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展望: 2025 J1第4節 岡山vs清水
激闘の広島戦から中3日。明日に迫ったアウェイ岡山戦のレビューを書いていきます。ちなみにファジアーノ岡山には、ゼロファジさんという素晴らしい考察noteを書いている方がいるのですが、こちらで勝手に紹介してしまいます。岡山目線の「展望」ということで是非一読をお勧めします。
さて本題に入ります。
岡山とのこれまでの対戦成績は?
ファジアーノ岡山とのこれまでの対戦成績は、清水の4勝2分0敗と、清水は一度も岡山に負けていません。直近の対戦は、昨季のJ2リーグの2戦で、
4/28 岡山 0-1 清水@Cスタ(得点者:北川)
6/30 清水 3-1 岡山@アイスタ(得点者: カル x 2、矢島、岩渕)
で連勝しています。それぞれのハイライトを見返してみましょう。
2024 J2 第12節 岡山 vs 清水
アウェイ岡山戦は、乾不在で北川とカルの2トップで戦いました。
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カルがPKを外すという不運はありましたが、その後の北川→カル→北川の見事なワンツーで北川が決勝ゴールを決めてウノゼロで勝利しました。
当時の観戦記はこちらになります。この試合も当時2位対3位の上位対決で、この勝利により清水は首位に立ちました。再現をしたいですね。
2024 J2 第22節 清水 vs 岡山
続いて第22節のホームでの岡山戦です。ハイライトはこちらです。
まずは何といっても前半20分のカルの左サイド角度がないところからの強烈なミドル。名手ブローダーセンの虚を突いた素晴らしいゴールでした。その後は岡山の速い攻めに苦しみながらも、権田選手の連続スーパーセーブもあり、しのぎますが前半終了間際の前半42分に田中→岩渕の見事なスルーパスで同点ゴール。試合は振り出しになります。
嫌な雰囲気の中でまた均衡を破ったのはカルリーニョスでした。後半開始早々のCKのこぼれ球から乾のシュートのこぼれを押し込めて勝ち越し。さらに後半34分に、矢島→北爪→矢島で右サイドから見事なシュートで追加点。勝利しました。
またこの試合は今話題のルカオを高木践が完封したという面でも注目点がありましたね。両チームのスタメンはこうでした。
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こちらが観戦記です。
おまけ: 岡山キラーだったカルリーニョス選手
先日、千葉への電撃移籍のニュースが飛び込んできた清水のNo.10カルリーニョス選手。じつはこの岡山戦を大の得意にしていました。前回対戦は、2ゴール、前々回対戦は1アシスト、そして上記にはありませんが、2年前のホーム岡山戦でも、鈴木唯人とのワンツーから貴重な決勝点を奪う活躍。ここ3試合で3得点1アシストと岡山相手に無双していました。
明日の試合はそのカルリーニョス選手はいません。彼のDNAを継ぐ選手は誰なのか、ぜひ注目したいです。
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今季の岡山はどんなチームか?
J加盟16年目にして、初のJ1昇格という悲願をかなえたファジアーノ岡山。J1開幕後、チケットは平日含めてすべて完売と、岡山だけJリーグ開幕当初のように非常に熱を帯びています。今年は木山監督も4年目のシーズン、J2時代に積み上げたことをベースにしながらも、素晴らしい補強をしてチームの底上げに成功しています。
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中でも、蔚山から加入した江坂選手、柏から加入した立田選手、横浜FMから獲得した加藤選手、徳島から加入したブラウン・ノア選手は即戦力。また2/23には磐田からポリバレントなプレイヤーである松本選手を獲得しています。
GKのブローダーセン選手を中心とする堅守と、全員が前の意識をもって飛び出してくるスピードが武器のチーム。J2で連勝したからと言って決して侮れないチームです。
何より、竹内選手、神谷選手、藤田伊吹選手に、今年から立田選手も加わり、清水エスパルスとは縁の深いチーム。J1昇格組として絶対に負けられない相手ですね。
岡山のこれまでの成績は?
岡山は、これまで2勝1敗の勝ち点6で7位と好位置につけています。ホームでは昨季から7連勝中であり、開幕戦の京都、前節のG大阪と強敵を相手に2-0と完封勝利をして波に乗っています。
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前節のガンバ大阪戦のハイライトはこちらです。
岡山は一部選手のターンオーバーをして、この試合左CBに期限付き移籍加入の工藤、ボランチに神谷、シャドーに岩渕、トップに一美を起用。鈴木、田部井、木村、ルカオという主力をある程度休ませることに成功をしています。
まだ3試合ではありますが、スタッツ的には以下の通りです。
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失点が清水と同様3試合で1のみと攻守は維持していますが、特筆すべきは被攻撃回数は20チーム中最下位とかなりの回数攻め込まれている点です。また攻撃面では逆に攻撃回数が20チーム中2位とかなりの回数攻めています。これは岡山が非常に縦に速いサッカーをしていることの象徴であり、また最終ラインのところでチャンスを作らせないようなそんなサッカーをしていることが要因であると考えられます。
さらに詳しいスタッツを見てみましょう。
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やはりボール保持率は43.4%と、19位と低くなっています。クリアの数が1位、オフサイドの数も2位など、大きくけり出して裏を狙うような縦に速いサッカーであることがわかりますね。
岡山の予想スタメンは?
これまでの3戦の岡山のスタメンは以下の通りです。
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システムは3-4-2-1で不変。選手は1戦目・2戦目は同じスタメン。3戦目に4名の選手を入れ替えました。明日の試合が終われば次は中6日と時間をとれますので、この試合は前節休ませたメンバーはもちろんのこと、これまで出続けている選手も含めベストメンバーで臨んでくるのではないでしょうか。
岡山の予想スタメン・サブはこちらになりました。サブには磐田から移籍した松本選手が入ると予想しています。
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しかしファジアーノ岡山は層が厚くなりましたね。これで後半から神谷や岩渕や一美が出てきたら、非常にやっかいです。さらに最後竹内が出てきて試合を締められたらと思うと、、、。こうした選手起用にも注目ですね。
注目選手①ルカオ
何といっても今は岡山の顔ともいえる、ルカ王ことルカオ選手。高木践選手との激しいバトルは記憶に新しいですが、あれからルカオ選手も高木践選手もパワーアップしていると思いますので、再び対決が楽しみですね。
彼が持つとスタジアムが沸き上がり、ゴールでもしようものなら、彼の観客を煽るパフォーマンス含めて、スタジアムが完全アウェイになるでしょう。逆に前回のように封殺できれば、清水がペースを掴めるようになると思います。
注目選手②江坂選手
今年韓国の蔚山から移籍加入した江坂任選手。32歳とベテランですが、日本代表経験もあり、柏・浦和の2チームでJリーグ優秀選手賞を受賞した選手です。韓国の蔚山ではリーグ連覇にも貢献し、岡山に電撃加入することになりました。
こちら韓国時代のハイライトですが、トップチームで18試合に出場し、2得点3アシストとまずまずの成績を残しました。
岡山加入後すぐにTMで結果を出し、開幕から3戦連続スタメンと欠かすことのできない選手になっています。清水が乾なら、岡山は江坂。この二人の対戦も楽しみですね。
注目選手③立田選手
最後にあげるのは、清水エスパルスジュニアユース、ユース、トップチームと清水生え抜きで、今季柏レイソルから完全移籍をした立田悠悟選手。26歳と年齢的には北川選手・宮本選手の2学年後輩にあたる弟分です。清水時代も5シーズンに渡り、ほぼ不動のレギュラーとして124試合に出場。サポーターからも愛された選手でした。
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魅力は時には熱くなりすぎる性格と、191cmという高身長から叩き出されるヘディング。柏レイソルでも2シーズンを過ごしてさらに成長したと思いますので、またJ1の舞台で対戦することになり楽しみですね。
北川航也選手も対戦を楽しみにしているようですね。
「(当時は)余裕でやれてた。かわしてシュートも打てたし、背後も取れた」
他にも、ファジアーノ岡山には、キャプテンの竹内涼選手、神谷優太選手、藤田息吹選手と清水に在籍したことのある選手が多くいます。対戦を楽しみにしたいですね。
清水エスパルスの予想スタメン・サブは?
さて、清水エスパルスですが、広島戦に向けては、トラブルがあったであろうカピシャーバ選手を除き、基本的には主力メンバーをスタメンで継続して起用してきました。この試合を、同じく主力メンバーを通して戦うのか、ここでターンオーバーをかけるのか、大きく選択肢がわかれると思います。
特に、清水の生命線である北川-乾のラインをどうするのか。アフメドフあるいはタンキ-小塚というオプションもあるだけに、秋葉監督がどう考えるのか注目ですね。
もう一つは採用システムです。広島はミラーゲームにする形で3-4-2-1を選択しました。岡山も広島と同様3-4-2-1のシステムを採用するチーム。同じようにミラーにして個の勝負で上回りにいくのか、4-2-3-1の「乾システム」に戻して戦うのか、これも判断がわかれるところだと思います。
でしパルス的には、せっかくなので、「メンバーを入れ替える」「3-4-2-1システムを採用する」という大方の予想と逆の前提で考えたいと思います。
そうするとこうなります。
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システムは3-4-2-1を採用。カピシャーバ選手次第ではありますが、彼が引き続き欠場となった場合には、4-2-3-1の左をやれる適任の選手がいないのが今の実情。であればリスクをとらずに、岡山に対してミラーにすることで選手の噛み合わせを明確にした方がいいのではないかと考えました。
次に選手ですが、トップはタンキ選手。これまで十分な出場機会を与えられておらず、本人も忸怩たる思いがあるはず。TMでは好調を維持していましたのでここで先発で起用してハッスルしてほしいところ。北川選手の貢献度は素晴らしいですが、岡山は縦にすぐに蹴ってくるために、丁寧な前線からのプレスはある意味不要なのと、ピッチの状態がそこまで良くないことが想定されるため、重馬場でも力を発揮できるタンキをスタメンに。
続いてシャドーですが、好調を維持する松崎選手は引き続き先発起用。相棒には乾選手に代わり小塚選手を起用。岡山の江坂選手と共に韓国での部者修行を終えて帰ってきた小塚選手。これまでの試合も途中出場で輝きを放っていました。カルの代わりに岡山キラーになるのはこの男だと思っています。
両WGについては、岡山の柳(貴)、加藤の両WGと対峙する形になりますが、相性を考えて左に吉田、右に山原を起用。岡山の左WGの柳(貴)選手は185cmと身長も高くフィジカルにもすぐれているため、フィジカルで負けない吉田豊選手を起用。逆に相手の左WGの加藤選手は小柄でスピードのあるタイプであるため山原選手でシャットアウトしたいです。
ボランチは悩みましたが、宇野選手とブエノ選手は不動でしょう。かなり運動量も増えているので、宮本選手・弓場選手を控えに置き、行けるところまで飛ばして欲しいです。
最終ラインは、広島戦で完全燃焼したジェラに代わって、高橋祐治選手を初先発で起用。ルカオ選手とマッチアップすることになると思いますが、両脇の高木選手・蓮川選手と協力しながら、ベテランとしてうまく守って欲しい。両脇は右に攻撃参加も見越して高木践選手。山原選手をさらに追い越してクロスを上げるようなシーンが作れればタンキ選手のヘディングなどゴールチャンスがうまれそうです。さらに守りは相手のエースである江坂選手をその機動力で封じ込めて欲しいです。左CBは安定したプレーをし続ける蓮川選手。対面の木村選手もパワフルな選手ではありますが彼ならきっと防げるでしょう。
GKは沖選手で不動です。前節風もあって安定感を少し欠いたキック精度についてもこの試合は期待したいですね。
サブにはさきほど触れた弓場選手を抜擢。そろそろ出番を与えたいところでしょう。また主力組をベンチに置くことで、後半からでも勝ちに行く際には北川-乾のコンビを中心に勝負に出ていければ相手にとっても嫌だと思います。
清水はどのように戦うか?
もし上記の通り、3-4-2-1を採用するのであれば、ミラーゲームとなり、非常に締まった試合になると思います。やはり清水は広島戦と同様に、前からプレスをかけ続けて、相手から自由を奪うことが重要です。また、後ろからどんどん人が追い越すように前に出れれば、わりと前に出てくる岡山の矢印を追って裏を取るチャンスも増えてくるはずです。
臆することなく、チャレンジャーとして、岡山相手に全力で立ち向かっていきましょう。現地観戦なので、声をからして応援してきます!
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