見出し画像

展望: 2024 J2 第34節 水戸 vs 清水

先週末に行われた国立での首位決戦はなんだか遠い昔のように感じますね。J2歴史上最高記録となる55,598人が集結し、まさに一大イベントとなりあした。試合内容も、それぞれ対極ともいえる異なる戦術同士の首位決戦ということもあり、J2とは思えないほど高いレベルで時間が過ぎるのがあっという間でした。国立で勝ちロコをしたかった気持ちは今でも強いですが、先制を取られた中で、守備の固い横浜FCから同点ゴールをもぎ取った点、また首位の地位を堅持して、自力優勝を可能とした点は評価に値するでしょう。
それにしても横浜FCは強かった。四方田監督の組織的で強度の高い守備サッカーに、福森(+中村俊輔コーチ)という飛び道具が加わり、そこにまさに適材適所に人が配置される。例えば右トップ下のカプリーニも嫌な選手でしたが、そこにまさに戦術を体現するジョアン・パウロを補強して前回対戦時よりも上積みがありました。3CB、Wボランチ、右サイドはJ2でも最高レベルでしょう。これでトップに小森、左サイドに新保あたりがいたら、もう手が付けらえないレベルになりますね。
横浜FCとは良いライバル関係を築けそうなので、来年以降はずっとJ1で戦いたいですね。
それにしても、清水の応援はすごかった。最初のアップ時のチャントで鳥肌立ちまくりでした。またドローンやブンブンジャーなど興行的にも素晴らしく、大成功のイベントになったと思います。
さて、思い出話は別として、今週末日曜日のアウェイ水戸戦について展望を書きたいと思います。

水戸とのこれまでの対戦成績は?

水戸は、以前秋葉監督が指揮をとり、その際にジェラや松崎も所属していたことから縁の深い相手といえます。また昨年の最終節のアウェイ水戸戦のドローは、勝ち点1、得点1でJ1昇格を逃した、辛い記憶として、清水サポの胸に刻まれています。

昨季の最終節水戸戦での唯一残っている写真

そして、あの時、引き分けの時点で守りに入り、時間稼ぎをした水戸の戦い方。そして試合終了後の水戸サポからの煽りについてはまだ許せていません。
こちらがその試合のハイライト動画です。(私は見ていません)

今年の前半の第17節ホーム水戸戦は、矢島の美しいフリーキックで先制したものの、すぐに相手ボランチの長井にセットプレーのセカンドチャンスからミドルシュートを決められて同点に追いつかれます。ただ後半早々にこの試合先発起用した白崎が、原のクロスからヘディングによる値千金のヘディングゴール。これを守り切り辛くも2-1で逃げ切りました。
こちらがハイライト動画になります。

またでしnoteはこちらです。

勝つことはできたのですが、この試合で、昨年の悔しさが晴れたという清水サポはあまりいないように思います。昨年と同じく、水戸のケーズデンキスタジアムで水戸に勝ってこそでしょう。今回も奇しくもJ1昇格のかかる試合。絶対に勝ちたい試合になります。
過去の試合も含めた通算成績は、清水の4勝3分。清水は水戸に負けたことがありません。

水戸の今季の成績は?

現在水戸は10勝9分14敗で勝ち点39で15位。

10/4時点のJ2順位表

降格圏の18位の栃木とは勝ち点差9、PO圏の6位千葉とは勝ち点差13と、降格も昇格もなさそうな中途半端な位置にいます。ただ残留に関してはまだ確定はしておらず、水戸としては清水に勝ち点1でもいいから積み増したい考えでしょうか。
これまでの戦績は以下の通り。

水戸の第33節までの成績

水戸は5/9付で森監督が指揮を執ることになりましたが、7月の中断期間前後で選手を複数補強し、またシステムも4-4-1から3-4-2-1に変更。森新監督のやりたいサッカーに変わってきていると思います。特に中断明けの8月以降は、長崎に勝つなど、9試合で5勝1分3敗と勝ち越している状況。9月に入ってからは1勝1分2敗と苦戦しています。

水戸の今季のスタッツは?

今季の水戸のスタッツを見てみましょう。

水戸の得点・失点関連のスタッツ

得点がリーグ14位、失点がリーグ12位ということで、得点力のなさに苦しんでいるようです。シュート成功率が低いことから、苦しい形でのシュートが多いということでしょう。

水戸のチームスタッツ

全体のスタッツとしても、ボール保持率は14位、パス・クロスは16位と、繋ぐようなチームではありません。クリアやインターセプトの数は多く、アグレッシブに守備をしてボールを長く蹴り出すということが多いのかもしれないですね。

水戸の戦術・戦い方は?

さて、水戸の戦術・戦いについて。現在のシステム・スタメンと、前回対戦時のものを比べてみましょう。

前節の水戸のスタメン
前回対戦時の水戸のスタメン

システムは4-4-2から、3-4-2-1に変更され、メンバーは半数以上の6名が入れ替わっています。高木選手と激しい1vs1を繰り広げた寺沼選手は残念ながら右膝十字靭帯損傷の大けがをしてしまい戦線を離脱。また17番長澤、47番櫻井、GKの21番松原、スーパーサブ的使われ方をしている99番中島は6-7月に移籍で獲得。全く違うチームになっています。
清水との前回対戦時は4-4-2で、前線の高い位置から猛烈なプレスを仕掛けてくるチームでした。ボール奪取位置も44m以上と非常に高かった。ただ最近の複数ハイライトを見ている限りでは、その戦い方ではなく、守備時は3バックから5バック、時にはボランチが落ちて6バックでブロックを組んで守るやり方に変えているように思います。
前線にはフィジカルが強く、ポストプレーに長けた久保を置いて、トップ下にドリブラーの草野と甲田。両サイドにスピードと運動量のある新井と長澤を置くという戦い方。スタッツを見る限りでは、パスで丁寧に繋ぐというよりも、中盤を省略してトップやワイドに展開し、速い攻撃をするサッカーかなと思います。
また守備については、失点シーンを見る限り、押し込まれると、最終ラインがGKのところまで下がってしまう傾向があります。よってPA内に押し込まれて、そこでヘディングを合わされたり、フェイントやパス交換で隙を作って決められたりするケースが多い。
ボールを保持して、簡単にシュートを打たずに、崩していくスタイルの清水とは相性が良いと思います。

水戸の予想スタメンと注目選手は?

ここ3試合はスタメンを1名ずつのみ代えて、ほぼ固定メンバーで戦っているので、同じようなメンバーになることを想定しています。前節がアウェイとはいえ鹿児島に3-0の大敗を喫しているので代えてくるかもしれませんが。

水戸の予想スタメン

注目選手は、まずは前回対戦の際に清水から同点ゴールを奪った88番の長井選手。前回対戦時はボランチのポジションでしたが、現在は右CBとして出場することが多いです。積極的なオーバーラップにも注意ですね。

前回清水からゴールを奪った長井選手

次に、6月末に鳥栖からレンタル移籍で獲得した長澤シヴァタファリ選手。ハーフの選手特有の身体能力の高さと、ブラガのような姿勢の良いドリブルで右サイドの脅威になります。

鳥栖より加入した長澤選手

最後に、1トップの位置に入る久保征一郎選手。現在5得点でチーム得点王であり、7月に入籍もして公私ともに充実しているようです。

鳥栖のエース久保選手

清水の予想スタメン・サブは?

さて、清水ですが、前回の国立から中7日とリフレッシュは十分。報道によりコンディション不良の選手がいたり、選手の離脱という残念なニュースはありましたが、残り5試合、優勝に向けてチーム一丸で戦ってくれるでしょう。
藤枝や横浜FCに対しては、相手の5トップに対抗して、右サイドに西澤を入れることで4-2-3-1と3-4-2-1の可変システムを採用しましたが、特に横浜FC戦はそれによって後手に回ってしまった面もありました。
また水戸戦はシステムこそ藤枝・横浜FCと同じですが、完成度はそれほど高くなく、コンパクトさにも欠けます。4節前に清水と同じく4-2-3-1で戦う千葉が4-0で水戸に大勝していることを考えても、相性も悪くない。
このことから、清水は、乾システムである、4-2-3-1をこの試合はぶつけてくると予想します。予想スタメンとサブは以下になります。

清水の予想スタメン

そしてサブには、GK沖、DF蓮川、北爪、MF宇野、矢島、FWアジズ、タンキが入ると予想します。個人的には水戸が古巣となる松崎や、最近メンバー入りしていない吉田、キルギス帰りの西原の復帰も期待していますがどうなるでしょうか。
相方のスタメン予想はこちらです。アジズはスタメンに起用するという大胆な采配。カルリとブラガは可変だそうです。

相方のスタメン予想

清水はどう戦うか?

清水としては、この試合は昨年のリベンジということもあり、序盤からアグレッシブに行って欲しいです。相手のホームですし、国立ような数のサポーターは集まらないと思いますが、それでも現地に行くサポーターは水戸に負けない声を出すと思いますので。必ず出だしからハードワークして、相手をひるませ、ラインを下げさせて、押し込んで欲しい。その状態で粘り強く、ポケットを取る、裏に抜ける、グラウンダーでマイナス気味のクロスをする、ドリブルで仕掛ける、ということをすれば必ずチャンスは生まれます。
守備に関しても、ジェラと高木践の異なるタイプのコンビに期待したいです。ジェラが相手の久保をしっかりと押さえて、高木が裏やこぼれ球のケアをする。こうした役割分担をする上でこの二人は良い相性だと思います。
是非勝って、去年の借りを返しましょう!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?