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展望: 2024 J2 第3節 長崎 vs 清水


はじめに

3/10(日)のアウェイ長崎戦について展望を書いていきます。
清水は開幕2連勝で良い流れでアウェイ長崎戦を迎えます。対する長崎は初戦はアウェイで藤枝にスコアレスドロー、ホーム開幕戦は仙台に対して1-2の敗戦となりました。水曜日に行われたルヴァンカップの1回戦、アウェイ愛媛戦では、メンバーの入れ替えはありましたが、延長戦にもつれ込む120分の死闘を4-3で制し、今季初勝利をあげています。
ルヴァンカップで長崎が延長戦で負けていれば、愛媛の遠征後中3日間で迎える清水戦は、肉体的・精神的なコンディションの面から、清水有利と言えました。ところが、長崎が今季初勝利を収めたことで、選手のモチベーションは高くなり、シーズン序盤でもあり疲労の蓄積は限定的であることから、清水側にアドバンテージがあるとは言い難いかなと思います。

今季の長崎はどんなチーム?

それではまず今季のV・ファーレン長崎がどのようなチームか見ていきましょう。

10月オープン予定のサッカー専用スタジアム「PEACE STADIUM」

長崎は、今年10月に新スタジアム完成が控えており、またJapanetのバックアップにより資金も豊富で、J2でも屈指の戦力を誇ります。昨季後半にファビオ・カリーレ前監督の意向でブラジル国籍の選手を複数獲得し、今季のJ1昇格に向けて準備を進めていました。でし的にも、J1昇格争いのライバルの1つ、少なくともPO圏内には確実に来るだろうと予想をしていました。
一方で、オフに、ファビオ・カリーレ監督のサントスFCへの電撃移籍・二重契約問題が発生し、急遽下平監督が就任。下平監督は前監督時代に不遇の扱いを受けていた選手も含めて、ゼロベースでチームを再構築しています。結果的に、メンバーはまだ固定されておらず、探りながらの、ここまで1勝1敗1分。スタートダッシュとはなりませんでしたが、この3試合で、チームの形が見えつつあると思います。

オフにおける移籍情報

まずはオフの移籍情報を見ていきましょう。

2024オフシーズンの長崎の移籍情報

大きな流出はなく、外国籍選手は既に、昨年シーズン中に複数加入がありましたので、即戦力となる日本人選手をJ1・J2クラブから獲得しています。中でも、FC東京に移籍した波多野の穴埋めとして京都サンガから獲得した若原選手、柏レイソルから獲得したU-20代表の田中選手、名古屋グランパスから完全移籍で獲得した山田陸選手は、J1のチームから出場機会を求めての移籍であり、活躍が期待されますね。

今季のこれまでの各選手の出場時間

次にスタメンを予想する前に、今季のこれまでの3試合の出場選手及び出場時間を見てみましょう。

V・ファーレン長崎の2024シーズンこれまでの出場記録

これまでに21選手が出場しています。水曜日のルヴァンカップが120分間の延長になったことから、選手の出場時間も長くなっており、21選手中17選手が愛媛戦出場12選手が全試合出場、新加入の田中選手に至っては、3試合共にフル出場になっています。
ルヴァンカップの愛媛戦では、DFの田中選手、ボランチの山田選手以外は、第2節の仙台戦からスタメンを入れ替えていますが、第2節で途中出場したマテウスマルコスエジガルジュニオ澤田選手松澤選手が先発。更には後半から米田選手加藤選手秋野選手笠柳選手フアンマ、延長から増山選手も出場し、延長にもつれ込んだこともあり総力戦になりました。

清水戦の長崎の予想スタメンは?

上記のように、まだ選手が固定されていない中で、多くの選手が出場機会を得ており、またJ2の先発組よりも、サブ組やルヴァンカップ先発組の方が、動きが良く見えましたので、ここまで難しいスタメン予想は正直ないです。
なので、もし「でし」が長崎の監督だったら、ということでスタメンを選んでみたいと思います。つまり清水からしても一番嫌なイレブンを選ぶという意味合いです。「でし」が選ぶ長崎のスタメンは以下の通りです。

長崎予想スタメン

はい。正直強いです。
GKは原田か若原ですが、J2リーグで2戦スタメンの原田を選択。
DFラインは3試合フル出場の若きDFリーダー田中を中心に、仙台戦同様、新井・米田に、右サイドはSBが本職の飯尾を起用。
キーとなるボランチは、第2節の後半とルヴァンカップで本来のポジション輝きを放った名古屋から移籍した山田陸。そのコンビには、J1級のフィジカル、豊富な運動量、左足のキック精度を誇り、愛媛戦ではその左足から2ゴールを決めたマテウス・ジェズスを起用。
両WGは、攻撃的な選手を配置。右WGはスピードのあるマルコス・ギリェルメ。左WGに2年目ながら、ドリブル技術が非常に高い松澤
トップ下には元清水で、スピード・運動量を兼ね備え、フアンマの傍で衛星のような働きのできる澤田
トップには昨年のJ2得点王で、PKながら愛媛戦で今季初ゴールを決めて、今後のゴール量産が期待されるフアンマを配置。
仙台戦は中盤を逆三角形でアンカーの位置に秋野、トップ下に名倉・加藤を置く形でしたが、秋野が相手の2トップにマークされ、ボールをなかなか受けられませんでした。また中盤の名倉・加藤と、フアンマの距離が離れて孤立したことから、4-1-4-1ではなく、愛媛戦で機能したWボランチの4-2-3-1の方がフィットするように思います。
トップには、フアンマの他にもエジガル・ジュニオがいます。非常に力のあるボックス型のストライカーで、後半にフアンマ→エジガルの交代により違った攻撃の形を作り出せる点は要注意です。

長崎の戦術は?

攻撃においては、最終ラインから丁寧にビルドアップをしてアンカーの選手が配給役となって、ピッチを広く使いサイドに大きく張った両翼のWGがドリブルで仕掛けてサイドからのクロスを上げ中盤の選手及びセンターフォワードがゴール前に走り込み、フィニッシュを狙うというのが長崎の攻撃の形です。攻撃面では、特徴のある選手が多いため、チームとしてやることが明確な印象があります。
第2節の仙台戦では、秋野がアンカーに入る逆三角形の中盤でしたが、仙台の2トップが、長崎の2CBのマークは基本放棄して、秋野に入らないように挟み込むようにタイトにマークをしました。長崎は両センターバックが、パス配給役の秋野になかなかボールを入れることができず、CB間でのパス交換が多くなってしまい、ビルドアップに苦戦しました。下記のパスソナーにある通り、長崎の2CBの間でのパス交換が多くなっていますね。

仙台戦パスソナー

結果、前線にボールが入らず、下記のスタッツにある通り、シュート数が前後半でわずか6本と攻めあぐねてしまいました。(確か前半は0か1本だったはず)

長崎 vs 仙台のスタッツ

仙台戦の後半は、山田陸をボランチに上げて、マルコスを投入してWボランチにしてビルドアップは改善しました。
ルヴァンカップの愛媛戦は、同じく、Wボランチに山田陸とマテウスが入ったのと、より長いパスを多用してきたことで、攻撃面はだいぶよくなりました。実際にシュート数が120分間で18本と増えています。
清水にとっても前線からプレスをかけて試合の主導権を握るチャンスはあります。一方でCFのフアンマは高さ・フィジカルがあり、清水戦はプレスを避けるためにロングボールを多めに蹴ってくる可能性もあります。ここは相手の出方に注意が必要です。
守備については、最近2試合で5失点とまだまだ課題が多い印象です。セットプレーはゾーンで守るため、相手をフリーにするシーンもまだまだ多くありましたし、マテウスや両SBが積極的にオーバーラップするため、中盤でボールを奪うことができれば、カウンターのチャンスにもなりやすいです。清水としても、前線のプレスからショートカウンターを狙っていきたいですね。

清水は長崎に対してどう戦うべきか?

次に、長崎戦に向けて、清水の予想スタメン・サブ、及び戦い方について考えてみましょう。

清水の長崎戦の予想スタメンは?

まずスタメンです。勝っているチームはいじらないが原則であるため、熊本戦・愛媛戦から大きな変更はないでしょう。但し、事前の報道で、原選手が怪我かもしれないということで、右SBは北爪選手が入る可能性が高いです。
清水の長崎戦のスタメン予想は以下の通りです。

長崎戦の予想スタメン

北爪選手は、スピードに優れており、左利きの松崎選手がインサイドに、右利きの北爪選手が大外を追い越すような連携が期待できます。活躍に期待しましょう。

ベンチ入りメンバーはどうなるか?

続いて、ベンチ入りメンバー7名の予想です。参考になるのは、愛媛戦の翌日に行われた、TMの名古屋戦のメンバーです。スタメン及び交代選手についてみていきましょう。

TM名古屋戦のメンバー

試合内容は公開されていませんが、ブラガ選手は得点も取り、好調さをアピールできたみたいですね。これに3/7より合流したタンキ選手を加えたメンバーがサブ候補になります。(3/8時点でメディカルチェック後の契約のリリースはないため、長崎戦は厳しいかもしれませんね)
GKは沖選手でしょう。DFは北爪選手がスタメンで出るならば2枠に、吉田選手・高橋選手が入ると思います。長崎はフアンマの高さもあるため、高橋選手を途中でいれて高さ対策をするという可能性もあります。
MFの3枠は、白崎、西澤、矢島、ブラガ、西原の5選手から3名。得点をとったブラガ、2試合連続出場で良いプレーをしている西原選手は確定。残りの一枠は、中盤ならどこでもできる矢島選手が入ると予想します。
最後の1枠はFWを入れたいところ。若手FW陣としては名古屋戦にフル出場した郡司選手がリード。一方で契約が間に合ってコンディション面に問題がなければ、タンキ選手をいきなりサブに置くという可能性もあります。どちらの選手がサブに入ることになっても非常に楽しみですね。

長崎をどう守るか?

長崎 vs 清水のマッチアップ予想

長崎は豊富な資金力を背景に、選手層が厚く、手強い相手だと思います。ルヴァンカップ後中3日であることもあり、相手がどのようなメンバーでくるかが予測できないのもの怖いですし、いずれにせよ後半には、先発メンバーと遜色のないレベルの選手が投入されてくるはずなので、90分を通して油断できません。相手選手の特徴に合わせた守備の仕方が求められるでしょう。
下平監督は、最終ラインからの丁寧なビルドアップを志向します。長崎がアンカーなのか、Wボランチなのかで守り方は変わりますが、仙台の対策のように、清水としてまずはボランチの選手にボールを入れさせないような守備が有効かと思います。上記の図でいえば山田選手が配給役になるはずなので、北川選手がCBのパスコースを限定しつつ、カルリ・松崎が相手両SBをしっかり見て、乾選手が山田選手をマークするような形。場合によっては中村選手が挟みに行くような前線からのアグレッシブな守備をしてもいいでしょう。
長崎の両WGであるマルコスや松澤選手は高い位置を取りますので、山原・北爪の両SBがしっかりと守る形。マルコスは山原にスピードで優位に立つ可能性はありますし、松澤のドリブルも脅威ではありますが、両SBは1対1で守り勝つことが大事です。
フアンマ選手(後半から出場するエジガル・ジュニオ選手)は、典型的なボックスストライカー。フィジカルの強いジェラが1stディフェンダーとしてマンマーク気味につきながら、蓮川がセカンドボールをケアするような形が理想です。
厄介なのは、澤田選手とマテウス選手でしょうか。澤田選手は仙台戦は後半45分の出場でしたが、下記の通り、左右と前線の様々なスペースに顔を出します。

仙台戦後半45分の澤田選手のヒートマップ

また愛媛戦で2ゴールを挙げたマテウス選手。初期位置はボランチでありながら、攻撃時にはFWなのかというように前線にどんどん上がってきます。

仙台戦のマテウス・ジェズス選手のヒートマップ

この両選手に対しては、オーバーラップに対して、ボランチが下がってつくのか、センターバックに受け渡すのか難しい判断が求められそうです。

長崎をどう攻めるか?

上でも触れましたが、長崎は攻撃には破壊力がありますが、守備は決して固いとはいえません。特にアンカーを置く場合は、守備的な中盤が1名、両WGも前目のポジションということで、両サイドのファジーゾーン(SBとWGの間)に大きなスペースが生まれます。逆に清水は、山原・中村・乾・カルリによる「左起点」の攻撃が得意であり、この長崎の右サイドのスペースをいかに有効に使えるかが、まず鍵になると思います。
左サイドでゲームを組み立てた上で、サイドチェンジ、あるいは北川選手を経由する形で右サイドに展開、松崎選手がドリブルを仕掛け、その大外を北爪選手がオーバーラップする、時には宮本選手がインナーラップで相手のハーフゲートを抜けるような動きができれば、厚みのある攻撃が展開できるように思います。
一度右サイドに展開してから、松崎がクロスを上げて、北爪・乾・カルリ・中村がエリア内に飛び込み、ファーでカルリがゴールなんてのも見てみたいですね。

最後に

でしも相方と、当日早朝にフライト乗り継ぎで現地入りという強行スケジュールで初めての長崎参戦予定です。日曜日ということもあり、現地に行ける清水サポは少ないと聞いているので、その分応援を頑張ってきます
V・ファーレン長崎のマスコットであるヴィヴィくんは、パルちゃんの次に好きなマスコットです。せっかく現地に行くのでお土産にヴィヴィくん人形を買ってこようと思います。
澤田選手、出場できないかもしれませんがヴァウド選手や中村慶太選手など、清水にいた選手たちとの再会も楽しみですね。

可愛すぎるヴィヴィくんぬいぐるみ

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