東方蜘蛛男伝 〜スパイダーマンが幻想郷入り〜
まえがき:初投稿です。スパイダーマンまだ見てない人はネタバレになるかもしれないので注意ですよ〜
第一章:いざ、幻想郷へ
アメリカのニューヨークに一人の青年がいた。
彼の名はピーター・パーカー。
またの名を
スパイダーマン
暑い夏の日だった。
「ふぅ、今日のパトロールも終わりっと。」
そう心の中で呟いてピーターは布団に潜った。
幼馴染であり、親友のハリーが死んでからもう半年が経つ。
最近は大学に行きながらスパイダーマンとして活動し、MJとも恋人を続けている。
かなり大変な日常だが彼は自分がスパイダーマンであることに誇りとやり甲斐を感じていた。
そして夜が明けて次の日の朝、事件は起こった。
ピーターが大学に行く準備をしているときに窓の外から一人の女の人が現れた。
「ごきげんよう。ピーター・・いや、スパイダーマン。」
女の人は日本人の顔つきで空にふわふわ浮いていた。
ピ「・・・誰?」
ピーターは冷静に質問をした。
グライダーに乗った緑のゴブリンや背中からメタルのアームを生やした科学者、宇宙から飛来した黒い生き物などピーターはもうおかしな物は見慣れているのだ。
紫「あら、随分冷静ね、私の名は八雲紫っていうの。担当直入だけどあなたには今から来てもらわなきゃいけない場所があるわ。」
ピ「いきなり現れて自分について来いとかちょっと図々し過ぎない?理由とかその他諸々説明して欲しいんですけど・・・」
ピーターは困惑しながら紫に言った。
紫「あなたは今この瞬間世界中の人間に忘れられてしまったの。そしてあなたがこれから行く場所は忘れ去られた人が行く場所よ。」
ピ「あー・・・えっと、中に浮いてるし僕がスパイダーマンだってことも知ってるみたいだし本当に何者?それに僕にはメイおばさんもMJもいる。忘れられるなんてことは絶対ない。」
紫はピータにテレビを付けることを要求した。
ピ「何これ・・・」
驚くことにスパイダーマンについて取り上げてる番組が一つもなかったのだ。
現在のNYではスパイダーマンについて議論し合っている番組やニュースなどが四六時中放送していたはずだった。
しかもメイやMJ、大学の知り合いなどに電話を掛けても誰一人として自分を知っている人がいなかったのだ。
紫「これでわかったでしょう?あいにくこっちは急いでるの。ちょっとついてきて頂戴。」
紫はピーターの足元にスキマを出現させた。
しかし、ピーターは超人的な反射能力でクモ糸を天井に貼り付け回避し、そのまま天井に張り付いた。
ピ「もしかして君が原因?いきなり攻撃してくるなんてひどいじゃないか!」
紫「勘違いしないで、私が原因ではないわ。とにかく今は詳しい事情は話してる暇はないの。それにしても今の凄いわね・・・」
ピーターは少し考えた後に紫についていくことにした。
今までヒーローとして街を守っていて色々なことがあったが、今回は今まで以上に奇妙で今までとは訳が違う事件だとピーターは薄々気付いていた。
ピ「わかった。君について行くよ。」
ピーターはそう言ってベッドに置いてあったスーツに着替え始めた。
紫「あっ」
ピ「あっ」
紫「ご、ごめんなさいね!」
紫は慌てて後ろを向いた。
お互い少し取り乱してしまったが準備は万端だ。
紫「それじゃあ出発しましょう。先に行ってるわね。」
紫はそう言ってスキマの中へと移動すると、少し大きめのスキマを出した。
ピーターはメイとMJ、そしてベンおじさんのあの言葉を心に思い浮かべながら思いっきりジャンプしてスキマの中に入った。