V坂エベレスティング
10/12(水)にエベレスティングに挑戦しました!
エベレスティングってなぁに?という方はこちらをお読みください↓
https://www.redbull.com/jp-ja/everesting-cycling-challenge-beginner-guide
挑戦にあたって
2年ほど前から周囲でエベレスティングが流行っていて、
私の周りにはエベレスター(エベレスティングを達成した人)と呼ばれる変態が多くいました。
そんな人達からエベハラ(エベレスティング・ハラスメントの略)(エベレスティングの勧誘を受けること)を受け続けていたものの、何本も同じ場所を登り降りしなければならないという、苦行でしかなさそうなルールに個人的に魅力を感じず、受け流してきて今日まで至ります。
しかし先月、同じサークルの女子が10k(10,000mアップ)という偉業を達成したことに多大な影響を受け、負けず嫌いな私は「やっぱ私もエベレスティングやるわ!」と決意。凄まじい手のひら返し!
今春のキャノンボールチャレンジ失敗を未だにリベンジができていないのもあり、どうせエベレスティングに挑戦するなら、ただ達成を目指すだけでなく、速く走って更なる達成感を味わいたい…
そうして立てた目標は、『エベレスティング16時間切り』
よみうりランド前の坂、通称V坂でやることにしました。
準備
エベレスティング経験者によると、荷物が多い&座って休める場所ができるので車があると便利との事だったので、カーシェアを借りることに。
お陰で補給食を事前にたっぷり買え、マッサージガンまで持って行くことができました。これは大きいアドバンテージ!
・補給食
前日に握ったおにぎり5つ
菓子パン8つ
グミ
リンゴチップス
アミノサプリ2つ
水4L
マルトデキストリン系粉
速攻元気
エベレスティングには記録が大事なので、ガーミンに表示する項目は一番気を使いました。一目で知りたい情報だけ入るように設定して、以下のような感じに。
本数は手動でラップ機能で管理。
押し忘れないかと不安でしたが、もはやラップボタンを押すためだけに登っていたので忘れることはありませんでした。
エベレスティングの認定は、セグメントを使って行われるので、セグメントが切れていないと面倒なことになるそうです。したがってライブセグメント機能で、GPSロストせずセグメントにしっかり入っているか確認することにしました。
当日
4時スタートの予定だったので、1時半起床。
ローディーの朝は早い…というかまだ夜。
一人で行く気満々だったのだけど、なんと直前に旦那が一緒に行って応援してくれると申し出てくれた!
心強すぎる!
ちょっと早めにV坂下の駐車場について、準備を始めます。
実は2週間前位にサドルとハンドル&ステムを一新してから、ポジションが変わってしまったのか、走っていると脚の内転筋が痛むように。
以来、サドル位置を微調整続けているけどなかなかしっくりこない。
この日も走る直前になって、サドルを数ミリ下げました。これからエクストリームなライドが始まるというのに不安だ…。
スタート
4時ちょうどにスタート。
最初の元気なうちにSSTペースで走っておき、後半は気合で乗り切るという脳筋作戦!
エベレスティングは頑張りすぎないペースが良いとよく聞くけど、今回は目標の時間があるので無理してでも頑張って走ることに。
自分の走力だと、休憩時間を削らないと目標に届かないことがわかっているので、最初は20本走ったら休憩1回と想定。
登りは3分40秒~4分くらいでまとめられて理想通り。朝方は風が微妙に北東に吹いており、アシストしてもらえる区間もあったように思います。
登りと下りで必ず発生するUターンもスムーズに行えて感無量。練習の成果が出ている!(情けない事に、つい最近までUターンができず、毎回脚をついていた。)
エベレスティングの公式サイトによると
8,848m登るには、V坂を140本登らないとならないとのことなので、計280回Uターンすることになります。スムーズなUターンはとても大事な要素なのだ!
楽しいエベレスティング
日が昇り始め、車通りが多くなってきました。
V坂は今年トンネル開通工事があった影響で、以前よりも車通りが多くなったそう。安全に気を配りながら走ります。
開始から8時間位までは、1時間10本ペースとかなり順調でした。
途中、応援に来て下さった方と一緒に走ったり、休憩中にお喋りしたり。
人がいない時も、電動ママチャリやランニングのおじさん達に抜かれたりと、全く飽きずに走れました。電動ママチャリ、普通に速くてちょっと悔しい。
驚いたのが、V坂をリピートしているローディーが結構いる事。皆登り降りを繰り返して、日常的に練習しているのかもしれません。
言葉を交わすことはないけど、お互い仲間意識を持っていたと思います。
勝手にそう思ってます。
何度も登り降りを繰り返していくうちに、
あんなに毛嫌いしていた同じ場所の登り降りを、意外に悪くないかもしれないと思い始めました。
景色はあまり大きく変わらないけど、走りに集中できるとなんだか楽しくなってくるのです。
飽きた時用に骨伝導イヤホンをつけていましたが、無音でも十分でした。
正念場
流石に疲れてきて、20分ほどのお昼休憩を入れることにしました。
お手製おにぎりをとりあえず頬張るも、
疲れていると顎を動かすのもしんどくなる人間なので、咀嚼して飲み込むだけでも一苦労。食べるのも体力いるよね。
沢山カロリー取らなきゃと思って大きいおにぎりを握ったのが失敗でした。食べ切るのが大変。
補給食用のおにぎりは、小さめサイズを沢山持って行った方がよさそうです。
大休憩を入れてだいぶ身体が休まった気がしましたが、その後、10本に1回くらいだった休憩が7本に1回くらいになりました。
ペースがみるみる落ちてきています。
追い風ブーストを使えた区間がなくなり、逆に向かい風気味になってているも大きい。
坂なのに、風って影響あるんだ…。同じパワーを出してるのにタイムが如実に変わっていると感じました。もちろん数十秒程度の差ですが、何十本も積み重なると大きい差となります。
6,000m過ぎたあたりから、楽しんで走っていたエベレスティングがだんだん苦行へと変化していきました。
疲労で脚が思うように動かなくなると、途端に楽しくなくなってきます。
インナーローでも急坂区間が辛くなり、少し斜度が緩む区間でもギアを1段上げることができなくなりました。
それでも、意地でも登坂区間は4分30秒以下になるように努めます。
登っている時は苦行だけど、応援に来てくれた方々と休憩中に喋って笑っていると瞬く間に元気になる不思議。本当にありがたい…。
後悔
エベレスティングは、寝なければ何時間かかって達成してもOKなルールがあります。
一人で挑戦するもよし、皆で挑戦するもよし、山奥で挑戦するもよし、V坂の様に、応援が来てくれやすい市街地で挑戦するのもよし。
人には人のエベレスティング。
私はというと、自分にとって決して楽ではない時間制限の縛りをつける事で、何故か自らを苦しめている。
この挑戦を思いついたときはワクワクして、早く挑戦したくてたまらなかったけど、いざ走ってみて、激しく後悔しました。
ゆっくり登ることが許されないし、休憩中も時間が気になって仕方ない。
もう16時間切りとかそういう変なこだわりは捨てて、応援に来てくれた皆とこのまま楽しくおしゃべりしながらのんびり登ってゆるっと達成したい…。
終盤になればなるほど強く思いました。
ゴール
後悔しながらも、なんとかかんとか残り20本まで漕ぎつけられました。
もう登坂は4分30〜40秒ペースまで落ちていますが、このままいけば、16時間切りは達成できそう。
時間に間に合いそう…そう思った時、私はすぐさぼる癖があります。
PEAKSの時も間に合いそうと分かった途端、今まで切り詰めていた休憩時間を大盤振る舞いしてゆっくりカレーを食べ始め、結果、思ったよりも時間がなくて制限時間3分前にギリギリゴールという実績が。
そんな苦めな思い出があるにも関わらず、
今回もギリギリまで休憩時間を多めに取ってしまいました。
でももう休憩してないとやってられないんだからしょうがない!(開き直り)
実はずっと朝から痛んでいた腸脛靭帯や内転筋の痛みをマッサージガンでごまかしつつ、差し入れで大量にもらったアミノ酸飲料やredbullを大量に飲みました。redbullは初めて飲んだんだけど、イイ気がする。
そして疲れている時こそフォームを意識、ペダリングは丁寧に、という誰か偉い人が言っていた様な気がする言葉を思い出し、意識して回します。
お尻とハムがほぼ息してないので、上体を使って腹筋と肩甲骨周りの筋肉をフル動員。
その甲斐あってか、終盤でもL3くらいの出力は出せていました。
あと4本、あと3本が長かった。今までの過程を考えれば一瞬の様なモノのはずなのに、V坂が超級山岳に思えるのです。
お仕事帰りに駆けつけてくれた方々が声援を送ってくれたり、後ろを走ってくれたり。本当に励まされた、けどもう心の中は瀕死。
残り2本地点で、あと15分で目標時間の16時間になってしまうことに気づきます。
休憩し過ぎた…と旦那にぼやくと、
「ここまで来たら、後悔しない様に、もう力の限り回すしかないでしょ」とコーチみたいなことを言われました。
はい。その通りですね。
もう恥も外聞もなく、「はぁ、はぁ、」と声に出してしまったw
後ろの人に聞かれてるだろうけど、もういいや。
辛い時に度々出てくる、私の脳内御堂筋くんが現れました。
御堂筋くんも脚がちぎれるまで回してたから私も頑張らなきゃ。
そして、無事15時間54分でゴール。
図ったように、やっぱりギリギリでしたw
振り返り
最初突っ込んで、後半気力で耐える作戦だけど、功を奏したかどうかは結局わからない…。
序盤と終盤を比べると、出力はおよそ10%減。
もう少し序盤での出力を下げたら、同じ達成時間でも、一定ペースで楽に走れたのかな。
登坂は常にL3を下回らない様に意識していたので、IFは0.75。
この強度を長時間続けられたのは自信に繋がりました。
V坂という短い坂の特性上、あまり疲労を貯めずに下り(休憩区間)に入れるのも大きそうだけど。
お礼
今回エベレスティングに挑戦して、本当に沢山の方の親切に触れることができました。
遠方から出勤前と退勤後と駆けつけてくれた方、
仕事でお疲れの所、電車を乗り換えてまで駆けつけてくれた方々、
1日に何度も顔を見せに来てくれた方々、
県外から駆けつけてくれた方々、
3年ぶりにも関わらず、ひょっこり顔を見せて下さった方、
スキマ時間で激励しに来て下さった方々、
文字通り、走って来て下さった方。
一緒に走ってくれたり、お喋りで気を紛らわしてくれたり、沿道でガッツポーズをしてくれたり、声援を送ってくれたり、差し入れを下さったり・・・
様々な方法で多くの方に支えていただきました。
完走した後にも続々と顔を見せに来ていただけて、
さっきまで御堂筋くん状態だったはずなのに、皆とのお喋りが最高に楽しくて疲れが吹っ飛びました。
多くの方たちが忙しい中、私という取り立てて特別でもない人間の為に、「わざわざ」時間を作って応援に来て下さったことに感謝の気持ちで一杯。
また、Twitter上でもコメントで励ましてくれたり動画を送ってくれたりした方にもお礼を申し上げたいです。
私は周囲の人に恵まれているなあと心底実感した日でした。
みんなありがとう。
私がもらった沢山の親切を返す意味でも、次にエベレスティングに挑戦しようという方を精一杯応援出来たらいいなと思いました!
なので、これを読んで下さったあなたも、是非エベレスティングチャレンジ!!!
(これがエベハラか…)