#016:標準時間はむずかしくない
兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。
現場の管理の基本の1つに「標準時間」という考え方があります。
標準時間とは、
・決められた方法と設備を用いて
・決められた作業条件のもとで
・その仕事に要求される特定の熟練度を持った作業者が
・その仕事について訓練され、肉体的に適するようになり、
・その職務を十分に遂行できると考えられる状態で
・標準の速さで作業を行うときに
・一単位の作業量を完成するのに必要な時間
です。
しくみとしての標準時間は多くのメリットがあります。
・原価管理などの「ものさし」にすることができる。
・計画の基準として使うことで人と設備の有効活用ができる。
・その通りの時間でできるかどうかを見ることで、人財育成の目標として活用できる。
良いことばかりの標準時間なのですが、特に中小規模事業の場合では、上手に活用されていないことが多いようです。
「標準時間のしくみを活用しませんか」という提案をすると、お客さまからはこのような反応がかえってきます。
・品種数が多いので、個別に設定する手間を考えると、現実的ではない。
・正確に算出することができないから、前回実績値を使っている。
・そのときどきの状況に応じて、設備や人が変わるので、必要な時間が変わってくる。
・手作業が多く、個人差はどうしてもなくせないので、使えない。
・標準時間を設定するためには、作業研究(いわゆるタイムスタディ)が必要で、専門家がいないからできない。
お客さまのお困りごとに応じて解決策を提示させていますが、共通でこういうことは言えそうです。
➀ないよりはましと考える。管理技術全般にそういうものです。用途に応じた精度があればそれで充分です。
②答えは現場にある。タイムスタディをしなくても、現場でそのお仕事をしている方は、どの程度の時間でできるかわかっています。
③3階層で考える。「標準:理想→計画:現実→実績:結果」と考えて、計画に精度を持たせたい場合は、人や設備ごとに係数を設定し、標準にその係数をかけて、精度を上げます。
今後も、役に立つ標準時間のしくみをお客さまにお勧めすることで、実現のノウハウを蓄積していきます。
写真は、香川県三豊市にある津嶋神社さまのお祭りの風景です。年に2日だけ橋を渡っておまいりすることができます。この時だけ橋板が取り付けられます。
===誰一人取り残さない===