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#067:全体像の共有

兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。

今回は、別途ご紹介した、「お金のブロックパズル」の活用法の解説をします。

なお、この記事の記載内容は、日本キャッシュフローコーチ協会のキャッシュフローコーチ養成塾の内容をもとにしています。

なにをやるにせよ、数字を使うことは有効です。
ただし、数字を見ると、ついつい細かいところに目がいって、大切なことを忘れてしまうという弊害もあります。
そうなってしまわないように、数字と図をうまく組み合わせて使いましょう。

例えば、近い将来に市場が急拡大すると予想されるため、設備投資をしておきたいので、来年は利益を現状の2倍にする必要があるという状況になったとき、数字しかイメージがないと、
「売上高を現状の2倍にしましょう。」
みたいな議論になりかねません。2倍は大変。

お金のブロックパズルをもとに考えると、例えば、下の図のような案が出てきます。

利益2倍の実現

①営業ががんばって売上高を3%だけ上げよう。
②原材料の調達先を変えて単価を下げて、変動費を3%減らそう。(限界利益を3%増やそう。)
③期間限定で、人件費への配分(労働分配率)を3%減らそう。
と考えて、パズルにあてはめてみると、結果として利益が2倍になっています。
また、労働分配率は減ってますが、実額としての人件費は、増えています。給料が減らないので皆さん喜びます。

こういう進め方で方針を作って、そこから、個別の施策の詳細を詰めていくと、効率よく計画を作ることができます。

お金のブロックパズルの良いところは、全体像を多くの人が共有できるところです。
例えば、こんな考え方ができます。

改善の着眼点

まずは、想定する数字の初期値を各項目に入れていきます。計算をしていくと最終的に「残すお金」を算出することができます。
「残すお金」がマイナスになってしまったらその計画は成り立ちません。

「残すお金」を増やすためには、まず、限界利益をどうやって増やすかを考えます。限界利益を増やすには、売上高を増やす、変動費を減らす、固定費を減らすという3つの方法があります。

売上高=客数 x 単価 x 購入頻度
ですので、そのそれぞれをどうやって増やすかを考えます。
例えば、わかりやすく値上げで単価を上げて、お客さまが減ったとしても掛け算で増えれば結果的には売上高は増加します。

また、変動費のうち多くを占めるのは通常は材料費などの外部からの調達品ですので、仕様の見直しを行うようなことが考えられます。

固定費は、その性質から、人件費とその他の固定費に分かれます。人件費のところをあえて増加/削減の2つの矢印を表示しているのは、人件費を減らせば限界利益が増えるということだけではなく、人件費を増やす施策が他の項目の増加につながることもあるということを表現しています。
例えば、業績連動の賞与制度を取り入れることで、人件費は増加するものの、それ以上に限界利益を伸ばすようなことです。

その他の固定費は、多様なものがあります。製造業の場合、財務諸表上は製造経費と販売費に分かれていますので、このパズルで両方足してみると、問題が見えてくることもあります。

その他、残るお金を増やすためには、借入金などの資金調達手段を見直すことも有効です。

まずはとりあえず数字を入れてパズルを仮に完成させて、次は、あらためて「残すお金」の目標を決めて、そのためには、それぞれの数字をどのように設定するかを考えていけば、事業計画のできあがりです。
こういうプロセスを、関係者全員が1つのものを見ながらさっさとできることが、お金のブロックパズルのすばらしいところです。

どなたでも簡単に使える技法なのでこの記事などを参考にぜひ取り入れてください。
それに加えて、第三者の多様な知恵を入れてより良い計画にしたいというニーズがあればお声がけくださいませ。

写真は、桜満開の広島県・福山城です。新幹線の駅のすぐそばにお城があるおもしろいところです。
急に寒くなりました。ということは、少しがまんすればこういう景色を見ることができます。
===誰一人取り残さない===


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