#073:本の紹介「プロの思考整理術」
兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。
事業のお手伝いをするとき、大切になってくるのは、人とのコミュニケーション技術です。
私が所属している日本キャッシュフローコーチ協会では、ビジョナリーコーチング(VC)という思考整理術を推奨しています。
私の師匠である日本キャッシュフローコーチ協会の和仁代表理事がご自分の経験と、世にあるさまざまなコーチング技術から、誰にでもできるように工夫したものです。
その内容は本としてまとめられています。読みやすい本ですのでぜひどうぞ。
この記事は、この「プロの思考整理術」に基づいた内容です。
日本キャッシュフローコーチ協会では、さまざまな事業支援ノウハウの相互研鑽を行っており、この思考整理術についても、協会メンバ同士で練習するような場の設定などを行っています。コミュニケーション能力が上がることに加えて、メンバが困っていることの解決ができますし、さらにメンバ同士が仲良くなるというよくできた取組みです。
下の図は、この思考整理術のポイントを整理したものです。
事実を客観的に整理することに重きをおいていることが特徴です。本格的なコーチングであれば、心の奥底まで切り込んでいくようなこともあります。しかし、そこまでできるようになるためにはかなりのトレーニングが必要になります。この思考整理術は、コーチングの専門家でない人でも、比較的短時間のトレーニングで、それなりに実用になるというところがポイントです。
手順は、4つのステップから構成されています。
➀タイトルを決める
・何を整理するのか対象を明確にします。当たり前に感じるでしょう。しかし、普段、どなたかと相談する際に、対象が何なのかを明確にしないまま進めていることが多いはずです。
・また、いろいろやりとりをした上で、決めるときは、相手の方にご自分の言葉で言語化してもらいます。これで、当事者意識を確認することができます。
・後で見直しすることもかまわないので、しっくりした言葉が見つからなければ、仮決めで次に行きます。
②現状を知る
・対象が何なのかを共有します。あくまでも答えを出すことが大切なので、必要最小限の内容にとどめます。
・話を聞いていると、答えらしきものを思いついたり、自分の経験を話したくなったりします。しかし、それは時間のムダになることが多いので、じっとがまん。
③理想を描く
・ありたい姿を具体的に定義します。制約を取り外して考えてもらいましょう。
・内容が具体的になりにくいときは、○年○月のように、その状態になってほしい期限を決めると良いです。
④条件を探す
・理想と現状の差を埋めるための方法を考えます。
・行動まで落とし込み、誰がいつ何をするかまで明確にします。なお、時間の関係などでそこまでさまざまな検討ができないときは、まず、最初に、どういう行動をいつまでにするかをはっきりします。これがないと、せっかく話をした時間がムダになってしまいます。
思考整理のお手伝いをするときは、このようなコツがあります。
➀自分の価値
・生物の生存本能のためか、弱いところに意識が行きがちです。何かを実現するためには、強みを活かすことが近道で、かつ、効果が大きいので、何かをやろうというときには、強みを意識しましょう。
②発想
・何かを考えるときには、どうしても目の前のことにひっぱられがちです。気持ちを遠くに持って行くことで、良い思考を行うには、極端な仮定を設けて、発想を変えてみることが有効です。
③視点
・同じ物事でも、どこから見るかで見え方が変わります。操作レバーを動かすイメージで抽象度を上げ下げする、具体的にする↔抽象的にすることで、新たな発想ができることがあります。
④数字で表現
・現状と理想の差から考えようとするときは、現状を数値で表現してみると、考えやすくなります。
現状を数値で表現するとどうなるかという問いに、「10点満点で8点」という反応が返ってきたら、「残りの2点は何ですか」と聞いてみると、具体的なアイデアが出てくるかもしれません。
⑤トゲ
・滑り台に「トゲ」があったら怖くて滑ることができません。なかなか行動してくれないという場合には、相手の方には何か「トゲ」が見えていることがあります。それが何か、どうすれば抜くことができるかをいっしょに考えてみたら行動が加速されます。
⑥コスパ
・強みを見つける時に、金銭価値に変換してみると分かりやすく整理ができることがあります。
⑦共有の拡大
・思考整理を少なくとも2人でやっている想定なので2人の知恵は有効活用されています。人数が多い方が良い考えが出る可能性がありますので、人を増やすことが有効な場合もあります。
・人数が増えてもこの思考整理術は使えますし、やり方として簡単なので、多人数でもすぐに活用ができます。例えば、日本キャッシュフローコーチ協会のメンバが何人か集まったときは、この思考整理術を活用した対話がすぐにはじまります。
思考整理術は、簡単でありながら効果が大きいものです。ぜひご活用ください。
なお、実際に経験してみたい、適切な対話の相手がいないということであれば、お気軽にお声がけください。初回相談は無料です。
写真は、淡路島にあるラジオ関西淡路送信所。高さ135mで、左側の塔は東経135度線上に立っています。
1月は、高速道路から見るとこういう景色になります。
===誰一人取り残さない===