Derma2021年4月増刊号「皮膚アレルギー診療のすべて」
・FDEIAは運動以外にもNSAIDsやアルコールが誘因になる.WDEIAはω-5グリアジンアレルギーとも,二次的要因なくても生じ得る.食品摂取後4時間までの運動や飲酒やNSAIDsの併用避ける
・PFAS(花粉食物アレルギー症候群)
①PR-10(最多):カバノキ花粉(4~6月).バラ科(リンゴ,モモ,サクランボ),ヘーゼルナッツ,マメ科,稀にセリ科,キウイ.熱や加工で抗原性低下.豆乳,モモ,ビワは全身症状に注意
②プロフィリン:イネ科,ブタクサ,ヨモギ花粉.ウリ科,トマト,オレンジ,アボカド,バナナ.口腔咽頭症状が基本
③GRP:スギ,ヒノキ花粉.バラ科,梅干し,柑橘系.加工食品でも症状あり.眼瞼腫脹,アナフィラキシー,FDEIA.
・魚摂取後のアレルギー
①魚アレルギー:幼少時から発症,経皮感作,OASが多い,パルブアルブミンが主な原因抗原,マグロやカツオは抗原少ない
②ヒスタミン中毒:赤身魚(マグロ,カツオ,ブリ,サバ,イワシ)の干物に多い,アレルギー様食中毒
③アニサキスアレルギー:直後または数時間後,中年以降に発症,経腸感作,サンマやマグロは寄生少ない
・獣肉アレルギー
①α-Gal syndrome:イヌ,マダニ咬傷で感作,セツキシマブやカレイ魚卵も交差,A型やO型に多い
②pork-cat syndrome:ネコ,経気道感作(Fel d2),加熱不十分な豚肉や加工品
ともに抗原回避により治りうる
・鶏卵アレルギー:インフルエンザワクチンは原則接種可,経口リゾチーム製剤は販売中止
・牛乳アレルギー:カゼインが含まれる整腸剤(ラックビー,タンニン酸アルブミン)や経管栄養剤(エンシュア,ラコール,アミノレバン)は禁忌,ビオフェルミン,ビオスリー,ミヤBMは可.乳糖は禁忌ではないが要注意,ドライパウダー吸入剤にも乳糖含有,リカルデントは牛乳由来タンパクを含む
・多型形斑型や播種状紅斑丘疹型の原因薬剤はアモキシシリン,ロキソプロフェン,アセトアミノフェン,セレコキシブが多い
・マイコプラズマの多形紅斑は小児に多く,顔面や体幹に好発,粘膜疹多い
・Stevens-Johnson症候群はアポトーシス+ネクロプトーシス
・重症薬疹では胆管消失症候群や閉塞性細気管支炎の合併に注意
・コリン性蕁麻疹は①汗アレルギー型:毛包不一致,軽度のアトピー,女性に多い,一部は眼瞼浮腫やアナフィラキシーを伴う重症型②毛包一致型③減汗性コリン性蕁麻疹(AIGA):男性に多い,うつ熱,指定難病,ステロイドパルス