デザインの未来を切り開くFigma×AI 〜革新を生むデザインとは?〜
こんにちは!シナジーマーケティングでデザイナーをしている北村です。
7月4日に開催された「Figma Changing Perspective」というイベントに参加しました。
各プレゼンテーションのレポートと、わたしなりに感じたことを含め、みなさんにシェアしようと思います。Figmaに興味がある方にぜひ読んでいただけると嬉しいです。
では、早速本編へいってみましょう。
オープニング
会場は、GINZASIXの地下1階にある能舞台でした。
現地へ到着するとFigmaオリジナルのうちわ、バッチ、お水をいただきました。会場は満員で熱気を感じながらも、涼むことができたので粋な心遣いですね。能舞台にプロジェクションマッピングが投影され、ここでしか見れない伝統と現代の融合を感じることができ、感無量でした。
Figma Japanは、2022年に設立され「想像と現実のギャップをなくすこと」を目指して設立されました。Figmaは誰にとっても身近なデザインを提供するという理念を掲げています。本記事では、4人のプレゼンテーターのお話を抜粋して私なりにレポートします。
主にこのようなテーマでお話されていました。
1.FigmaxAI
2.デザインシステムの再考
3.価値を届けるためのN=1の文脈デザイン
4.生成AI
1. Figma×AI
Figmaの最新アップデートでは、デザインとAIの融合による新たな可能性が示されました。
アイデアをデザイン化(具体化)する難しさ
時間の制約
アイデアが理想通りに実現しない
といった現代のデザイナーが直面する課題に対し、AIは様々な解決策を提案します、ということです。具体例をデモンストレーションをしながらお話していただきました。
単純作業からの解放
AIの機能により単純作業がなくなり、高速アウトプットできるようになるのかなという印象でした。
例えば、
スクリーンショットから編集可能がデータを作成
ダミーテキストの自動コンテンツ置き換え
レイヤーのリネーム自動化
などです。手作業で長時間やっていたことがなくなり、オリジナルの細部に専念できるという所感です。
2. デザインシステムの再考
登壇者の佐藤さんは、株式会社シークレットラボでデザイン戦略のコンサルティングをしています。企業のデザインシステムの課題解決を多く経験された中で、共通の課題があったそうです。
デザインシステムの再考では、現場での課題が浮き彫りになったり、多くの企業がデザインシステムを導入する中で、システム設計が複雑化し、必ずしも作業効率が向上しないケースもあるようです。自社の体制×対象サービスを考慮し、各組織に適切な成熟モデルを選定、予算化計画することが重要ということです。
印象に残った言葉
デザインシステムは作ったら終わりではなく、維持して運用できる体制を組織の中に創ること
最初のコンポーネントはボタンではなく、一番使われているものから始める(ボタンは一番よく使われるからこそ一番難しい)
全てをゼロから作ろうとしない
全てを今解決しようとしない。後継者や未来に残す
早い段階からエンジニア(開発チーム)を巻き込む
社内よりも社外。社外への布教活動や勉強会に力を入れる
3. 価値を届けるためのN=1の文脈デザイン
このテーマの登壇者、蓑毛さんは株式会社スマイルズ クリエイティブ本部のPRを担当されており、N=1というスマイルズ独自の新マーケティング論についてのお話の中では
とのことでした。この視点は、顧客アンケートや事業主体者のアイデアよりも、確実に存在する「自分事」としてのストーリーに基づくため、より実感のあるデザインを生み出すことができるということです。
N=1起点で出来上がったブランドサービスは、特にコンセプトにオリジナリティを感じました。例えば、スマイルズ×コクヨで共催された蚤の市のイベント「PASS THE BATON MARKET」や入場料がある本屋「文喫」といった事例など、出し手と受け手の文脈を紡ぎながら、ブランドサービスを作り上げています。
4. 生成AI
みなさん、生成AIはどういうしくみだと思いますか?
生成とは「Generative」という意味であり生物の繁殖、既知の何かという意味です。
生成AIとは、次に来る単語として、もっともらしい単語を学ぶしくみで、それっぽさを再生産し、デザイナーの創造性をサポートするとのことでした。
アーティストかつ研究者である徳井さんによると、生成AIはそれっぽさの高速で低コストそれっぽさを実現する一方で、変革的なデザインを生み出すことは難しいとのことでした。
生成AIを生かすためには、DJのように、プロンプト・エンジニアリングを組み合わせ、人間が取捨選択をすることで、新しい表現が可能になるとのことです。
実際の例を挙げると、徳井さんは音楽生成AI「Neutone Morpho」を研究開発しており、環境音や人間の声を楽器として出力することができ「AIツールは誤用可能な楽器みたいになる」と話されていたのが未来的でワクワクしました。
まとめ
今回のイベントではFigmaのAI機能のアップデートと革新を生むデザインが議論されました。イベント全体を通して様々なデザインの視点がアップデートされたと思います。
私は各スピーカーから改めてクリエイターとして表現の楽しさを肌で感じることができました。
これからはAIがデザイナーに取って代わる時代と言われています。
私たちデザイナーはAIとどう付き合っていけばいいのか?真剣に考えることができました。みなさんは将来どんなデザイナーになりたいですか?
今後のFigma Japanのイベントが楽しみです!