Unnatural Horic for good.
ノア:子育てアンドロイドに愛されている12歳の少年。
エマ:恋を知ったアンドロイド。
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ノア:これを、エマにあげる。
ノア:エマ、もらって?
エマ:これは一人の少年と、恋を知ったアンドロイド、私、エマの話。
【間】
ノア:おはよう、エマ!
ノア:今日は早く起きたから、エマを起こしに来たよ?
エマ:おはようございます、ノア様。
ノア:ふふふ、エマ、おはよう!
ノア:今日は僕が朝食を作ったんだ!
ノア:エマは食べられないけど……その代わりに、良いエネルギーを貰って来たんだ!
ノア:良かったら後で補給して?
エマ:ありがとうございます、ノア様。
エマ:今日はホワイトデーですね、ノア様。
ノア:(そわそわしながら)あー……そうだね。
ノア:プレゼントはちょっと待っててくれるかな?
ノア:エマが使えるものを渡したくて……悩んでるんだ。
エマ:私は何もいりません。
エマ:ノア様、あなたさえ居れば。
ノア:そうなの?
エマ:はい。
ノア:ふふふ、やっぱりエマは優しくて大好きだ!
エマ:私もですよ、ノア様。
エマ:ノア様、今日はデートしませんか?
ノア:デ、デート?
エマ:はい、デートです。
エマ:バレンタイン以降、何もありませんでしたので、寂しい気がします。
エマ:ノア様、私と出かけるの……恥ずかしいですか?
ノア:そんな!僕は全然!!
ノア:(愛しそうに)……嬉しいよ、エマ。
エマ:ならば、早く起きて準備しなければ。
エマ:少々お待ちを。
ノア:エマ!待って!!僕居るのに服脱がないで!!
ノア:先に外で待ってるから!!
エマ:承知致しました。
【間】
エマ:お待たせ致しました。
エマ:ノア様とデートなので、少し気合を入れてみました。
エマ:如何でしょうか?
ノア:……凄い綺麗だよ、エマ。
エマ:有難き幸せでございます。
ノア:何だか見違えちゃったなぁ……。
ノア:エマ、綺麗だ……本当に……。
エマ:何でしょう、少し恥ずかしいです。
ノア:エマにも照れる感情が沸いて来たのかぁ。
ノア:ふふふっ!
ノア:あ、エマ!今日は何処に行きたい?公園?
エマ:今日は町に行きたいです。
ノア:町か……、エマは何か見たいモノあるの?
エマ:髪留めを……。
ノア:髪留めか……確かにエマ、いつも髪留めしてるもんね。
エマ:はい。しかし、お気に入りの髪留めが壊れてしまって……。
エマ:奥様からノア様が生まれた時に頂いたモノなのですが……使い過ぎたようです。
ノア:僕が生まれた時のか!凄いね!!
エマ:大事に使っていたのですが……壊れてしまいました。
エマ:奥様が新しいのを買いなさい、と仰って下さったので。
エマ:ご厚意に甘えることに致しました。
ノア:それが良いよ!
エマ:では、ノア様、町までは馬車に乗って行きますから……足元、気をつけて。
ノア:うん!
【間】
ノア:エマ!この髪留めどう?
ノア:あー、でもこれも良いなぁ!
エマ:こんなにあると迷ってしまいます。
ノア:あー、僕がお金持ちだったら、全部買ってあげるのに!!
エマ:あ……。
ノア:エマ?どうしたの?
エマ:いえ、この髪留め……コーラルが美しくて……つい魅入ってしまいました。
ノア:本当だ!この珊瑚、綺麗だね?
ノア:エマ?これ欲しい?
エマ:はい。
ノア:なら、これ下さい。
ノア:ありがとう!そのまま頂戴!
ノア:彼女にあげるんだ!
エマ:ノア様、ありがとうございます。
ノア:良いんだよ、エマ!
ノア:ほら、エマ……つけてあげる!
エマ:あ……。
ノア:綺麗だ……エマの黒髪に赤い珊瑚が映えるね?
エマ:胸が……。
ノア:ん?
エマ:胸が……ドキドキします。
エマ:エネルギー切れでしょうか……?
ノア:エマ、それは嬉しいって言うドキドキだよ!
ノア:もっとドキドキして欲しいな……エマ。
エマ:ドキドキ……。
エマ:(少し考える様に)……キスしますか?
ノア:は?
エマ:キス、しますか?
ノア:え?あの、ちょっと……。
エマ:もっとドキドキしたいです。
ノア:エマ……ん!?
ノア:……やったな……エマ……。
エマ:ドキドキしました。
ノア:もう……人が見てるのに!
ノア:……ねぇ、エマ。
エマ:はい。
ノア:珊瑚の石言葉、知ってる?
エマ:はい、存じております。
エマ:私はそれを知っているから、この珊瑚を選びました。
ノア:そっか……。
エマ:長寿、幸福。
エマ:私は少しでも長く、ノア様にお仕いできれば……と思っているので。
エマ:ノア様、私はあなたを愛しています。
ノア:エマ……僕もだよ。
ノア:愛してる……。
エマ:唇が触れ合う。
エマ:風の音が私たちを包み、より私を人間に近づけるのだった。
Unnatural Horic.のエマ目線でした!