現代昔話「」
「よし。もうひとつのアカウントは本音をぶちまけるものにするぞ。ひひひ。」
と、おこりんぼのばあさまはいいました。
そうしてさっそく、あたらしいSNSのアカウントをこさえては、【本音】と名付けました。
おこりんぼのばあさまは【本音】に書き込もうとありとあらゆる悪口を、打ち込んでは消し。打ち込んでは消しを繰り返しておりました。
ある日のことです。
おこりんぼばあさまは雷にうたれました。
雷に打たれてからというもの、ばあさまはひとが変わったようになり、「自分の文章を見た誰かがイヤな思いになっちゃったらどうしよう」というかわいらしい思いやりの言葉の数々を積極的に発するようになりました。
そうして、おこりんぼのばあさまは、いつしかばあさまになり、【本音】を消去するのでした。
めでたしめでたし
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