり、自分のあこがれを書籍で解消するという・・・。

そう、つまりは人生上のifをこの物語で体験してみたくなったのだ。

若いころ(結婚前)だったら絶対選ばないだろう本の選択(笑)

「隣の芝は青い」「ブルー(憂鬱)もしくは・・・」

物語の結末はある意味読めているような感じはするが、あえてこのif考えちゃうと思うんだなー。女性なら。結婚相手によって、結婚することによって、女性は男性以上に結構人生が変わってしまう危うさがあるから。

それがこの本のあぶり出したい本質だと思う。

それにしても、佐々木蒼子は恵まれているとは思ったけど。愛に対して一番恵まれていないとは思うけれどもあまりにも恵まれすぎ。そういう意味で最初感情移入しにくい。

ただ自分がそう思うのは現代(2021)だからだ。

女性がある程度社会進出した証のような気がする。

女性も働くのが当たり前になってきていて、あえての専業主婦を望む女性も増えている。自分も望んで仕事をしているけれども仕事をしていくこと、家庭との両立に悩んでいて、専業主婦でも、愛はなくともお金を入れてくれるATMの夫がいて、自分に付き合ってくれる不倫相手がいるなんて主人公の蒼子に「なんてご身分」だと思ってしまったのである。

自分は正社員で仕事が続けられている分、子育てや仕事にプレッシャーがあるからだ。自由にはプレッシャーがあるのだ。

最近夫が私の読書傾向を気にするようになった。

私の隠れた願望に気がついたっぽい。

でもね、結婚したら、離婚考えたり、これぐらいの悩みはみんな持つんじゃないだろうか。そんな主婦のガス抜きにいいし、男性にも読んでもらうのもいいかも。感想を聞きたい。

#読書の秋2021

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