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#070:コミュニケーションの3つの壁

兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。

今回は、良いチームを実現する上で大切なコミュニケーションの改善について書きます。
日本チームビルディング協会の考え方に、独自の解釈を加えた内容になっています。

チームは、1+1で2以上の成果を出すための器です。2以上にするためには、多様性が必要になります。同じような人たちの集まりでは、1+1を2以上にジャンプさせる知恵が出ません。

多様性がある人たちを活用する上で大切になるのがコミュニケーションです。
コミュニケーションの良さは、100%他者側からの評価になります。自分としては上手にやっているつもりでも、相手に伝わっていなかったら0点。
コミュニケーションを改善するためには、「コミュニケーションの3つの壁」を意識するとうまく行きます。

コミュニケーションの3つの壁

➀あいまい性の壁
・自分→他人:自分から他人に向けて発した内容があいまいであると、相手に正しく伝わらない。
②関係性の壁
・自分↔他人:自分と他人の間の関係が悪いと、相手が聞く体制にならない。
③存在の壁
・自分←他人:他人から見たときに、自分の存在が受け入れを許容する範囲に入っていないと、コミュニケーションをとろうという気持ちにならない。

「変えることができるのは自分だけ」とよく言われます。人間のことを考えたとき、少なくともこれは真実だと考えます。3つの壁を乗り越えるために、自分を変えるどのような行動をとれば良いかを考え、実行することが大切です。
また、人と人の間には壁があるもので、多様性の源泉は壁だと考えています。従って、壁をなくして同質になることを目指すわけではありません。

コミュニケーションの改善をお手伝いするときは、私はこのような手順をとります。

[Step1:対象となるチームと活動期間を決める]
・組織の中にはいろいろなチームがあります。そのうちのどのチームを対象にするのかで検討する内容が異なってきます。
また、いつまでにコミュニケーションを改善するのかということも明確にします。
このような問題に限らず、問題の対象がぼんやりしたまま検討を始めてしまうことがよくあります。それではうまく行きません。

[Step2:自分の現状をふりかえる]
・3つの壁の一般的な尺度に基づいて、まず、自分がどういう状態にあるのかをふりかえってみます。チームとしての現状をふりかえるための準備として、まずは自分からです。

3つの壁の一般的な尺度

[Step3:チームの現状をふりかえり、目標を設定する]
・次は、チームのメンバで話し合い、同じフォームを使って、チームとしての現時点でどういう状態になるのかをふりかえります。最低なのか平均なのかなどいろいろ考え方はありますので、チームとして合意した上で決めてください。
・次に、活動完了時点での目標の点数を設定します。行動を検討してみてから見直せばよいので、まずは、「こんなもんかな」というところで決めてください。

[Step4:ありたい状態と行動を決める]
・Step3でつけた点数を対象のチームに当てはめたときに、具体的にどういう状態になるのかを「ありたい状態」として言語化します。もともとの状態の記述は一般的なものになっていますので、自分たちのチームであればどういうことなのか、全員の頭の中に絵ができるように書いてください。チームメンバ以外の人にはさっぱりわからない内輪の表現でも全く問題ありません。
・その上で、活動期間内で具体的にどういう行動をする必要があるかを決めます。 チームとして共通の行動と、メンバそれぞれの行動が必要になりますので。まずは、チームとして全員が実施する行動を決めます。
・必要に応じて、目標点数を見直して、Step3とStep4の結果を1つにまとめて、チーム全員で共有します。 

行動計画

[Step5:個人の行動を決める]
・チーム全員としての行動に加えて、必要に応じて自分独自の行動を決めます。自分の強みを活かしてチームに貢献できることがきっとあるはずです。 ・自分として改善する行動と、他のメンバが改善するための支援をする行動があります。例えば、あいまい性であれば、前者は、「(自分が得意な)システムのことを伝えるときは伝わるように言葉を選ぶ。」であり、後者は、「チーム内で使用する用語の辞書を作る。」といった内容になるでしょう。

あとは、この行動計画が忘れられないように、定期的に実行の状況を確認します。メンバの皆さんの心から出てきた行動計画であれば忘れられることはないと信じましょう。

この手順通り実行することで、良いチームづくりの土台が出来上がります。第三者を入れることで、よりスムーズに進みますので、お気軽にお声がけください。

写真は、神戸市にある高取山からの神戸市と大阪湾の景色。ここは、街が近いのでお気に入りの場所です。
===誰一人取り残さない===

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