ベトナムで「写真のマニュアルを作った」仕事の話(前編)
今回3/25(土)~3/28(火)までベトナムにカメラのお仕事に行ってきました。
その振り返りのお話です。
と言っても、私が普段行なっている「自分が撮る」仕事ではなくて「人が撮れるようになるため」の仕事でした。
経緯
NIKOMIXさん
今回は、大学院の同期で経営の師匠である仲西さんがベトナムで経営する「NIKOMIX」さんのお手伝いで、ベトナムのハノイに行ってきました。
NIKOMIXさんは、ベトナムでの化粧品事業や、仕事で駐在する日本人や外国人の方向けのサービスアパートメント(洗濯や部屋のクリーニングなども提供される高級住宅)の賃貸事業を手掛けておられます。
私はサービスアパートメント事業のお手伝いで、今回訪問しました。
楽しそうなことには全部乗っかりたくなっちゃう
仲西さんから「NIKOMIXの仕事してみる?」とメッセージいただき、今の本業の起業前からの「なんか面白そうなことは全部やってみたい病」が再発し、でも本業が優先なので、「空いている時間でコミットできることならやってみますー」と、返答したのがきっかけです。
その後「仕事できたわ」と連絡があり(仲西さんっぽいですw)、今回のお仕事の説明を聞き「とりあえずベトナム来てみる?」とのことで、訪問させていただきました。
ベトナムがどんな所なのかも想像できなかったですが、好奇心が勝りました。
また、海外のお仕事のお手伝いも楽しそうだし、自分の学びになりそうだなぁと思い、さっさかチケットを取り、行ってきました。
お仕事の内容
写真を人に教える仕事
厳密に言うと「今まで物件の写真を撮ったことがない人を、あっという間にある程度の物件写真の撮影ができる人にする」と言う仕事でした。
短期間で成果を出す感じの仕事は瞬発力と機動力が必要なので、自分好みの仕事です。
アパートメントの空室や新規募集の際の物件資料としての一次情報として超重要な「写真」。
これを「特定の誰かが、特定の機材を用いてしか撮れない」を、ゴールとするのではなく「誰でも、自分が持っているスマホで撮れる」を、ゴール像にして撮影をできるようにするのが、今回のお仕事でした。
一緒に取り組んだ現地スタッフの皆さん
NIKOMIXの現地で働くスタッフで撮影を行うガーさんと、全体のマネジメントをされているフエンさんにお伝えしました。
課題の整理
なんかマニュアル通りに撮ってくれない
以前からNIKOMIXさんでは撮影マニュアルの整備を進めてこられ、前述の通り、誰でもある程度のクウォリティの写真が撮れる状態を目指してこられていました。
が、「なんかマニュアル通りにならない」と言うことが頻発していたようです。
具体的には「必要な撮影箇所が撮られていない」「マニュアルのルール(例:水平・垂直を意識して撮影する)が徹底されていない」などが、多くあったようです。
したがって、写真も質が低いものになってしまう状況であったようです。
課題解決への仮説
パッと見、マニュアルの文量がキツい
業務系のマニュアルだと、細かく文字面を追っていくようなマニュアルになるのは仕方ないと思いますが、文量も多く読みづらいのではないかなぁと思いました。(これは良くないのですが、私もマニュアル読んでその通りするの苦手です。ある意味マニュアルを守りたくない人の立場が分かるから、今回は良かったのかもしれません)
お手本がわかりにくい
現地の実際に即した撮影例が掲載されておらず、撮影者もイメージしにくいのかなぁと想像していました。
同様の理由で、マニュアルに則って撮影しても「上手く撮れてやったー感」のような達成感も感じにくいかなぁと思いました。
多様に解釈できる
文面を読むと、部分部分「本人の判断に委ねらる」解釈ができる部分が多く、撮影者によって、ばらつきが出てきてしまいそうな印象でした。
チェックリストをチェックしなくてもいい仕組み
撮影箇所に漏れが無いよう撮影時のチェックリストも用意されていたのですが、オペレーションの中で、そのチェックが完了されていなくても物件撮影が完了してしまう仕組みになっているようでした。(例えばチェック済みのリストを上司に完了報告と共に提出するとか・・・?)
私が取り組んだこと
実際に自分でマニュアル通り撮ってみる
前述の仮説に基づき「マニュアルの使い勝手」&「見本の撮影」のため、自身で撮影を行いました。
肌感覚でマニュアルの使い勝手を検証することは必要だなと思い(だってマニュアル使ったことないのに、人にマニュアル使いやすさについて説明できないし)、じっくり撮影を行いました。
撮ってみると、「人によって判断が異なる部分がある」(仲西さんから個人のセンスに依存するのはダメと言われていたので)のはそうだなぁと感じました。
また、撮影って集中して行わないと集中力の無い写真に仕上がってしまうのですが、マニュアル内で気をつけるべきことの記載が色々な場所にあり、撮影しながらマニュアルに則って撮影するのは、ハードルが高そうだなと感じました。
撮影サンプルは、自分も物件撮影は件数をやってきた訳では無いので、一般的なガイドラインとして前述のマニュアル(不動産関係の方が監修していたようなので)を忠実に守りながら、撮影しました。
その内、多様な解釈がある(不自然な写真を判断する「センス」が必要となる)場面は自分でこなしながら作っていきました。センス無いけども!
チェクリストも建物の撮影も近隣の店舗の撮影から、外観、内観と色々な部分を動きながら撮影していくため、マニュアルを読みながら、チェックリストも並行して確認する作業量はきついなぁと思いました。
撮ってみて良かった。
物件撮影チェックフォームの作成
以上から、
・目指すべき姿(見本)が分かる。
・解釈に振り幅を持たさせない。
・撮影の流れで負担なく必要箇所が網羅的に撮れる。
の要件を満たす仕組みとして、「物件撮影チェックフォーム」をGoogle formで作成しました。
流れとしては、撮影時の動線も考慮し、上から順に全ての必要な写真のサンプルを載せ、それに対し画像をアップロードしていく形にしました。
必要最低限に絞り込んだ「Lightroom編集マニュアル」を作成
広角レンズで撮影が多いため、最低限のクウォリティの担保のため、歪みの補正が必要になります。また、明るさ、色の最低限の調整も必要だと思い、信じられないくらいシンプル(にしたつもり)のマニュアルも作成しました。
プロジェクト概要の作成
目的や手段、達成期間をお互いに握るための初回ミーティング用の概要を作成しました。(こう言うのはフワっと中途半端になりがちなのを経験してきたので)
結果
実際に撮った写真が今回の成果
実際に上記をベースに撮影してもらった写真はこちら。
ガーさんは物件撮影はもちろん未経験、撮影はスマホの手持ちで撮影しています。なので究極、スマホと上記のチェックシートがあればどなたでもこのように撮れます(撮れるはず)。
現地では、見本と同一の構図になるよう、コミュニケーションをしながら撮影し、次回撮影以降、お一人でも同じように撮れることを目指していきました。
帰国後、家内に写真を見せたら「えーこんな綺麗な物件がベトナムにあるの??いいなぁ」と言っていたので、多分仕事の質としては合格点だと思います。
まとめ
これからが勝負
一旦仲西さんと話していた「誰でも、自分が持っているスマホで撮れる」、「今まで物件の写真を撮ったことがない人を、あっという間にある程度の物件写真の撮影ができる人にする」と言うゴールについては導入部分は良かったのではと思っています。
これからガーさん、フエンさんとマニュアルをブラッシュアップしていき、それこそインストラクション無しでも、当日から、誰でもある程度撮れちゃうマニュアルにできたらと思います!
今週中にガーさんが実際の物件撮影に行ってくださるようなので、めっちゃ楽しみにしています。
機会に感謝
今回、人の成長(できなかったことが、できるようになる)のお手伝いができて、本当に面白かったですし、やり甲斐を感じました。
自身で撮るが本業ですが、自分が甘い部分、理解していない部分も振り返るいい機会になりました。
また、ベトナムで新たに人と出会えたことが単純に楽しかったです!
(Airbnbのexperienceホストもコロナ以降全くやっていなかったので)
短期間でしたが、仲西さん、城崎さん、フエンさん、ガーさん、NIKOMIXの皆さん、家でお留守番をしてくれた家内と娘と黒猫のクロ助に感謝です!
最後にベトナムぶらりの写真も載せておきます。
また機会があればベトナムに行ってみたいです。
(頑張って自分の三脚と一眼を機内持ち込みで持って行ったのですが、スマホだけで良かったと後で気づきました)