陽子線に夢を見た。

昨日は父の受診。父は喉頭癌のStage4だった。一度担当の先生に喉頭咽頭全摘出+リンパ節郭清と言われてから悩んだ。というのは喉頭咽頭全摘出となったら声帯も取ることになり、父は声を失うのだ。脳梗塞後遺症で構語障害があって今までも話す言葉がたどたどしくて聞きにくい上に、少し鬱も出てきて、ボソボソと話し、何を話しているかわからない状態だったので、声くらい失ってもとは思ってはいたものの、父の声を聞けなくなると思うとそれはそれで悲しい。けど、これをやらなきゃ癌と対峙できないと思ったら私はこれは仕方ないと思っていた。しかし、今までこのことに無関心だと思っていた妹が陽子線の治療をいきなり勧めてきた。夢のような治療に思えた。けど日本では保険適応もないため、私は怪しい治療だと思っていた。しかし、調べると、群馬大学、筑波大学等でその治療がされていると知った。国立大学が国費を使って行なっている治療なら少し信頼できるかもしれない。と思って藁にもすがるように陽子線治療をやっている病院にセカンドオピニオンを受けに受診した。受診はスムーズに行った。しかし腫瘍が大きく、陽子線は適応にならない、しかしIMRT(https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/treatment/radiation/imrt.html)という別の照射方法は適応になるだろうとアドバイスを受けた。そのアドバイスを元にもともと父が受診していた病院の放射線科を再び受診、相談をしてみた。

結局リンパ節転移は大きすぎるため、郭清が必要。IMRTやっても原発腫瘤は根治には至らないだろう、なので、結局喉頭咽頭全摘出を勧められたというのが現在の流れ。

0地点に戻ったわけだ。結局これになったんだ。

色々バタバタしていたため、オペは1週間延期となった。しかし、昨日家族会議をしていて、我々は1週間陽子線に夢を見させてもらったね、っていう話しになった。300万円かかるけど、魔法のような治療があって、それをすれば、父はオペしなくてよくなるし、もしかしたら、声も失わなくて済むよね、って思わせてもらった!有難う陽子線。1週間だけ精神的に楽になったわ。

けど思った通りだった。そんな夢の治療なんてない。

よくなんとかワクチンとか行って数百万円取るような自費治療をしている医療機関とかもあるけど、そんなとこは夢を売ってるんだなって思った。友人のナースがそういう怪しい点滴クリニックに勤務しているって言ってたけど、そういうところに来ている癌患者さんはお金持ちの社長さんとかばかりだって。

そういう所に行く人って馬鹿だな、って正直思っていた。

けど、父はラッキーな事に手術をやっていただける事になったがもし匙を投げられていて他に選択肢がなかったら私はそういうところにお世話になっていたかもしれん。いや絶対なっていた。

夢見たいもんね。誰だって。

#喉頭癌

#陽子線治療

#喉頭摘出


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