金融ソリューション「Bank Up Plus」ロゴデザイン奮闘記
こんにちは、シナジーマーケティング株式会社のデザイナー瀬戸です!
7月に当社の金融ソリューション事業部で新たに「Bank Up Plus(バンクアッププラス)」の提供を開始しました。
「Bank Up Plus」は、金融業界向けのトータルソリューションです。Synergy!の提供をはじめ、Webサイトやアプリの構築、システム連携、デジタルマーケティング施策の立案、そしてデジタル人材の育成といった多岐にわたる支援を行います。
その中で、クリエイティブデザイングループでは「Bank Up Plus」のブランドロゴを制作しました。今回は、その制作プロセスについてご紹介いたします。
制作の流れ
step1:事業責任者からヒアリング
step2:ロゴのラフ案を制作
step3:社内プレゼンテーション
step4:フィードバック
step5:修正・fix
step6:ガイドラインを作成
step1:事業責任者からヒアリング
まず、「Bank Up Plus」の責任者からソリューションの概要や課題・目的をインプットいただきました。金融業界の課題やニーズ、当社の独自性や意気込みなど、詳しく聞きました。
普段は金融事業に直接関わることが少ないので、このヒアリングは非常に貴重な機会でした。ここでのインプットがロゴのアウトプットに大きく影響してくるため、改めて事業理解の大切さを感じました。
step2:ロゴのラフ案を制作
ヒアリング内容をもとにロゴ制作に着手しました。
まず最初に取り組んだのは、ブランド名の英語表記の確定です。「バンクアッププラス」という名称は既に決まっていましたが、英語表記については確定しておらず、ロゴを作成するにあたり、まずこの表記を固める必要がありました。
検討した表記案は次の3つです。
表記案1:Bank Up Plus
表記案2:Bank Up PLUS
表記案3:Bank UP+
表記案2や3の場合、「バンクアップ」という既存サービスの上位互換として「バンクアッププラス」のように見える懸念がありました。例えば、「iPhone Plus」のような見え方ですね。これらの理由から、一続きに見える表記である表記案1の「Bank Up Plus」を採用することに決めました。
英語表記が決まったので、次はロゴマークとロゴタイプ(フォント)の検討に入ります。
ノートに走り書きしながらイメージを膨らませていきます。
方向性が異なるものを4案を作成しました。
A案
B案
C案
D案
step3:社内プレゼンテーション
制作したラフ案を社内でプレゼンテーションしました。事業責任者や関係者に対して、各ラフ案のコンセプトとデザイン意図を説明し、ざっくばらんに意見をいただきました。
実際にいただいたフィードバック(抜粋)
「C案かD案が良さそう」
「C案の+記号は不要」
「D案は【Bank Up Plus】をストレートに表現しており、わかりやすい」
「D案の矢印表現は、他社サービスのロゴに似ているため、避けたい」
他社サービスロゴとの類似性の指摘は、リサーチ不足だったと反省…。
結局、この場では案を絞り込むことはできず、後日改めてフィードバックをいただくことになりました。
step4:フィードバック
数日後、事業責任者からフィードバックをもらいました。
C案の方向性で調整を加えることになりました。
実際にいただいたフィードバック(抜粋)
「ロゴマークの形状がハニカム構造で安定しており、良い印象がある」
「ロゴの空白スペースが縦に入っているが、横の方が手を重ねる温かいイメージになるので良いのでは。温かさは本ソリューションが大切にしている価値観」
「フォントはD案のカッチリした書体が金融機関らしくて良い」
「色は赤や青などの意見もあったが、特定の金融機関を想起させるのは良くない。当社としては中立の立場でいたい。オレンジであれば中立感がある。」
特に、色味についての指摘には納得させられました。金融機関の色として赤、青、緑などの原色をイメージしており、それをロゴに取り入れていましたが、これらの原色は特定のメガバンクを連想させ、他の金融機関には悪い印象を与える可能性があるとのことでした。
私は普段、金融機関を利用する立場ですが、今回のブランドロゴの制作では、利用者視点ではなく、サービス提供者としての多面的な視点が求められることを実感しました。
step5:修正・fix
フィードバックをもとに調整しました。
色味、文字間やスペーシングなども細かく調整しています。
メンバーからの合意が得られ、これで無事fixとなりました。
さまざまな意見をいただけたことで、ラフ案よりもぐっと洗練されたロゴになりました!
step6:ガイドラインを作成
ロゴを適切に使用し、一貫したブランドイメージを提供するため、ガイドラインを作成しました。
さいごに
普段は金融機関に利用者として関わることが多いですが、今回のロゴ制作ではサービス提供者として多角的な視点が必要で、その過程で金融業界のニーズや課題に対する理解が深まり、とてもよい経験ができました。
ロゴ制作は単に見た目のデザインにとどまらず、ブランド価値を具体化し、新たな顧客体験を提供するための重要な一歩として位置づけられます。
さまざまなフィードバックをいただけたことで、市場調査や競合分析の重要性も強く感じました。
また、色彩やフォント選びにおいても、顧客に与える印象を慎重に考慮する必要があることを再認識しました。
この経験を日々の業務に活かし、さらに良いデザインを提供していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。